日本を「51番目の州」にするとどうなるのか? その③
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お盆に書き終わるはずが、大統領選がもはや見えてきてしまったし、いい加減サラミ化してきてしまったので今回で終わらせたい……。
計算結果
今回は① 日本全体を1つの州とした場合、② 北海道、東北、関東、中部、近畿、中四国、九州・沖縄の各地方をそれぞれ州とした場合、③ 各都道府県をそれぞれ州とした場合の3通りを想定し、それぞれ下院議員と選挙人がどれだけ割り当てられるのかを計算した。
① 日本全体を1つの州とした場合
この場合、基準人口は1,055,475人となり、選挙人団の人数は540人となる。そして日本には120人の下院議員と122人の選挙人が割り当てられることとなり、これは選挙人団の22.6%を占める。現状の下院議員最多割り当てであるカリフォルニア州ですら52人であるから、如何にすさまじい状態になるかがお判りいただけるだろう。あまりにも日本に有利になりすぎる。
② 北海道、東北、関東、中部、近畿、中四国、九州・沖縄の各地方をそれぞれ州とした場合
この場合は少しややこしい。基準人口は1,053,754人となり、選挙人団の数は552人となる。日本には119人の下院議員と133名の選挙人が割り当てられることとなり、24.1%の選挙人を獲得することが出来る。やはりキングメーカーになってしまうだろう。
各地方に割り当てられる下院議員の数は以下の表の通りになる。
やはり人口の多い都市部に票が集中する。単純に計算しただけで選挙人の7.8%が関東で占めているのが恐ろしい。
そして国内最小の北海道の下に26もの州が存在している。日本の行政区分としての最大の面積は伊達ではないのかもしれない。
③ 都道府県をそれぞれ州とした場合
この場合はもう、えらいこっちゃである。基準人口は1,055,676人となり、選挙人団の数は629名、現在の1.17倍になってしまう。これだけ増えるのは単純に「上院議員数は各州2人」という規定があるからで、それぞれを週にしてしまうと47都道府県 × 2人 = 94人も増える。そして日本に割り当てられる選挙人の数は215名、選挙人団に占める割合は驚異の34.2%である。大企業なら完全に乗っ取れるぐらいの割合だ。
まとめ
計算結果をまとめると以下の表の通りとなる。
今回の計算結果を見ている限りにおいては、日本を51番目の州にするにしても選挙人団の人数的には全国を1つの州とした方がアメリカ本土への影響は少ないだろう。が、実務的な行政区分や経済規模を考えるのであれば、やはり都道府県制度を維持した方が効率的ではある。が、そうなると相対的に日本の影響力が増す形になるジレンマに陥ることは想像に容易い。
やはり別の国として存在したほうが大統領にとって心安らぐ形になるのではないだろうか。