女子高生の恋愛
私の15歳の娘が同じ高校に通う男子に告白された。
「Will you be my girlfriend?」
全くの余談だが、日本と教育システムの違うオーストラリアでは15歳は高校1年生か2年生の学年にあたる。
話はもどって、
告白されたのは、学校から最寄りの駅に向かう途中のことだったそうだ。
以前からその男の子が娘に好意を抱いていたことは分かっていたらしいが、接する距離が異様に近いことを除けば普通にお友達として仲良くしていた。
他の友だちも交えて一緒に勉強したり、帰りに一緒に帰ったりと楽しくすごしていた。
こういう楽しい交友関係がつづけばいいなと思っていた矢先の告白で、娘はすぐには返事ができなかった。
「今返事はしなくていいから、せめて明日には気持ちを教えて」と言われたらしい。
娘が私に一通り報告し終えた後
「で、どうしたいの?」
と娘に聞くと
こんな答えが帰ってきた。
「十代の子供の恋愛なんてそもそも長続きするものじゃないのよ。そんな先もわからないことに私の貴重な時間を使うくらいなら、私は自分自身の将来のために時間を使いたい。
大体、つきあったって、つきあわなくったって、こういうことを言うことによって今までのような友達関係をつづけるのが難しくなっちゃうのを理解してほしかった。
ただ、むこうも勇気をもって告白してくれたのは認めるから、せめて傷つかないように断りたいの。」
「……」
私は言葉がでなかった。
もともとしっかりして、大人びたところはある子だったが、
ここまで完璧に正論を述べられると、親とはいえ返す言葉もない。
私が十代だったら速攻でOKしてただろうと思えばなおさら、この子にアドバイスできる立場にはないことを痛感する。
結局
「自分にはまだそういう関係は早いから今まで通りお友達でいましょ」
という返事を携えて、今日娘は学校へ行った。
今、娘はまだ学校にいるが
結果が聞きたくてウズウズする。
そんな野次馬根性をもつ母親をも優しく包み込む器を持って育ってくれた娘にひたすら感謝しかない。