子ども達が夢中になる方法
僕が子どもの頃は、今から40年前くらいになりますが、その時と今では子ども達を取り巻く環境はとても変化しています。
それは、「楽しい物や楽しい事が少なかった時代」と「楽しい物や楽しい事が溢れている時代」として分けられると感じています。
1983年に家庭用ゲーム機、任天堂「ファミリーコンピューター(ファミコン)」が発売されました。それまでゲームといえば、ゲームセンター、マチャーグワァ(駄菓子屋)でするかで、時々ゲームウォッチを持っている子がいて、遊んでいた。それも少数派です。
子ども達は外遊びが主流で少年スポーツ活動もまだまだ少なく野球やサッカーをやるにしても公園や空き地、放課後のグランドで大人に縛られる事がなく、のびのびとやっていた時代です。
逆に今の時代はどうでしょうか?
子ども達の周りには、魅力のある楽しい物や楽しい事がたくさんあります。
魅力のある楽しい物や楽しい事に囲まれている中で「がむしゃらに一生懸命に頑張りなさい!」と言ってさせるのは、難しくはないですか?
楽しい事に引き寄せられますよね。
大人でも難しいですよね…
そこを理解していくと、子ども達への関わり方が整理されてくると思います…
例えば「ドリブルが巧くなって欲しい」と考えているコーチがいます。
そのコーチが「巧くなりたければ、毎日マーカーを置いてジグザグドリブルをしなさい」と言うのと「前回のトレーニングよりも巧くなっているね。もっと巧くなりたかったら質問に来てね」と言うのではどちらが効果があるでしょうか?
前者と後者では何が違うのか判りますか?
前者の「巧くなりたければ、毎日マーカーを置いてジグザグドリブルをしなさい」は巧くなる為の主導は指導者になっていて、後者の「前回のトレーニングよりも巧くなっているね。もっと巧くなりたかったら質問に来てね」は、巧くなる為の主導は子ども達になっています。
子ども達に「巧くなりたい」を押し付けるのではなくて、「楽しいから巧くなりたい」に導く事が「楽しい物や事が溢れている時代」に子ども達を夢中にさせる仕掛けになってきます。
僕も仕掛けの数を増やして皆さんに紹介できるように頑張ります。