幽霊も暴力も出てこない怖い実話11 在日コリアン編 ※差別表現満載にて注意
ズバリ、在日コリアンに関するヒトコワ。
過日の甲子園で、韓国系の何とか高校が、何ちゃら高校に勝って優勝したのだとか。
何とか高校の校歌は韓国語。と言うわけで、NHKは学校から提出された訳詞を掲載。そこに書かれた「東海(トンヘ)」で一部日本人が大騒ぎ。学校サイドは「東の海」に変えたけど、領土問題を含む政治的批判を飛び越えて、「出場資格を取り消せ」なんて言い出す「お差別様」まで出てくる始末。
かような差別にまつわる話なので、以下、差別的表現が頻出する。気分を害しそうな方はこの辺で読むのをやめることをオススメする。
また、ネトウヨに持論を補強されるつもりもなければ、パヨクの踏み台になされるつもりもないので、そこんとこヨロシク。って言うか、ちゃんと読めばそんな取り扱いはできない。
さて本題。
どこの公立小学校・公立中学校でも、人権教育というものが行われているはずである。
じっくり時間を割く学校もあれば、社会科の時間に「士農工商の下に穢多非人と呼ばれる被差別階級を設けて……」程度で済ます学校もあると思われる。地域によりけりだろう。
実に関東の学校らしく、私も、被差別部落に関して「士農工商の下に穢多非人と呼ばれる被差別階級を設けて……」程度しか習わなかった。その学区内には、関東では珍しく被差別部落があるのだけれど、それでもその程度の教育。教育と言っていいのだろうか?
在日コリアンに関してもその程度。比較的在日コリアンが集住している地域にも関わらず、被差別部落を「士農工商」の流れで教えるのと同様に、関東大震災における朝鮮人虐殺の流れで、先生が言う。
「バカチョンカメラってのがあるだろ?」
この時点で、生徒はポカーンだ。だって、バカチョンカメラがどんな物か知らないから。ようするに専門知識の要らない、巷に溢れかえっていたけれど、今やスマホにその覇権を奪われた、「普通のカメラ」のこと。
先生は付け加える。
「チョンって言うのは、韓国人や朝鮮人を差別する言葉だから使うなよ」
バカチョンカメラに関しては諸説ある。バカでもチョンと押せば写真を撮れる「チョン」。あるいは「バカでもチョンでも間抜けでも」の「間抜けでも」を抜いて省力した「バカチョン」。このチョンは半人前を意味する。
しかし今では立派な差別用語だ。立派ってことはないか。下劣な差別用語だ。使ってはいけないのだ。
拍子木の音を「チョン」と表現するが、あれは大丈夫。
さて、先生が、「チョンって言うのは、韓国人や朝鮮人を差別する言葉だから使うなよ」と言って、チャイムが鳴り、休み時間に突入した瞬間から始まる。
三、四人の生徒が一人の生徒に対して、
「お前、チョンだろ?」
「おい、チョン」
「バカチョン」
相手はただ気の小さい生徒。国籍なんて知りゃしない。とにかく、いじめやからかいの範疇での使用が始まった。
寝た子を起こしたわけだ。
そしてそれが先生の耳に入り、問題になる。先生がいじめた生徒たちを呼び出す。先生はこっぴどく叱る……つもりだった。が! こっぴどく叱れない事情があった。
一緒にいじめていた生徒や、いじめられていた生徒は知らなかっただろうが、私はその理由を知っていた。
いじめた側に在日コリアンがいたのだ。
私は彼の近所に住んでいたため、彼が在日コリアンだと知っていた。彼のお姉さんの、それはそれは美しいチマチョゴリ姿を見たことがあった。彼の両親の経営する焼肉屋にも行ったことがあった。知らない方がどうかしている。
ついでに言うと、いじめた側にはソウル旅行をしたことがある奴もいたのだが、彼はソウルを国だと思っていたから呆れる。
新井将敬(あらいしょうけい)という元在日コリアンの国会議員がいた。帰化しているので当然日本人である。彼は大阪の名門北野高校から東大に入り、会社員を経て大蔵省へ入省、そして自民党から出馬し、4期連続で当選した超エリートである。政治思想は右、保守。
だが実は、最初の総選挙では落選している。その際に、「黒シール事件」でお馴染みの出来事が起きてしまった。
中選挙区時代、同じ選挙区となった石原慎太郎陣営が、新井将敬の選挙ポスターにこんなシールを貼ったのだ。
『北朝鮮から帰化』
『元北朝鮮人』
これにはメディアが噛み付いた。そして特に怒ったのがミッチーこと渡辺美智雄(当時の自民党の大御所)と、「俺に是非を説くな激しき雪が好き」で知られる民族派の野村秋介氏。私は野村氏の笹川良一氏に対する考え方に異論を持っているが、この件に関しては怒ってしかるべきだと思う。完全な事実誤認であり、事実だとしても差別感情を煽っているからだ。
新右翼である一水会の元最高顧問鈴木邦男氏は、新井将敬をはじめとする帰化した人たちに関してこんなことを述べている。
「帰化した人は、より日本人であろうとして保守になる(大意)」
花村萬月著『セラフィムの夜』という小説にも、ロン毛で青年将校のような出立ちの日韓ハーフが出てくるが、彼もまた右翼なのだ。それも「韓」の部分を覆い隠すようにして。映画では、白竜氏が演じている。
『凶気の桜』にも、原田芳雄氏演じる大物右翼が出てくるが、彼もまた在日コリアンだ。
話を学校に戻そう。
くだんの在日コリアンの彼が、どうして「チョン」と言っていじめたかは分からない。
より日本人であろうとしたのか、やられる前にやれと思ったのか、はたまた自分の出自を知らないだけだったのか。いずれにしても切ない。そして、良くない。
おっと。このままではヒトコワではなく、「ヒト切ない」になってしまいそうなので、最後まで書き切ろう。
私は、いじめっ子の中に在日コリアンがいようと、彼の発言内容が「チョン」であろうとなかろうと、怒らないのはおかしいと感じた。だっていじめだもん。だから先生に抗議をした。
「怒った方がいいよ」
するとこう返ってきたのである。
「チョンがチョンって言っても怒れないだろ」
教師の言うことか。
それはともかく、Nワードを白人に向けたとき、果たしてそれは何なのだろう?
王ケイ
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