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精神科専門医が教える失敗しない初期研修病院選び

※この記事は全て無料で読めますが、ためになった、よかったと思って頂けたら、投げ銭頂くと嬉しいです。

こんにちは、精神科医HANAです。

医学部5年の3月ぐらいから、研修先の病院を選ぶために病院見学や情報交換をすると思います。

私がマッチングを意識し始めたのも、医学部5年の3月ぐらいになります。

私の周りには、第一希望にマッチした人、アンマッチとなり二次募集でマッチした人、色々な人がいました。

第一希望にマッチするために、コネクションのある科の先生と仲良くなったり、何度も見学にいったりと、努力されている人もいました。

そして見事第一希望の病院にマッチ。

彼らは果たして全員が充実した研修を終えたでしょうか?

答えはノーです。

希望通りの病院に行って、全員が無事に充実した研修を送れたか、というと、全くそんなことはありません

中には、希望通りの病院に行ったにも関わらず、途中でドロップアウトしたり、休職したり、研修先を変えたりした先生もおられます。

それも、数人とかの話ではなく、多くいます。

精神科医になって、病んだ研修医を何人もみてきました。

彼らはほとんどが同じことをいいます。

「思っていたのと違った」

「こんなはずじゃなかった」

そう。大体は、彼らのイメージと現実には大きな乖離があるのです。

また、興味深いことに、彼らは同じような理由で研修先を選んでいました。統計にしている訳ではないですので、エキスパートオピニオンレベルの低いエビデンスですが。

憧れの病院、ブランド病院、〇〇科に強い病院、もちろんありますし、それをモチベーションに6年生を頑張る人もいます。

ただ、少し視点を変えてみてください。

あなたの医師としての人生は始まったばかりで、これから50年ぐらいはおそらくどんな形であれ医師として働くんだと思います。

そんな長い医師人生の中で、研修はたった2年。

そこで人生を決めてしまうのはあまりにも勿体ない。

ここでは私精神科医HANAが、精神科専門医かつ公認心理師でもあり、研修医とも関わってきた1人の精神科医の視点と、初期研修を無事に終え、他の人に秀でることも劣ることもなく、研修が終わって約10年経ってもそこそこの救急初期対応は今のところ問題なくやれている(と思っている)1人のあなたの先輩の視点から、ドロップアウトを避け安定した初期研修を送るための研修病院の選択のポイントを書いていきます。

学生からはあまりお金を取れないので内容は無料で読めるようにしていますが、記事がよかった、面白かった、また学生以外の方がこの記事を読んで頂いた場合は、投げ銭して頂くと嬉しいです。

場合によっては、途中から一部有料にするかもしれません。

もちろん、行きたい病院や、強いこだわりがあれば、それを曲げてまで心を柔軟にする必要はないと思いますが、もし少しでも思うことがあれば、「そういう視点から見てもいいな」というもう一つの視点を持つことも大事で、もしかしたら新たな発見や自分の中の価値観を見つけることができるかもしれません。

記事の対象者、記事を読んで分かること

この記事の対象は以下の方になります。

・医学部5年〜卒業生で、これからマッチングを受ける人

・研修病院の選び方が分からない人、知りたい人

・行きたい病院はあるが、迷いもある人

・研修指定病院の担当の先生方

この記事を読んだら、こういう利点があります。

・研修病院の選び方が分かる

・研修病院を選ぶための新たな視点が得られる

・ドロップアウトなどによる研修中断の可能性を事前に下げることができる

・問題点が分かり選ばれやすい研修病院になる

注:この記事は1人の医師の意見であり、絶対ではありません。価値観は様々ですし、考え方が違う方の意見を否定するわけでもありません。あくまで一意見として参考にする程度にして頂くと幸いです。また、この記事を読むことで生じた不利益には対応しかねますので、ご理解の程よろしくお願いします。

学生、卒業生で研修病院の件で何か質問のある方は、ツイッターをフォロー頂いた上でDM頂ければと存じます。よろしくお願い致します。

目次


研修病院選択の大前提

はじめからこの記事のまとめとなる大事なことを言います。ここと、研修医ルームのところだけ読んで頂ければ私の言いたいことの6割ぐらいになりますので、お忙しい方はその項目だけ読んでください。

キーワードだけ書きます。研修病院はこの項目を基準にすれば失敗する確率はかなり低くなると思います。

知っている場所、知り合いがいる場所

研修医4人以上

研修医ルームがある

給料がそこそこ

強すぎる科なくバランスがよい

以上の条件を全て満たす病院は、理不尽なことや辛いことがあってもほぼ乗り越えられる可能性が高いと思います。

ここからは、それらについて少し詳しく時に具体例を書きながら説明していきます。

ハイパー、ハイポって?どっちがいいの?

TwitterなどのSNSやブログをみていると、ハイパーとかハイポとかの言葉をよく見かけます。例えば、「ハイパー病院でバリバリやっている」「ハイポゆるふわ」などです。

初期研修病院におけるハイパー、ハイポは、簡単にいうと

ハイパー=忙しい、激しい、救急たくさん、超手厚い指導

ハイポ=忙しくない、ゆるい、当直まったり、指導は付かず離れず

といった感じでしょう。

一見、ハイパーの方がきついし忙しいし鬱になりそう、そう思われるかもしれません。

もちろん、当直がありすぎる、救急患者多すぎるといった極端なハイパーであれば、疲れてしまう可能性は極めて高いです。

ここについては、見学や事前情報である程度得ることができるでしょう。

しかし、実際のところハイパー=ドロップアウトしやすい、ではないのです。

ハイポでも、ドロップアウトする可能性は十分にあります。

それは、大前提のところで記載した項目が欠如している場合や、今から説明する中に出てくるやばい病院フラグが出ている場合に起こりうる可能性が高くなります。

ハイパー、ハイポ自体には実は合う、合わないの性格の問題がありますので、あまり重要ではありません。

ハイパーやハイポに極端に振れているところは大体噂になっていますので、そういうところが好きな人以外はそこは避けて考えましょう。

ハイパー、ハイポのどちらがいいかというと、これはあくまで私のおすすめですが、適度に忙しい方が時間がたつのが早いし、自分の行動に対し何か意味がある方が気分も保ちやすいので、少し忙しいぐらいのところをお勧めします。

Point ハイパー、ハイポは極端な場合以外は重要でない

土地勘、知り合いにこだわる

研修病院を選ぶ上で、大事なファクターのひとつ、地域。

人間は、いきなり知らない場所に行くと多大なストレスがかかります。初めての医師としての仕事、それ自体不安が沢山あるのに、何もかも分からない新天地での業務は負担が大きいです。

医学部入学のために、来たこともない地域へ転居した人も沢山いると思いますが、学生と社会人ではストレスの重さの違いは歴然としてることは容易に想像していただけると思います。

もちろん、すべて新しい場所で新生活をスタートさせることについて否定はしませんが、とくにこだわりがない場合は、極力何かしら土地勘のある地域で仕事を始めることをお勧めします。

具体的には、故郷や学生時代に何かしらの形で住んだことのあるところ、旅行で頻回に行ったことがあり土地勘があるところがよいと思われます。

また、病院に先輩がいる、知り合いがいるなどの場合は、それだけでもだいぶ心強くなりますので、選択肢に挙がります。

Point 土地勘のある、知り合いのいる地域で研修しよう

周りの環境も超大事

研修病院の周囲を確認しましょう。交通の便はよさそうですか?また、買い物はしやすいですか?おいしいレストラン、居酒屋はありますか?好きな海や山、自然はありますか?

今の時代、大体のことがネットですべて完結できるので、部屋からでなくても必要なものは通販などですべてそろえることができますし、映像で自然をみることもできます。

初期研修は気分転換、ガス抜きが必ず必要になり、病院⇔家の生活を繰り返していては、詰まってしまいます。外の空気を吸うこと、適度な散歩や運動をすることは、うつ状態を予防、改善する効果もあると言われています。

外に出るきっかけがあるところを選びましょう。例えば、駅が近くにある、ショッピングモールが近くにある、公園が近くにある、などの条件が整っているところがよいと思われます。

人によっては、外に出ることが苦痛に感じる方もおられると思いますので、そういった方は無理せずに外に出る必要はありません。

Point 外に出るきっかけがある環境を選ぼう

見学で1,2年目研修医と話すと吉

研修病院での見学でだいたい組み込まれていますが、実際に働いている人と話す機会があります。実際に働いている人をみれないような病院は正直選ばない方がよいでしょう。

そこで、研修医とは必ず情報交換してください。情報交換をしてくれないくらい余裕がない病院も、私としてはお勧めできません。

研修医が、メリットデメリット含めいろいろな情報を話してくれるところはいい病院の可能性が極めて高いです。

また、6年の時の1年目研修医は、あなたがその病院に行く場合は先輩研修医になります。相性も大事です。私は、今までこの相性が合わずにうつ状態となった研修医を数人みてきました。完全に探るのは困難ですが、見学の時点で相性が合わなさそうだったら、働く場合になおさら合わない可能性が高いと思われます。

Point 先輩研修医と話せる病院にしよう

研修医の人数は4人以上の病院を選べ

病院によっては、研修医が1人、2人などの病院があります。研修医の人数が少ないのにはいろいろな理由があります。もともと多かったが定員が減らされた、希望した学生が少なかった、マッチした学生がことごとく国試に落ちた、などです。

人数が少ない病院がもちろんよい可能性も十分あるのですが、人数が少ないと以下のような弊害が生じる可能性が極めて高いです。

1人の場合

研修医は雑用のような立ち位置で、指導医とコメディカルの仲介役のような微妙な業務を担うこともあります。そんな中、負担がすべてあなたにかかってくると考えたらどうでしょう。できるだけ、避けた方が無難と考えます。

2人の場合

人間、必ず相性があります。もしたった1人同期と相性が合わなかったら、1人でいるよりも地獄になります。また、もう1人がいなくなってしまったら実質1人になります。たまに夫婦で研修をされる場合もあり、それはそれでよいのではと思いますが、特別な理由がない場合あえて2人のところを選ばなくてもよいのかな、と思います。

3人の場合

3人以上いれば、比較的安定した研修を送ることができる可能性が高いですが、あなた以外の2人が喧嘩した場合、あなた以外の2人がカップルで別れた場合などはあなたの負担は計り知れないものになるでしょう。

上記の理由で3人以下でない方がよいことは理解できると思います。また、人数が多い方が相性のあう研修医がいる可能性も高いですし、研修医内での情報共有や、ストレス発散の観点からも多い方がよいに越したことありません。4人以上、できれば多ければ多いほどよいと思います。

「4」という数字にエビデンスがあるか、と言われるとないですが、4人から上記のリスクを大きく下げることができます。

「多すぎたら症例があたらないのではないか」、など心配はあるかもしれませんが、これは研修した人なら分かるのですが症例が欲しければ症例が欲しいと言えばよいですし、研修医同士で相談もできます。

人数が多いから症例が少なくなることはないと思っていただいてよいと思います。むしろ、人数が少ない場合は確かに症例は増えるかもしれないけれど、業務負担が多すぎてむしろあまり勉強できなくなる可能性も高いと思われます。

Point 研修医同期は多ければ多い方がよい、基準は4人以上

絶対条件「研修医ルーム」

この、研修医ルームについてが、私は一番大事だと思っています。この項目だけは読んでください。

よく、病院見学に行った際、「研修医も上司と同じ部屋で、敷居が低いから相談しやすいよ…云々」という売り文句で研修医と上司の部屋が分かれていない病院があります。

もちろん、敷居の低い上司は沢山いますが、中には敷居が黒部ダム位高く簡単には破れない先生がいます。同じ部屋からといって、相談しやすいかというと決してそんなことはありません。よくよく考えたら分かるのですが、同じ空間にいるだけで相談しやすいかどうかは別問題です。

また、これは誤解を恐れずに話しますが、大体、1病院に1人はヤバい先生がいます。

理不尽、理詰め、倫理観の欠如、これら2つ以上を満たしたやばい先生を、「ヤバ医」と定義しましょう。

初期研修は、そんなヤバ医を避けて通れない仕事です。

そんな医師からかなり高い確率で理不尽な仕打ちを受けるものと思ってください。叫びたくなるし、ものに当たりたくなるし、その理不尽さを誰かに話さないとやってられません。それも、ヤバ医のことを知っている人、ヤバ医を経験した人じゃないと分かり合えないこともあることを分かっています。

もうお分かりでしょう。ヤバ医にされた仕打ちやヤバ医の愚痴など、職場内で吐ける場所がないとやってられません。

研修は終わったら家に帰り一人になります。コロナ禍ということもあり、飲み会や食事会なども行うことができない中(2022年2月現在)、なかなか研修医だけで愚痴を言い合う機会はありません。ストレスを共感できる仲間と話せず、その状態がたまりにたまってうつ状態を呈し、研修が続けられなくなってしまう。

私はヤバ医にやられた研修医を複数みてきました。そのほとんどが、研修医ルームのない環境下で、ヤバ医と同じ空間で休むことができなかった、愚痴が言えずにたまっていった、と話しました。

ヤバ医の愚痴を言い合う、ヤバ医と空間を分けるために、研修医ルームは必須です。本当に大事です。

ただ、先輩研修医にヤバ医がいる可能性もありますが、それは見学の時に大体分かるので除外できると思います。

Point 研修医ルームがある病院を選べ

「強い科があるからたくさん症例を体験でき勉強できる」の落とし穴

病院によっては、強い科、弱い科があり、強い科は全国的に症例数が多かったり、有名だったりして後期研修医がたくさん集まっている病院があります。

研修病院を選ぶポイントとして、何科が強いから、という理由で選ばれることもあると思います。それが自分の志望科ならなおさらそういう傾向になるかもしれません。

これは、半分正しいのですが、半分考え直してほしいです。

というのも、初期研修を終えた後に後期研修医としてその病院へ継続して働く場合などは、後期研修医として業務の流れを知ってアドバンテージになることもあり、その場合においてはよい選択だと思います。

ただ、ほとんどの先生が大学の医局に入ったり、他の病院へ行ったりしますし、初期研修の病院にひたすら所属する人を大学病院以外で聞いたことがありません。いるにはいると思いますがかなり少数と思います。

さて、話を戻します。ここでは具体例を挙げて、どういう問題があるのか見ていきましょう。

例えば、消化器外科がとても強い病院があり、後期研修医が多く集まる病院があるとします。あなたは大学の消化器外科に入局する予定で、後期研修は大学に戻る予定ですが、せっかく進もうと思っている科なので初期研修で消化器外科で有名な病院を選びました。

おそらく、たくさんの症例を経験し、たくさんの手技を経験できると思いその病院を選んだのだと思います。

そして数か月後、ついにその科をまわる日がやってきました。意気揚々とあいさつをし、何かさせてもらえるか、常に待ってます。

そして研修がおわりました。終わった後にふと思うのです。

確かに沢山の症例があったし、いろいろな手技を見たけど、自分何かやったっけ?

ほとんどがそう感じて研修を終えます。

これについても、少し考えると分かるのですが、後期研修医がたくさん集まるような病院で、初期研修医がどこまでやらせてもらえるでしょうか。初期研修医に任せられることなんてたかがしれています。おそらく、患者さんの本質を知る以前の雑用が増えるだけでしょう。

また、これも誤解を恐れずに言いますが、一つの科が極端に強いところは、その他の科が割としょぼいことが多いです。

もちろん、あなたのアピールやたゆまない努力次第では初期研修のそういった病院で沢山の経験をさせてもらえることもあるかもしれません。しかし、あなたはおそらく一生その科にいるので、その後の後期研修などで嫌というほど症例を経験できます。

また、可能性を狭めてしまう恐れもあります。学生時代に志望していても、実際研修をするとほかの科に行きたくなることなんてざらにあります。初期研修中にやっぱり他科にすすみたい、という状況になる可能性もあるのです。

初期研修は、「どんな患者が来てもとりあえず対応できる、初期対応について学ぶこと」が必要です。また、あなたが進まない科について勉強する最後の機会になります。そういったことを考えて、頭ごなしに進もうと思っている科の強い病院を選ぶ必要はないのではないでしょうか。

研修先は、突出する科がなくても、バランスのよい病院を選ぶ方がよいと思われます。

Point 科で選ぶな、バランスで選べ

給料、福利厚生は大事なファクター

研修病院では、給与規定が定められています。実家が太い人などはあまり関係ないかもしれませんが、そうでない人はある程度の給与は考慮する必要があります。給与は人気病院、都心に行くごとに安くなり、不人気、田舎に行くごとに高くなる傾向があります。そのパラメーターを参考に、研修病院を決定しましょう。

また、福利厚生や家賃補助、学会補助、交通費補助などについても、しっかりと把握しておきましょう。日本人は、そういったことに無頓着な人があまりに多いと、外国から研修に来ていた医師が言っていました。

都心で安すぎる給料では、まともな生活は無理です。後期研修医で大学に入局した場合は、外勤を除けばさらなる薄給が待っていますので、魂が抜けそうになります。

Point お金は大事

3月,4月の勤務、当直事情を確認

3月は先輩研修医がいなくなり、4月は後輩研修医が入ってくる時期です。この時期は、あまりにも研修医頼みの病院である場合、血を吐きそうになる程過酷な場合があります。もう時効になるので書きますが、2日に1回救急当直に入っていましたし、ときに連直があり死ぬかと思いました。これも、研修医ルームでの愚痴大会やそこそこ人数のいた同期のおかげで何とかなりましたが。

おそらく、働き方改革など労働環境の整備が積極的に行われている時代なので、当直環境もかなりましになっていると思いますが、見学に行ったときにこの時期の勤務や当直について聞いてみてください。言葉を濁すような病院には、おそらくいかない方がよいと思います。地獄が待っています。

Point 研修医が入れ替わる3,4月の勤務や当直の確認をしよう

もし、うつ状態になったら

今まで説明してきた流れにそって研修先を選んでも、または自分のこだわりの通りに進んでも、うつ状態になることはあります。きっかけは些細なことだったり、きっかけがなかったりすることもあります。不調にはなかなか自分で気づけないところもあります。同僚や上司から、最近調子が悪いのではないか、ということを言われた場合は、研修担当の上司に相談の上、休養や精神科の受診を検討してください。

うつの症状としては、下記のような症状があります。

・なんとなく気分が落ち込む、憂鬱だ

・不安がある、そわそわする

・仕事に行く気がおきない、部屋から出られない、起き上がれない

・食欲が落ちた/増えすぎた

・不眠になった/過眠になった

・体重が激減した

・胃が痛い、お腹が緩い、頭痛がするといった症状が続く

・自分が悪いような気がする、悲観的になる

・死にたいと思う

上記はハミルトンうつ病評価尺度やQIDS-Jといううつ症状尺度から抜粋したうつの項目になりますが、中でも、

起き上がれない、食事がとれない、死にたいと思う

といった症状がでてきた場合は、早急に研修先の上司に相談し、精神科の診察を受けてください。

研修は、修行ですが罰ゲームではありません。きついときは休む必要があるし、休んで研修を延ばす、研修先を変えるといった方法もあります。

研修が終わったら医師にならなくてもいいので、とりあえず初期研修だけは何年かかってもいいので何とかして終わらせることをお勧めします。

終わりに

学生の中には、初期研修がすべてのような感覚で研修を考えているように思える人もそこそこいます。学生には先のことが中々イメージできないので仕方ないこととは思いますが、記事を読んで頂き、幅広い視点で研修先を探して頂くと、選択肢がより広がるかもしれません。

はじめの方にも書きましたが、医師人生は始まったばかり。長い長い医師人生の中のたった2年です。その2年を、どうせなら楽しく、ストレスかかりすぎず、終えてほしいです。

医師という仕事は本当に面白いし、臨床、研究だけでなくいろいろな働き方があります。この記事を読んでくれた学生や卒業生の方が、研修病院を幅広い視点で選び、研修を終え様々な分野で活躍され自己実現に至ることを願ってやみません。

また、研修病院も、研修医が研修しやすい環境をつくるために努力し、若い風が定期的に入ってくる風通しの良い魅力的な病院になることを願ってやみません。

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