映画パンフ感想:犯罪都市 PUNISHMENT
映画『犯罪都市 PUNISHMENT』の映画パンフ感想です。
【基本情報】
判型:A4縦(左綴じ)
ページ数:24ページ
定価:880円(税込)
発行日:2024年9月27日
発行:(株)ハピネットファントム・スタジオ
デザイン:D.D.WAVE JAPAN(株)
編集:望月麗奈(サンクレイオ翼)、(株)ハピネットファントム・スタジオ
編集協力:スキップ
印刷:久栄社
【構成】
2ページ:イントロダクション
3ページ:海外映画評
4-5ページ:ストーリー
6-7ページ:キャラクター紹介
8-9ページ:マ・ドンソク(마동석 Don Lee)インタビュー
10-11ページ:キャスト紹介1(マ・ドンソク)(※撮影時スチルあり)
12-13ページ:映画スチル
14-15ページ:キャスト紹介2
16ページ:監督紹介
17ページ:レビュー マ・ドンソクの盟友ホ・ミョンヘンが監督登板 研ぎ澄まされたバトルシーンの数々はシリーズ最高潮!(岡本敦史)
18-19ページ:M・C・U[マ・ドンソク・シネマティック・ユニバース]をプレイバック!
20-21ページ:プロダクションノート
22ページ:キャスト&クルー
23ページ:クレジット
【内容】
・マ・ドンソクインタビュー
左半分は写真とインタビューのコメント抜粋なんで、実質1ページ。
本作の魅力と愛着のあるシーンについて、主人公マ・ソクトの魅力と自身の共通点について、キム・ムヨルとの再共演について、シリーズが観客を魅了する要素について、制作について、シリーズのビジョンについて、現在のプロジェクトについて、来日の機会があったらやってみたいことについて、で構成。
今回はボクシングを中心としたアクションにしたとのこと。
マ・ドンソク自身が原案を書いているということがちょっと驚きがある。ブレイクするまで時間がかかった苦労人なので、自身の主演作品をコントロールしてよりよいものに仕上げたい、という欲求があるのだろうか。
プロデューサー、監督、俳優、助監督、作家、脚本家でブレストのようなことをやっているようだ。2作目『犯罪都市 THE ROUNDUP』撮影中にもう3作目『犯罪都市 NO WAY OUT』4作目『犯罪都市 PUNISHMENT』の脚本にとりかかっていたそう。本来これだけ時間かけるのがいいよなあ。
なお、現在第5作~8作の脚本を同時に取り掛かっていて、緊張感のあるリアルな話(4作までが第1部とすると、第2部)になりそうとのこと。第2作~第4作のリメイク、スピンオフドラマも計画がある。
個人的にはTVや配信の連続ドラマとして観たいかな。ソウル広域捜査隊の日常のコメディに振った回とか映画劇中で触れられる先輩殉職にかかる回とかとか映画と映画のつなぎの部分や、過去の部分を中心にドラマを観てみたい。
・出演作品リストが充実している主要キャスト紹介…が他キャスト紹介は?
マ・ドンソク(マ・ソクト役)、キム・ムヨル(김무열)(ペク・チャンギ役)、イ・ドンフィ(이 동휘)(チャン・ドンチョル役)、パク・ジファン(박지환)(チャン・イス役)のキャスト4人紹介。4人については主な映画・ドラマ出演歴、主な受賞歴の記載があり、大変参考になる。
マ・ドンソク出演作リストの下に載っている映画製作中のマ・ドンソクオフショットがかわいい。
…他は?
韓国に限らず、アジア系(香港・台湾・中国など)の映画パンフレットにあることだが、脇の役者の紹介ページが省略されることがある。
出来れば設けて欲しいんよね。ページ数の関係で省略するのは分かるんだけれどさ。
今回の作品ならソウル広域捜査隊の3人、サイバー捜査隊の2人、広域長、次長、クォン社長ぐらいまでは記載して欲しかったところ。8人ぐらいはなんとかなっただろ。
・映画ライター/編集者による作品レビュー
映画ライター/編集者として活動されている(第二期映画秘宝 4代目編集長)方による作品レビュー。
ペク・チャンギのアクションシーンへの言及から始める捻った書き出しから始まり、アクション監督から実績を積み、マ・ドンソクから直々に『犯罪都市』シリーズの今回の監督を任された盟友ホ・ミョンヘンのバトルシーンとドラマ演出の妙に触れ、ペク・チャンギ役を演じたキム・ジファンや他、脇を固めるキャストへの言及、そして他のシリーズ化した韓国映画※にも触れつつ、異例の長期化シリーズとして韓国映画史に名を残す『犯罪都市』の中の快作として本作を評価している。
※レビュー中、シリーズ化している韓国アクション映画として挙げられている映画は以下の通り。
■『公共の敵』シリーズ(『公共の敵』(2002)『公共の敵2 あらたなる闘い』(2005)『カン・チョルジュン 公共の敵1-1』(2008))
■『鋼鉄の雨』シリーズ(『鋼鉄の雨』(2017)『スティール・レイン』(2020))
■『魔女』シリーズ(『The Witch 魔女』(2018)『THE WITCH/魔女 -増殖-』(2022))
■『コンフィデンシャル』シリーズ(『コンフィデンシャル/共助』(2017)『コンフィデンシャル:国際共助捜査』(2022))
■『ベテラン』シリーズ(『ベテラン』(2015)『ベテラン2』(2024)9月13日韓国公開)
・マ・ドンソク・シネマティック・ユニバース回顧も…もう少し熱を入れて欲しかった、というページ
M・C・U(マ・ドンソク・シネマティックユニバース もちろん本家マーベル・シネマティック・ユニバースをもじったもの)回顧として過去3作が紹介されているページ。各作紹介の短文、各作のヴィラン、マ・ソクトのワンポイントショット、ソフト(DVD&ブルーレイ)紹介などで構成。
なんだけれど、ちょっと物足りない。短文はもっと一般的な紹介じゃなくて熱を入れて欲しかったし(シリーズのファンが読んでるんだから)、マ・ソクトのワンポイントは、そこの映像?という謎箇所だったのが少々残念。
・プロダクションノート
フィリピンロケ6日間だそう。あれ6日間か…
【評価】
公式サイトの引き写しのパンフではないのはいいんだけれど、文字がデカくて分量も少なくせいか、全体的に情報量少ないんだよね…
マ・ドンソクインタビューは非常に参考になったし、主要キャストは出演作リストなど充実したページだけれども、ソウル広域捜査隊他、脇を固める警察の面々のキャスト紹介がないのがすごく残念。
レビュー1本だし、過去作紹介はおざなりだし、ちょっとパンフ企画側にマブリー愛が不足しているのではないか。
ただ、前述したように、少なくとも4作は企画されているので、ここでパンフ制作が途切れると非常に困る。次作以降はマ・ドンソクの二の腕のごとく分厚いパンフレットが作られることを期待して、ファンの方々はお布施と思って買ってください。