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続)あなたはなんて答える?「学びとは何か」@汐見稔幸氏
第2章のメモをしたいと思います。
この章で、特に興味深いのが「日本の教育の歴史」です。
以前、僕ら夫婦が世界一周した旅「世界の子育て、保育を知る旅」では、世界の乳幼児保育および小学校中学校の視察やボランティアをしてきました。また海外在住の日本人保護者へのインタビューも合わせたことで、各国の表面的な保育教育だけでなく、内側も垣間見れたよう思います。ただ帰国後「旅では知りきれないことがあるな」「逆にもっと日本が興味深くなった」という想いが出てきました。「今があるのは、今までの先人たちが積み重ねてきた結果である。良くも悪くも過去からの繋がりが今を作っている」と感じ、「日本の保育の歴史」を学んできました。そして、今回は「日本の教育の歴史」です。とっても興味深かったので、今回もメモ的に綴りたいと思います。
まず著者の汐見さんは、今までの学校教育の立ち位置を示してくれました。
…知のツールが学校しかなかったこと、学校が社会の理想を実現していく学びの場となっていたこと、そして時代の変化が遅いという三つの条件が重なって、教師は尊敬され、学校も大事な場所になっていたのです。
しかし、これからの時代は今までとは合わなくなる。
これからは、上手に教えてくれる先生の授業をユーチューブで探して、自宅でそれを見て勉強したほうがいいと考える人も増えていくでしょう。
…これからのテーマは、「教師が知識をどう教えるか」ではなく、「子どもたちの学びをどう育てるか」だということが分かります。
では、なぜ日本の教育および学びは変化していったのでしょうか。
…50年代末には、「学歴偏差値」が登場し、競争が合理化され…
…60年代には予備校…人間を点数で評価する…
…管理教育は70年代末からあちこちで強化され…
…80年代のサラリーマンの平均労働時間…長くなり…
…90年代前半のバブル崩壊…
上から読み取れるのは、戦後近代社会化、高度経済成長、追いつけ追い越せの中で、日本が必死になって国を再建しようと試みてきたことです。しかし、その結果、今の日本があり、幸福度が低い国になってしまいました(一概に、戦後の日本の在り方や教育批判はしたくありません。彼らが歩んできたからこそ、いまの僕らの生活があるので恩恵も大きく感謝もしなければなりません。また幸福度だけで人の人生や価値は決められませんよね。しかし、やはり僕らは過去を振り返り、今を見つめ、より良くしなくてはいけないと思います。将来の人々に繋げる責任があると思います)。
戦後、日本の暮らしや生活はガラッと変わり便利になりましたよね。便利は有り難い一方、それだけでない。失ったものも多いです。思考力や体力も奪われ、環境破壊も加速しました。しかし、失ったものばかり見つめるのもナンセンス。過去を美化しすぎるのも良くない。現代だからこその発想もあり、クリエイティブさも現代には存分にあると思います(個人的に地元大田区に「昭和の暮らし博物館」というのがあり、こことっても好きです)
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そして、この章に「本当のインクルーシブとは」という節があり、ここは特に「うんうん、そうだね」と頷きました。実は、それって前回の投稿と繋がるんだなーー
前回の投稿で僕はこう綴っています。
「年少者から学ぶことが多い」…これは①保育者と後輩保育者との関係、②保育者と実習生との関係、③保育者と子どもとの関係のように、本来「年上や経験者から学ぶ」というベクトルとは違う、「年少者から学ぶ」ベクトルであり、僕自身経験的に思う確信であり…
この「年少者から学ぶ」と「インクルーシブ」が繋がりました。
インクルーシブは日本語で「包摂」と訳されます。
インクルーシブ、インクルージョン…それは、多様性を尊重し合い、共に成長することを意味します。
障害を持っている子とそうでない子が一緒に生活することで、お互いをより深く知り合い、尊重し合い、支え合える。支え合うことによって、お互いに存在意義が見えてくる。人間観が深まり、相互に学び合いながら成長できる。そういうことが起こることがインクルーシブ教育だと私は思います。
「いろいろな人が一緒にいて、それぞれにそれぞれの存在価値がある、そう感じるから楽しい」と心から思える状態なのです。
インクルーシブ教育および保育とは、一般的に「障害を持っている子とそうでない子が一緒に生活し学ぶ」と考えられていますが、もっと広い視野でみて、障害のありなし、人種や性別、年齢によって差別なく、公平で平等であることだと感じます。だからこそ、僕らは年上に限らず、年少者や小さな生き物、モノコトからも学び取ろうとする意識を持ちたいものですね。
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そして、その他に気になったワードを羅列します。
・エージェント(当事者性)
・ホーリズム(全体を捉える力)
・マインドセット(切り替える)
・キーコンピテンシー
1異質な集団と交流する力
2自律的に活動する力
3相互作用的に道具を用いる力
・P21、ACT21
・VUCAの時代
最後に、小児科医 熊野普一郎さんの言葉が載っておりとても響いたので、これで今回は締めたいと思います
「自立とは、依存先を増やすこと」