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ハリーポッターを読んでみた。

2020年コメント
「ハリーポッター』の作者、J・K・ローリングは、2020年6月本人のTwitterで「生理のある人」という見出し付きの記事を引用し「その表現は身体女性に対し侮辱的たと非難したことにはじまり、生物学的女性たちの安全を保護するための発言によって、トランスジェンだリズムの活動家から殺害予告まで受けている。私は、J・K・ローリングのこの一連の発言を支持する。
 一方で、ウクライナ問題に関しては100万ユーロ(約1億3500万円)をウクライナに寄付し、ロシアに抗議している。
 ここで詳しくは述べないが、私はウクライナを支持しない。
 
 以下、Wikipedia よりその発言の部分。
 「もし生物学的性別が本物でなければ同性愛は存在しない。もし生物学的性別が存在しなければ世界中の女性達の生きた存在が消されてしまう。真実を話す事は差別ではない」とし、トランスジェンダリズムの推進する「生物学的性別(sex)より性自認(gender identity)を尊重する」姿勢に対して抗議を示した。
 ローリングによれば、かつて自身が性暴力の被害者となった経験から、女性達の安全を保護する為にも生物学的性別での区別は必要だと考えるようになったとしている。
 他にも彼女は自身のサイトで多数のトランスジェンダーの活動家から誹謗中傷や殺害予告などの脅迫を受け取っていると訴え、また「女性は衣装ではない。女性は男性の頭の中の考えではない。女性を『生理のある人』や『陰部を持つ人』と呼ぶ言葉は多くの女性を非人間的で卑劣な物に貶めている。」とした。

2010/01/22
それはふとしたことから始まった……。

 イギリスは、シェイクスピアの国だし、「シャーロック・ホームズ」もあるし、「不思議の国のアリス」とか、「ピーターパン」とか、「くまのプーさん」とか、児童文学もたくさんあります。
 最近は、「ハリー・ポッター」が、日本でも大ブレイクしたけど、CGを多用した映画にもなって、あまりにも売れていたので、ちょっとバカにする気持ちもあって、手に取ることもなかったのです。
 でも、考えてみたら、私がいちばん最初にイギリスの児童文学に接したのは、ディズニーの「不思議の国のアリス」です。たぶん、幼稚園の頃だと思う。
 映画がきっかけで原作を読み、いろいろ深く考えたり、もっとほかのものも読むようになることもあります。今のことも子どもたちは、ゲームのおかげで、本を読まないというのだけれど、この本は、とても長くて分厚いのに、イギリスの子どもたちが夢中になって読んだのだとのことです。
 新しい巻の発売時間を、子どもたちが早く手にしたいあまりに学校を休んでしまうのを危惧して、発売時間を学校が終わる時間に合わせたとのことです。
 ある日、シリーズの第1巻を手にする機会があって、手近に日本語の本もないし、読み始めたら、これがおもしろい。ただ単に、荒唐無稽の、子ども向けの、魔法使いのお話と思っていたのだけれども……。J・K・ローリングさん、ごめんなさい。
 よくできた小説だと、今は思っています。
 
 現代社会の様々な問題や歴史的視点について、イギリスの習慣や風俗についても、古いものと新しいもの関係、また、生と死の問題、病気や「障害」、階級や貧富、職業による差別の問題、家族や友情、思春期の異性愛などを、魔法使いの学校を舞台にして、問題提起しています。
 財界と結びついた為政者や腰抜けの大臣、それに追随するマスコミ批判、そのマスコミに乗せられる大衆も描かれ、そのような社会の中での、主人公たちの迷い、選択と決断などが描かれることによって、読者が自分の問題として考える道筋を提供していると思いました。
 登場するどのキャラクターも、微妙に複雑な人物像となっていて、巻を進めるごとに、その人物の背景などが明かされていく。
 この小説は、魔法使いの社会というものを舞台にしているけれども、それはあくまでも現実社会の比喩にすぎず、魔法使いの社会で起こっていることを、たとえば、チャンスがあればいつでも台頭しようとしているファシズムへの警戒と読むことも出来ると思いました。

 その現実を見ようとしない多くの「おとなたち」への批判、子どもたちの自立と自由への希求、それをよしとする学校と校長への政府の不当な介入、それに対する子どもたちと教師の抵抗など、50年ほど前のスチューデントパワーをも想起させるような場面もあります。
 この小説が、日本でブレイクしていたときに、私は背を向けていたので、どのように読まれたかは分からないのですが、単にブームだからということでなく読まれていたとしたら、今の子どもたちや若者も、なかなかのものだと思います。
 
 シリーズすべて読み終えて、ついでにDVDもすべて見ました。
 まあ、映画は、小説の「要約」でしかないけれども。
 
 先日、用事があって、小説に登場する「キングス・クロス」という駅に行ったので、ハリー・ポッターが、ホグワーツ魔法魔術学校へ行くのに乗る列車のホーム、9番線と10番線の間にある9と3/4ホームの写真を撮ってきました。
 この駅は、現在再開発で工事中。9番線以降は、工事中のまっただ中で、駅の人が作った写真撮影用の9と3/4ホームプレートはどこにあるのだろうと思っていたら、次のような看板が……。

そこで探したけれどもよく分からない……。
同行者が、工事のおじさんに聞いたら、喜んで案内してくれました。
工事のおじさんと、ツーショット。  
ハリーポッターたち、魔法使いや魔女は、この柱に向かって歩いて行くと、すーっと吸い込まれて、9と3/4ホームに行くことが出来るようです。
その壁には、半分吸い込まれたように見えるカートまで設置してありました。(撮影/山口泉)
この駅は、ロンドン中心街から少し北の方にあるターミナル駅。
駅舎の中には、8番線までしかない。
9番線と10番線は、もともとここと同じ構内に続いているのではなく、離れたところにあって、小説の記述とは違う。作者が、番号を間違えて記憶していたことによるらしい。
ナショナルギャラリーの近くで、映画の宣伝バスに出会った。
ピカデリー・サーカス付近のショウウインドウ。
映画の中で、「ハーマイオニー」を演じた女優。ハリーポッターのクラスメイトの一人で、両親とも魔法使いではないが、本人は魔女で、ホグワーツ魔法魔術学校に入学した。
成績はトップで、もう一人のロンと3人が、この物語の主要登場人物。
この女優も含め、現在はこの映画の中心人物を演じた俳優たちが、J・K・ローリングの発言をトランスジェンダーに対する差別だと批判している。
私はJ・K・ローリングの発言は至極まっとうなものと考える。


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