貴方、モデルさん?普通?
こう問いかけられた私は一瞬戸惑ったが、その選択肢では普通に該当する為、笑顔で「普通です!」と答えた。
ここのところ、スラッシュキルトを作るのに夢中で生活の軸をスラッシュキルト作りになるように少しずつ調整をしている。
色の組み合わせを考えることが好きで美術館や展示会に行き、様々な作品からインスピレーションを受けることも大事なことだと思っている。
この2つを掛け合わせて、こないだ世界らん展に行った。
らんという花自体は、あまり今まで興味を持ったことはなかったがポスターを見て、行こう。となぜか思ったのだ。
展示会に行く前の私のらんに対するイメージは圧倒的胡蝶蘭であった。
らんでーす!お祝いするね!といわんばかりのアーチ状に垂れ下がる、お祝い事によく登場するあの子だ。
らん展のゲートをくぐって、どうやらそのイメージは単なるイメージである、ということに気づいた。
これがらんなの!?
この黄色のらんゲートを正面に右側に道が続く。
こんなぴんくの子もいたし、
黄緑の子なんて、葡萄の実のようだ。
素敵。なに。素敵。
肩のあたりが尖ったワンピースを着ている妖精さんにも見えない?
大きく開いた襟元から両手が出ているように見える。
髪型かな、これはヘッドドレスなのだろうか。
これ、全部らんだ。
ねぇ、まじか。
…まじなんだ。
いくつもの種類のらんが、私を迎え入れてくれている。大歓迎にも程がある。嬉しい。
ピンクにもこんな種類があって、ピンクの色合いにもいろんな種類があって…
この白い子、私のお気に入りだった。
3.4列に綺麗に並んでいるところが好き。
でもね、この子も良かったの!!
かっこよくない??
紫の部分がツヤツヤで、ドット柄との組み合わせがお洒落だった。しかもちょっと黄緑と黄色も入ってる。
通路を抜けると、いろんな賞を受賞した名だたるらんがそこにはいる。
勲章と共にしゃきっと佇んでいてかっこよかったよ。
私はらんについて、また美しいらんをどのように評価するのかについて、知識をこれっぽっちも持ち合わせていない。
ただ、このトロフィー賞などと書かれているらんには一つずつ説明書きがつけられている。
そこには、育てた方のお名前も書かれていた。
らんを育てて、公募に出す。
育てたらんが、賞を取るってどんな気持ちだろうか。
会ったこともない方々のお名前を見て、そんなことを考えた。
このらんたちを一通り見終えると、実際にお花を販売しているお店のブースが広がるエリアに出る。
とても胸がいっぱいになりながらお店を眺めていたら、目の前に来たご婦人が、私に何かを話している。
ああ、イヤホンしている、私。
イヤホンを取りながら「どうされましたか?」と聞く。
「あ、ごめんなさいね、貴方、可愛いわね!って言ったの」
突然のお褒めの言葉に驚いた私は
少し照れながら「ありがとうございます」伝えた。
そこからたくさん褒めてくださった。
ちょうど前日に染めた髪色、ネイルを褒めてくださった。
「貴方、髪色も素敵ね。モデルさん?」
「いいえ、モデルではないです。」
「普通?」
こう問いかけられた私は一瞬戸惑ったが、
その選択肢では普通に該当する為、笑顔で「普通です!」と答えた。
最後には緑のアウターを見ながら
「今年のラッキーカラーはグリーンなのよ!あ〜貴方に会えて良かった!お互い楽しもうね!」と言いながらその場で別れた。
お互い楽しもうねって、別れの挨拶とても素敵で最高じゃない?
私も使いたいんだけど。
あと、緑ラッキーカラーだって。
私が着ることによって、その方にとってもラッキーだったってことだ。
このアウター着て良かったな。
怒涛の褒め祭りに呆気に取られつつも、私もこんな人になりたい!と思い、
別のお店で違う方に話しかけて、そこでは同じ場所で花にまつわるキャンディをそれぞれ買った。
「食べるの楽しみですね」「そうね、電車の中で食べるわ」「私もそうします、お互い楽しみましょうね」
すぐに使った。
ああ、なんだこの体験。
お花にまつわる素敵体験のシェアでした。
褒めたいと思ったら褒めようと思ったよ。
私自身が単体で褒められるのは嬉しい。
・他者と比較して
・Aを下げながらBを褒める
ではなく。
だから私もその人の素敵なところを私なりに探して伝えたい。
おまけ
帰りに食べたスパークリングワインと海老ラーメン。
何事も組み合わせを考える人ってのは、素晴らしい。
美味しかった。
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