プリンアラモードは幸せの味
誕生日祝いにケーキをご馳走してくれると夫がいうので、池袋の老舗洋菓子店のタカセへ。うろおぼえで老舗のパン屋さんだと思っていたが、ネットで調べると、2階は喫茶室としてケーキはもちろん、パフェもあんみつもあり、「大正9年創業の味」に賭けることにした(そんな大げさでもないけれど)
トップ写真:タカセのプリンアラモード=吽形の写真を基に阿形作成
1階のショーケースのケーキをチェックしてから2階へいざいざ。はやる気持ちとは裏腹に、年季の入ったエレベーターはのんびり降りてくる。その間に「9階にコーヒーラウンジがあるんだね」と、新大陸発見したように夫。あいにく2階の席がいっぱいだったので、9階はどんな感じかを女性店員に聞くと、素っ気なく「同じメニューです」。ふたたびのんびりのエレベーターを待つ。
コーヒーラウンジの給仕
コーヒーラウンジは、窓際の席を案内してもらえた。駅前の雑踏と街路樹の緑を見下ろせる。傘をさす人。窓は雨の雫。写真家のソール・ライターが好みそうな構図だ。ソール・ライター風に撮るのが最近のテーマなので、眺めの良い席に満足。ケーキセットのケーキは、1階のショーケースをチェックしたときに和栗のモンブランと決めていたので注文すると、「あいにく売り切れでして、普通のモンブランならありますが」と、ウエイターとは言わず給仕と漢字で呼びたくなるような男性の店員さん。「1階にあったはずなのにな…」とは言えず。あえてこだわらなかったのは、ここにきて目移りしていたプリンアラモードがメニューにあったから。一気に方向転換した。
横浜・ホテルニューグランドが発祥
プリンアラモードなんて何年ぶり、いや何十年ぶりだろうか。幼少のときからの幸せの味。幸せの船のガラスの器。2021年の誕生日とともにタカセのプリンアラモードの記憶が更新される。かためのプリンがやっぱり好き。今日の日を記念に一句。
春惜しむタカセのプリンアラモード(うん)
「プリンアラモード」が和製英語で、フランス人にまったく通じない理由を知ったのは大学の第二外国語でフランス語をとったとき。そして「プリンアラモード」というデザートは、横浜のホテルニューグランドが発祥という。プリンアラモードつながりで、来年は横浜がいいな。あ、一句もうできた、『春惜しむ横浜プリンアラモード』・・・(うん)
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