<マーケティング考察>『鬼滅の刃』
『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』の視聴感想として
歴代興行収入記録を更新。現時点で360億円超え。週間ジャンプのヒット法則「友情・努力・勝利」のパターンを踏まえつつ、エッジの効いたキャラ立ち、緊張と緩和の笑いの法則、イケメン、イケジョ、キモさ、可愛さ、恐怖、スリル、癒しなどなど、心情を揺さぶるストーリーが盛り沢山のストーリー。
炎柱、煉獄杏寿郎の最後はハラハラドキドキが止まらない、、って感じでしたが『アキラ』鉄雄の肥大化、『ONE PIECE』エースの最後、『エヴァンゲリヲン』使徒の侵食同化、、これまでのアニメ作品のヤマ場をうまく組み合わせた感は否めないなぁ、、と思いつつも、これだけヒットした要素を細分化、分析、言語化しておくことは、マーケティング思考にも大いに役立つ要素となります。
浄性の炭治郎、劇性の伊之助、鈍性の善逸(別名:三人合わせてかまぼこ隊)
「浄性」とは純粋で慈愛溢れる性質、「劇性」とは活動的で時に荒ぶる攻撃的な性質、「鈍性」とは怠惰でありつつも瞬時の集中力は超人的な性質、そういった誰もが自らの中にある3つの性質を擬人化してデフォルメ化したと読み解きます。弱点はたくさんあるけれど、「強くなりたい!」という直向きさや、その一生懸命さに共鳴して応援したくなる要素が散りばめられています。
柱
実力、自信、経験が豊富で指導的な役割。クセのある上司的な位置付け。一緒に働きたいと思わせるリーダーもいれば、中には働きたくないリーダーもいたりして、社会や会社の理不尽さを擬人化、デフォルメ化。かまぼこ隊同様に、「浄性」・劇性・鈍性」に分類できる。
鬼
支配欲、自己顕示欲、エゴの擬人化、デフォルメ化。物語上、闇や影の存在ではあるが、闇や影を強烈に描くことで、正義が際立つ役割。絵画の法則にも通ずるものがありますが、影をしっかり描くことで質感が際立ってきます。
禰󠄀豆子
鬼と人間の間でありつつも人間の味方、光と闇の間にありつつも光寄り、善と悪の間にありつつも善を選択する。非力な少女が鬼に噛まれ、TPOで超人化する稀有な存在。物語としては「動のスパイス」。
お館様・産屋敷耀哉(うぶやしきかがや)
柱、鬼滅隊の核。五感を超越した人格者、覚醒者であり、常に冷静沈着。物語としては「静のスパイス」。
LiSA
声のスピード感の緩急、目つきや仕草の緩急、体の細さと迫力ヴォイスのアンバランスさ、巧さ。
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<マーケティング思考から見る『鬼滅の刃』のヒット要素>
①:振れ幅の大きい楽しませ方=エンジョイMIX
②:ストーリー展開の独自性より個々のキャラクター描写に重心を置く=キャラ立ち
③:走るシーンや戦闘シーンによる観客の血流促進効果あり=スピード緩急
④:訳のわからないこと、理不尽なことを盛り込んでおく=不可思議さ
⑤:負け確定状況からの一発逆転勝利=アンバランスパワー
⑥:熱量の高いセリフ=言霊パワー
鬼滅の刃名言集①:https://www.youtube.com/watch?v=0vwZPa2pj-I
鬼滅の刃名言集②:https://www.youtube.com/watch?v=zmTk6Db7LHw&t=3s
鬼滅の刃名言集③:https://www.youtube.com/watch?v=TIzbG5fW1mY
⑦:勧善懲悪でありつつも、取り返しのつかない無常で大いなる痛みをともなう切なさやはかなさ=慕情昇華
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