農業総合研究所 2021年8月期1Q決算と業況
こんにちは。
農業DX銘柄を直近の決算も含め紹介します。
農業の現状(18年の統計)
農業の市場規模は約10兆円。全国レベルにおける生産者の高齢化や作付面積の減少等が問題視される。
■農業総産出額
・長期的に減少
・コメ・野菜等の需要は15年以降は3年連続で増加
■経営動態
・個人経営は減少(18年で約103万)
・法人化や規模拡大の進展が継続(18年で約4万)
・農業集約化の動きも加速する予想
関連内容の細部の参照先 >>リンク
直近の決算概要
1/14決算発表(21年8月期1Q)
・経常は3500万円の赤字へ転落
(前年同期は600万円の黒字)
・売上営業損益率は前年同期の−1.6%に悪化
(前年同期は0.3%)
しかし、売上は前年同期比で53.4%上昇。
利益減少の要因を見ると「青果」などの価格と需要が一般的に影響。9−11月の作況について抜粋しました。その野菜価格の下落が利益減少となった。
青果価格(FY20 1Q)
・期初は高値圏
・次第に全国的な好天であり供給過多
(結果、最安値水準まで株価低下)
青果需要(FY20 1Q)
感染症の長期化による巣ごもり消費や内食需要は拡大
連携強化と農産物流通プラットフォーム
決算書に複数団体との協定等を中心とした「既存の農産物流通プラットフォーム」による高度化、及び他社とのアライアンスの積極的な推進により経営の高度化を目指しているとのこと。決算書より抜粋する。
○富山中央青果株式会社
・連携協力に関する協定書を締結
・新しい農産物流通の創造に向けた取組を開始
○JR東日本、福岡ソノリク等
・約5.6億円の第三者割当増資
・業務提携契約を締結
流通総額の更なる拡大へ以下の2点へ先行投資
・システム開発
・産直卸事業の推進のための人材への投資を推進
その決算発表後の3/3に、農総研の直営店舗が開店しましました。(下の画像は、農総研HPから引用)
財務分析
通期売上は下のグラフ通り右肩上がり。
一方CFですが、18年及び19年のFCFは赤字。
これは、18年までは中期計画に基づき輸送プラットフォームおよび人材確保などへ先行投資をしたことによる。翌19年はプラットフォームへの投資を継続、20年決算で営業利益の黒字転換を達成してます。
余剰資金は過去5年は概ね200億円の黒字で推移。
また前期の経常利益分析(決算資料より抜粋)からは、人件費のほか更なる成長への投資も継続。特に輸送プラットフォーム強化を継続中。上述の共同経営などはその一環である。
今後の見通し
更に売上を伸ばす営業を続けると利益を出すことができる経営となっている。そのため、生産者など3つのKPIに関する伸び率は重要。この度のJRとの協業により、ネット販売への活路を見い出し、また流通プラットフォームの強化に一役買うものと推測。
今後の決算には注目してます。
以上です。
ここまで読んでいただき有難うございます。