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今度はマーク・スチュアートが・・・

マークスチュアートが亡くなったという。つい最近までツイッターでは投稿も続いていたし、何しろまだ62歳だという。死因は発表されていない。何があったのだろうか。マーク・フィッシャーの葬式で弔辞を読んだそうだから、この暗い世の中に絶望して自分からこの世を去ったということではないと信じたい。

僕が特に夢中になったのはポップグループ後の、ON-Uサウンドでのちょっと頭がおかしくなってしまうような強烈なダブとそれに続く、タック・ヘッドのヒップ・ホップやゴーゴーのリズムをエイドリアン・シャーウッドがメチャメチャにリミックスしたレコードだった。当時アルバムを手にするたびに今までどこでも聞いたことのない音楽に興奮したのをおぼえている。

来日ライブにも行った記憶がある。ele-kingの野田努さんの追悼文によれば、93年のアダムスキーとのライブだっただろうか。後ろに手に組んで頭を左右に振りながらテクノを踊るのがカッコ良くて覚えている。

ところでそのele-kingの2015年のインタビュー記事が面白かったので置いておく。インタビューの受け答えの半分くらいが「ギャハハ」。明るくて楽しい人柄だったのだなと。

2000年代に入ってからはめっきり話題も聞かなくなっていたが、ここ数年はよくツイッターでジャマイカのダブのyoutubeリンクなどをあげていた。それにミュージシャンの訃報にもよく反応していた。ウィルコ・ジョンソンの訃報も彼のツイッターで知った。

こちらは2020年の映像。ジャー・ウーブルのプロジェクトのようだ。昨年11月に亡くなったキース・レヴィンがギターを弾いている。マーク・スチュアート以外はみんな元PILである。ポスト・パンク・スーパー・グループ、ということになるのだろうか。動画ではメンバーもみんなヨレヨレしているしマーク・スチュアートもちょっと太っているが、元気そうではある。本当にいったいどうしたのだろう。

ちなみにこの曲名、” A Very British Coup”というのは1982年にイギリスの労働党の政治家であったクリス・マリンという人が書いた小説で、当時ベストセラーになってテレビドラマ化もされたという。内容は、選挙でたまたま勝利してしまった労働党党首がイギリスの首相になり、国政を大きく変えNATOを脱退したりするのだが、最後はアメリカや国内の保守派による様々な陰謀によって失脚させられるというストーリーだという。

歌詞はよくわからないが、反ブレグジット、反ボリス・ジョンソンの曲だということは映像を見ればわかる。上のインタビューでも話している通り常に政治的な人だった。

そのインタビューを少し引用させてもらう。
「この前、イギリスのジャーナリストに「最近恥ずかしかったのはいつ?」という質問をされた。子どもに見つめられたとき、その子どもの未来がどうなるのかを考えると思う。世界をこのままにしておくことはすごく恥ずかしいことだ。もし自分が何もしないゾンビだったら、子どもたちの未来は明るいものではないだろう。」
そういう純粋な正義感を自分は忘れていなかっただろうか、と僕の方が恥ずかしくなってしまった。

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