アレンジの話⑦

前回の記事までに主旋律、ベース、
オブリガート(4トラック)が打ち終わりました。
合計6つのパートが出来上がっています。

ここまで漕ぎ着けたら、それらを一度
同一のピアノロール上に表示しまして、
MIDIノートを全選択・コピーします。

そして新規トラックを立ち上げてペースト。
これで下準備は完了です。

※このトラックは下書きとして使いますので
 音源を読み込ませる必要はありません。

さて、現在アレンジとして足りていない要素は

・リズム、パーカッション、FXなど
・コード楽器(ピアノ・ギター・ストリングス・PAD等)

上記の二種類です。

うち後者は“自由な編曲”をするため
わざと後回しにした経緯があるわけですが、
この段階でいよいよ書き始めるかたちになります。

まずコード楽器用のトラックを作成しましょう。
その後、そのトラックのピアノロールに入り、
さきほど用意した下書きトラックのMIDIノートを
グレーアウト状態で後ろに表示させます。
※Studio Oneの場合は画面左上から設定できます。

あとは下書きをトレースする感じで、
4分音符~全音符の音価を目安に
コードの継ぎ目(進行)に合わせて
どんどん和音を打ち込んでいきましょう!

なお、オブリガートを吟味した際に
スケールから外れた音を使用している場合は
それを含めたコードにしようとすると違和感が生じますが、
ボイシング次第で融け込むこともあります。

このあたりは実際に耳で聴きながら、
コードの“最適解”を探っていきます。
音楽理論がわかるかたは
それも武器として活用しましょう。

言わずもがな、この作業を終える頃には
そのアレンジにおけるコード情報が確定しています。


コード確定後は、それを前提として
楽曲の肉付けをおこないます。

先ほどのコード楽器用トラックは
PADであればそのまま強めにコンプで潰して
小さな音量(裏のほう)で鳴らすこともできますし、
ピアノやギターであれば
アルペジオなどで分散させたり、
弦楽器や金管のアンサンブルなら
改めてボイシングを吟味して
適宜音程を動かしたりすることで、
コードトーンを補強することも可能です。

さらにメロディに対して
ハモリ(副旋律)が何度なら適切なのか
すでに判断できるようにもなっていますので、
サビ部分など強調したい場面で
それ用のトラックを新規で書くのも◎です。

既述のオブリガートとのバランスを考えながら
曲の隙間を効果的に埋めていってください。

というわけで、本技法の解説は以上で全てとなります。
(ちょっとあっさりした最終回ですみません)

あと、たぶんないとは思いますが
何かご質問があったり
「こういうのはどうしたらいいの?」と
知りたいテーマを持っているかたは
コメントなどで教えてください。

ちなみにリズム、パーカッション、FXなどは
『リズムへのアプローチ』系列の記事で
ご紹介しようかなと考えています。

また本技法以外の有効なアレンジ手段や
もっと細かい各種TIPSにつきましては
今後、単発の記事として書く予定です。

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