音源のこと②
無料音源につきましては、少し調べれば有益な情報が
たくさん出てくると思いますので、ここでは割愛します。
※本当は現役で使ってるサウンドフォントとかを
ご紹介したかったのですけれども、
その大半が10年以上前に入手したもので、
いかんせんリネームもしちゃっているので……
正直、出処も覚えておらず
出典が書けないため掲載は控えておきます。
――というわけで、有料音源の話題でいこうと思います。
前回お話ししたように、音源は“加工前提”であり、
演奏方法が多彩か、入力がしやすいか、表情が豊かか
の三点が選ぶ際のポイントになります。
そこを踏まえ、楽器ごとのオススメ、というよりも
私がほぼそれしか使ってないものをご紹介しましょう。
今回はドラム・パーカッションに焦点を絞ります。
■オススメ ドラム・パーカッション有料音源
・Addictive Drums
・Stylus RMX
・Sample Tank 4(総合音源)
・Triaz
エスニックなやつとかオーケストラ系を除くなら、
ひとまずこれらがあればリズムパートで困ることはないはずです。
ドラム・パーカッション音源って、
必要以上に迫真の音圧で収録されている
(リアリティを追求している)ものとかが多くて、
オケに馴染ませる段階でその旨味成分を
結構ガッツリ削らなくてはならないんですよね。
私はそれがあまり好きな作業ではない(耳も痛くなる)ので、
最初からアンサンブル向きの音で鳴ってくれるほうが
ありがたく感じてしまうタイプだったりします。
(というか、そもそも迫真なやつってUIが使いづらかったり
大容量過ぎてCPUやメモリ喰った挙げ句に遅延するんですよね……
実用性の観点で、クリエイターライクじゃないなぁと感じます)
その意味でいくと、SampleTankは優れています。
全体的にちょっとパキッと乾いていて、突出した美点のない
当たりさわりのない音という印象があるんですが、
それは音がフラットで加工しやすいことの証左です。
この音源はKIT内における音量バランスが取れており
ベロシティで細かい表情も表現できるので、パラアウトでなく
ワントラックで作り込むスタイルに強いです。
ループを使わず、手作りでフレーズを構築していくなら
とりあえずこれを使っとけば間違いないイメージ。
逆に、ループにめっぽう特化しているのが
Addictive Drums、Stylus RMX、Triaz。
これらの音源は、読み込むKITのプリセットによって
前述の“必要以上に迫真の音圧で収録されている”こともあります。
しかし、それがマイナスに感じられぬほど
多彩な音色とカスタマイズ性を内包しているのです。
Addictive Drumsは膨大なグルーヴパターンの中から
拍子、ジャンル、ビートなどを指定して
楽曲に合ったリズムを吟味することができます。
※もちろんフィルも収録されています。
“何拍目でどれを鳴らすか”をざっくり検索することも可能で、
しかもそれらは全て“プロのドラマー”が叩いたフレーズ。
素人が打ったものと比べるとやはり臨場感が段違いです。
極めつきは、MIDIパターンのロードにも対応していること。
私はGroove Monkeeというメーカーの製品を併用して
より実践的なリズムの構築を模索したりしてます。
まあ正直、ドラムはこれさえあれば事足りるといっても
個人的にはぜんぜん過言じゃないくらい、重宝している音源ですね。
Stylus RMXは今となっては古い音源ですが
内部エフェクトやスイング・強弱処理などの機能をフルで使うと
ただでさえ即戦力になっていた音がもう一皮剥けるという、
現代でも余裕で通用するポテンシャルを秘めた名音源です。
※すっごくオタクな余談で恐縮ですが、
個人的に好きな楽曲である
水樹奈々さんの『Don't be long』の開幕部分。
また蒼の彼方のフォーリズムというエロゲのBGM
『蒼の彼方へ』のイントロ部分の裏において
それぞれ独特なリズムが鳴っているんですけど、
当時「こんな音どうやって作ってるんだろう?」と
本気で悩んだことがありました。
でもこれ、実はStylus RMXの仕業だったんですよ 笑
初めて知ったときはたいへん衝撃でした。
閑話休題。
Stylus RMXは、収録されている楽器の種類も豊富で、
生音から電子音、SE・飛び道具的に扱える音色まで兼ね備えています。
ただ、フレーズをピアノロールにドラッグすると
ひたすら右肩上がりの繰り返しになる(やればわかります)ので、
故意に崩してアイデンティティを付加するのには向いてません。
でもフィルター系のエフェクトをかけて変化をつけてあげたり
Lo-Fiライクな加工をしてバックに融け込ませたりすると
オリジナリティあふれる良いリズムを生み出すことができます。
最後に、Triazは比較的新しいドラム音源で、
現代的なサウンドを得るのにとても役立ちます。
上記二つの音源と同じくジャンルごとに音色があり、
こちらはメインの画面で個々で楽器をいじることもでき、
クリエイティブな制作にうってつけ。
またグルーヴをループ再生モードにしておきますと、
StylusやAddictive DrumsのようにUI内で鳴り続けたりせず、
DAW側の再生・停止と連動してくれる上、テンポも自動で
現在制作中のプロジェクトに合わせてくれますので、
「とりあえずTriazを読み込ませてループ再生モード」
という感じにしておけば、常にノリを感じながら
メロディやコードを吟味することができます。
上記以外の音源につきましては、
私は“個別にその楽器が必要になった場合”だけ使います。
たとえばカスタネットとか、和太鼓とか、リバースシンバルとか。
その辺りは挙げるとキリがないので、今回はやめておきます。