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B革新、ドラフト制度と戦力均衡のリアル

「B.革新」特設サイト丨B.LEAGUE(Bリーグ)

B.LEAGUEの未来構想「B.革新」について超大まかな説明と受け止め、そして自分が感じる「論点」「課題」について箇条書きしていきます。本来ならもっとしっかり記事にするべきなのですけど、論点があまりに多岐で、今すぐ書き切れる話ではないので。

下記のプロットは昨日のスペースで使ったものを軽くアレンジして載せています。
こちらで1時間15分ほど喋っています。

●B革新大枠
・Bリーグプレミア(初年度は最大18)
・Bリーグワン(30くらい)
・Bリーグネクスト→Bリーグネクストは2030年をメドにBリーグワンに吸収

●ポイント
・プレミアはオンザーコートフリー(外国籍3or4+アジア・帰化1?)
→リーグワンは2-1-1-2
・サラリーキャップ導入
・ドラフト制導入
・プレミアとBワンの間で選手がシーズン中に行き来(NBA Dリーグ的な仕組み)
・Bワン→プレミアの移籍は育成保証金(移籍金)

●もう少し細かいポイント
・代表選手がいない時期にもリーグ戦
・レフェリープロ化
・平日開催は思ったほど増えなさそう

●リーグ側の狙い
・外国籍選手のレベルを揃えることで接戦を増やす
・チーム力で勝負が決まる
・GM等クラブのスカウティング能力や交渉力の上昇

●流れと受け止め
・B.LEAGUEはJリーグの制度を借りてスタート→bjリーグに回帰
・実行委員(経営者)はドラフト、サラリーキャップに賛成
・ドラフトという制度自体は是
→NPBの現役ドラフトは大成功
・ただしドラフト制度と言っても千差万別。環境、マーケットで「メリット/デメリット」も劇的に変わる

●問題点
・制度の複雑化/制度の穴を突くアクションが増える
→プロ野球のドラフトでは「裏金」が蔓延
・「副作用」が起こる
・制度は可能な限りシンプルにするのが理想
→制度変更で新しい問題→制度変更の無限ループ
・そもそも制度設計はこれから/リーグ内の人材に制度設計の腕がない
→規定規約は「など」を入れるだけで意味が変わる

●ドラフトと戦力均衡についての論点
・NPB、Jリーグはなぜ戦力が均衡?
→大谷翔平のような「差別化できる人材」の海外流出が大きい
・八村塁、渡邊雄太をドラフトにかけるのか?
→会見の説明だと「高卒、大卒」が対象となりそう。「帰国組」は除外?
→戦力均衡のためにはトップ人材を下位チームに入れる必要
→「海外で1年プレーする」ことがドラフト回避の抜け穴に?

・本当に資金力や個人能力でなくチーム、GMで決まるようになる?
→「チーム力を上げるリーダー」「優秀なGM」のサラリーが上がるだけ

・サッカーでは「目玉選手」がJ1下位やJ2入りを選択する
→碇明日麻(水戸内定)、伊東純也(甲府からキャリアをスタート)など

・Bリーグも西田優大は新潟を選んだ
→初年度は最高年俸額に制限があるため「試合に出られるチーム」が選ばれやすい
→試合に出ることで自分の価値、生涯年収を上げられる

・NBA、NFLはドラフトがあるけどJリーグやBリーグより「連覇」が多い。
・戦力の入れ替え、カルチャー刷新がスムーズにいかなくなる
→楽天立ち上げから優勝まで9年/ドラフトがなければもっと早く

・そもそもウェーバー制/ロッタリー/抽選のどれにする?

例えばNPBのドラフトは「エンターテイメント」としてニーズが大きく、ドラフトがあるおかげでメディア側も潤っています。そういう狙いはあっていいと思います。
ただドラフトで戦力が均衡するとは到底思えません。(1)制度を維持するために失われるものが多い、(2)制度の穴をつく競争になってごちゃごちゃするから興ざめ(3)ファン、メディアにとって分かりにくい仕組みになるといった話です。

ウェーバー式にして、八村塁、渡邊雄太も対象とするような「ガチドラフト」にすれば、戦力均衡には若干近づきます。でも「じゃあ日本でプレーしないで引退する」という話になるでしょう。CBAがやっていると思われる「ユース所属は非対象」みたいな仕組みにすれば、各クラブは必死にユースを整備するでしょうし、それは有りかもしれません。ただそうなるとドラフトの意味がなくなります。

B改革、心配ですね。

以上

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