ニューヨークへ。待つ、来ない、どうしよう、タクシーに乗る。
ニューヨークに着いた日のことは一生忘れることはないです。今でもその時の情景は頭の中。
初めての海外で、迎えに来るはずの友人は、空港で4時間近く待ったけれど来ない。その友人宅に宿泊する予定だからホテルの予約をしていない。「どうしよう。とりあえずニューヨーク、マンハッタンに行かねば」と思い、タクシーに乗るも英語は全く話せない。理解できない。もちろん相手の言ってることなど100%分からない。持参した英会話の本を取り出して、必死でホテルの予約ページを探して、話せないからページを指差す。ホテルへ連れて行って欲しい、と、話すのではなく、必死の形相でページを指差し。
運転手さんも予約をしているのか、と、英会話の本を使いながら聞き、お互い本をやり取りしながらのコミュニケーションをする。
そして連れて行かれたホテルはThe Plaza。何も知らない私だけれど、一見してすごく高そうなホテルだとわかる。なので、タクシーを降りることなく、安いホテルに案内して欲しいと、英会話のページを指差し。そして連れて行かれたのはすぐ近くのWellington Hotel.もう絶対絶対に忘れることないです。このホテル。その後もニューヨークへ行き、見るたびに一気にその日のことが蘇ります。
フロントへ行くけれど、何を言っているのかさっぱり分からず困り果てていると、日本人の方がいらして通訳をしてくれました。空いてる部屋があったのでそこに宿泊することに決めましたが、当時のわりにはすごーく高かったと記憶してます。
タクシーの運転手さん、思い返しても、本当に本当に、本当にいい人でした。全く話せない私に、困ってる私に精一杯できることをしてくれたように思います。
さて、ホテルの部屋に入ってもさっぱり要領を得ません。バスタブの使い方、電話の使い方、テレビの付け方、何もかもわからない。まずは友人に電話、と思っても使い方がわからない。いちいち英語の辞書で単語を調べて、なんとなくわかっても、何度ダイヤルしても繋がらない。散々いじりまくってようやく繋がったけれど留守番電話。そうよね、結構な時間、夜だし。何を言っているのか分からないし。しかも友人がくれた番号は会社の番号だと、何度も何度も電話してわかる。伝言を日本語で残していいのかも分からず悩ましい。とりあえず使い方は分かったので明朝にかけ直すことにしたのでした。
ものすごくお腹がすいていたので、外に出てホテルの向かいにあったデリに入店。美味しそうなサンドイッチがあるけれど、具材をオーダーしないとダメなやつ。無理。仕方なくクッキーを買う。この時のクッキーも忘れることはないでしょう。それまで食べたことのない、経験のない激甘に悶絶。お腹空いているのに1枚も食べられなかった。しかも1枚が大きい。
で、シャワー。海外のあるあるですけど、水しか出ません。それも水圧弱し。フロントに電話したくても当然無理。仕方なく水圧超弱しのシャワーを浴びたのでした。浴びた?違いますね。ジョウロから出る水のようなシャワーの下にいた、です。そしてテレビ。やっぱりリモコンの使い方がわからず、これも散々いじって、やっとつけたら日本の番組だったことに驚いて、なんかしらんホッとした。
普通だったら当たり前にできることが全くできなくて・・よく頑張ったなあ、と後から本当に思うのです。
タクシーから降りて、初めて降り立ったマンハッタンの第一歩はWellington Hotelの前でした。その印象は、暗い、臭い、ダサい。私のニューヨークの印象は最悪でした。
「もうあした帰る」「いやいや、一応コロンビア大学のスクール(私は3ヶ月間)を終えてから帰ろう」「いやいや、3ヶ月も無理!1ヶ月だけ通ってから日本へ帰ろう」と心に誓うのでした。
Life Tips: 自分の知らない世界。ワクワクする世界を見せてくれる人と話しましょ。