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二重まぶたの話

note第一弾下まぶたのたるみとかいわゆるクマ治療の話は気合い入れすぎて長くなってしまったので、もう少し短く、小分けにしようと思います。
しばらくは、以前にTwitterで連投したお話の増補改訂版になります。

二重まぶたって何?

当たり前のことを書きます。
まぶたを開けた時、まつ毛側の皮膚が奥に引き込まれて折り畳まれる状態が二重です。

まぶたを閉じた状態
まぶたを開いた状態

二重まぶたと一重まぶたは何が違うのか

さて、ではなぜその引き込みが生じるのでしょう?

目を開けるという動きは、眼瞼挙筋(今回から、イラスト内に書いた解剖学的な名前は太字にします)が縮み、挙筋腱膜を介して瞼板を引き上げる動きです。

二重まぶたの人は、挙筋腱膜から細かい枝状の繊維(穿通枝)が皮膚に伸びています。
この穿通枝により、瞼板と一緒に皮膚が上後方に引き込まれるて二重瞼になります。

と、私が美容外科医になりたての頃に教わって、今も教科書的な説明はこうなっているのですが………。

なんかおかしい。

まず、切開二重や眼瞼下垂の手術を多数やっていると、一重まぶたの人でも、穿通枝は存在する人が居ます。寧ろ、全く存在しない人の方が少ないくらい。

そして、もし穿通枝の有無のみが要因ならば、思春期に突然二重になる人の説明がしづらい(急に穿通枝が伸びてくるとは考えづらい)ことも有ります。

また、古式ゆかしい説明では、穿通枝の付着部の上の縁が二重のラインになるんですよと言われますが、奥二重の人の切開法の手術で実際に開けてみると、はるかに上の方まで穿通枝が存在してるんですよね。

ここからは私の私見なのですが、穿通枝によってまぶたを引き込む力が、そうはさせんと抵抗する力に打ち勝った時に二重になる、ということだと思っております。

では、何が引き込みに対する抵抗でしょうか?一番はまぶたの厚さでしょう。これは、折り紙と画用紙を畳むのに、どちらが畳みやすいかを考えていただければわかりやすいと思います。

また、手術をしていて感じるのが、まぶたの何処が厚いのか、言い換えれば厚さそのものではなく、まぶたの質というか硬さも関係しているのではないかということです。

皮膚>筋肉>脂肪と、同じ厚さなら硬さの順に引き込みに対する抵抗が強いと考えています。

また、これは厳密に言えば抵抗の話ではないのですが、はっきりとした穿通枝が有っても、眼瞼下垂の状態では引き込む力自体が足りず、二重にならなかったり、ぼんやりとした浅い引き込みの二重になってしまいます。

纏めると
まぶたを開く力が正常で、その力が穿通枝を通じて皮膚に伝わって、厚さなどの抵抗に打ち勝って引き込まれると二重のラインが出来る。と言えるでしょう。

さて、次からはいよいよ、二重の手術のお話です。


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