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サウンドにも見た目にもこだわる!カールコードでギターの魅力を最大限に引き出そう

カールコードの歴史とアーティスト

カールコード(コイルケーブル)は、1960年代からエレキギターとベースのケーブルとして広く愛用されてきたシールドケーブルの一種です。このケーブルは「カール(巻き)」の形状が特徴で、伸縮性があるため、特にステージ上での自由な動きが求められるライブパフォーマンスに重宝されました。

カールコードの象徴的なアーティストとして挙げられるのが、ジミ・ヘンドリックスです。彼は独自のプレイスタイルとヴィンテージサウンドで多くのギタリストに影響を与えました。彼のステージにはカールコードがよく登場し、当時のロックシーンを象徴するアイテムとなりました。現在でも、Fenderは彼を象徴するカールコード「Hendrix Voodoo Child Cable」を展開し、ヴィンテージスタイルを追求したいギタリストたちに人気を集めています。

カールコードのメリットとデメリット

メリット

  1. ステージ上での自由度が高い
    カールコードは伸縮性があるため、ステージ上で動きやすく、ケーブルの長さをうまく調整できます。例えば、9mの長さを持つVOX VCC90のようなケーブルは、ステージでのパフォーマンスに適しています。

  2. ノイズが少なく絡みにくい
    カールコードは絡みにくく、特にライブで激しく動く際でもケーブルの絡みが少なく、ノイズも抑えられます。VOXのVintage Coil Seriesなどは、ノイズ耐性を高めるために99.99%のOFC(無酸素銅)を使用し、2重シールド構造を採用しています。

  3. ヴィンテージの音質とスタイル
    カールコードはその形状と設計により、音質に少し柔らかいエフェクトがかかり、ヴィンテージなトーンが得られることが魅力です。例えば、ERNIE BALL 6045は素直な透き通る音色を維持しながら、カールコード特有のウォームなサウンドを提供します。

デメリット

  1. わずかな高域の減衰
    カールコードは伸縮性があるため、内部の構造により高音域がわずかに減衰しやすくなります。これは特にロックやブルースなどで独特のサウンドとして活かせますが、シャープでクリアな音を求める場合にはデメリットとなることがあります。

  2. 重量がある
    一般的なストレートケーブルに比べて、コイル状の形状のため若干重量がある点もデメリットです。長時間の演奏では、ケーブルの重みを感じることがあります。

  3. スペースを取る
    カールコードは通常のケーブルに比べて保管時にスペースを取りやすいです。演奏時には伸縮性が有利に働きますが、収納時には場所を取ることがあるので、専用のケーブルバッグなどに収納すると便利です。

おすすめカールコードモデル

  1. VOX VCC90(9m):ヴィンテージトーンと安定性を兼ね備えた定番カールコード

VOXは、アンプやエフェクターで広く知られる英国ブランドで、クラシックなロックスピリットを備えた音響機材を提供しています。このVCC90は、VOXが手掛けるヴィンテージスタイルのカールコードで、見た目とサウンドの両方でロック愛好者の心を掴むアイテムです。

  • 特徴:VCC90は、99.99%純度の無酸素銅(OFC)と2重シールド構造でノイズを抑え、高い耐久性を誇ります。ポリプロピレン絶縁体と耐高温PVC被覆材が採用され、激しい動きにも対応できる堅牢な構造です。摩擦抵抗が少なく、ステージ上でも絡みにくいのも特長です。

  • 音質:ビンテージな温かみのあるトーンが特徴で、安定した音質がライブ中にも維持され、ギタリストのニュアンスをしっかりと表現します。

  • 適した場面:9mの長さで、ライブでのダイナミックなパフォーマンスや広いステージでの演奏に最適。激しいステージングを行うロックギタリストにとって理想的なケーブルです。


Fender Hendrix Voodoo Child Cable, Purple:ジミ・ヘンドリックスの魂を宿すヴィンテージカールコード

Fenderが提供するこの「Hendrix Voodoo Child Cable」は、伝説のギタリスト、ジミ・ヘンドリックスのスタイルを象徴するパープルのカールコードで、彼のスピリットとサウンドを求めるギタリストに愛されています。

  • 特徴:片側ストレート、片側L字のプラグは、パフォーマンス中の自由度を高めるデザイン。耐腐食性の高い無酸素銅を使用し、ケーブルの周囲を95%のシールディングでカバーすることで、ノイズを効果的にカット。ヘンドリックスが好んで使ったヴィンテージスタイルを忠実に再現しています。

  • 音質:無酸素銅を用いたことで、帯域全体がバランスよく、特に中高音域のヴィンテージなサウンドが際立ちます。ロックやブルースに適した少し丸みを帯びた音色が魅力。

  • 適した場面:ブルースやヴィンテージサウンドが求められるスタイルに最適。特にジミ・ヘンドリックスを意識したプレイや、ロックのリードギターとしても相性抜群です。


ERNIE BALL 6045 Coiled Instrument Cable (9.14m):モダンでクリアなサウンドを追求するカールコード

ERNIE BALLは、ギター弦やアクセサリーでおなじみのブランドで、シンプルでありながら高い耐久性と品質を誇ります。この「6045 Coiled Instrument Cable」は、耐久性とクリアなサウンドを重視したカールコードで、モダンなデザインも魅力的です。

  • 特徴:直径6mmの頑丈なケーブルと、デュアル・シールド構造により、ノイズ耐性が高く、長期間の使用にも耐えられる高耐久仕様。クロームメッキのメタル製プラグが高級感を添え、蛍光色の熱圧着チューブでモダンな印象に仕上げています。

  • 音質:透き通るようなクリアな音色が特徴で、ピッキングニュアンスを忠実に再現。ギターだけでなくベースにも対応し、音域全体がバランスよく再現されます。

  • 適した場面:ライブステージでの視覚的なインパクトがあり、フレキシブルなパフォーマンスを求めるプレイヤーにおすすめ。モダンなデザインが、ポップなステージにも映えます。


D'Addario Custom Series Coiled Instrument Cable:ヴィンテージトーンとルックスを両立

D'Addarioの「Custom Series Coiled Instrument Cable」は、ヴィンテージルックスと温かみのあるトーンを再現するカールコードで、シングルコイルやハムバッカー搭載のギターで特に効果を発揮します。

  • 特徴:カール状にするため通常のストレートケーブルよりも長めに設計されており、結果として静電容量が高く、音に柔らかな温かみが生まれます。コアキシャル無酸素銅コンダクタと2層のノイズ除去シールドでノイズを抑え、ニッケルメッキプラグが最適な信号伝達を提供します。

  • 音質:温かみが加わったヴィンテージトーンで、パッシブピックアップとの相性が抜群。高音域のエッジが少し抑えられ、程よくマイルドな音質が特徴です。

  • 適した場面:60年代、70年代のサウンドを好むプレイヤーや、ヴィンテージトーンを意識した演奏に最適。スタジオやステージでの使用にも十分なパフォーマンスを発揮します。


まとめ

カールコードは、その見た目の魅力だけでなく、サウンドにヴィンテージな風合いを加えるアイテムとして、今も多くのギタリストに愛用されています。各ブランドが持つ独自の特長を踏まえ、VOX VCC90は高耐久でライブに適し、Fender Hendrix Voodoo Child Cableはジミ・ヘンドリックスを象徴する音色、ERNIE BALL 6045はモダンでクリアなサウンドを求める方に、そしてD'Addario Custom Seriesはヴィンテージトーンを再現したいギタリストに最適です。カールコードの選び方一つで、プレイスタイルやサウンドに変化が生まれ、演奏がさらに楽しくなるでしょう。

カールコードは構造上、通常のストレートケーブルに比べて静電容量が高くなるため、わずかに高域の減衰が起こりやすくなります。しかし、以下の方法を使うことで、その減衰を補うことが可能です。

1. イコライザー(EQ)で高音域を調整

  • アンプやエフェクターに付属のイコライザーで高域を少しブーストすることで、減衰した高域を補うことができます。例えば、アンプの「Treble」を少し上げると、カールコード特有の温かみを保ちながら、高域を明瞭に引き出せます。

2. ブーストペダルの使用

  • クリーンブースターやトレブルブースターを使うことで、高音域を強調してバランスを取る方法もあります。トレブルブースターを特定の周波数帯に設定すると、特にカールコードの音のキャラクターを生かしつつ、クリアさを保つことができます。

3. エフェクターの接続位置を工夫する

  • ギターとアンプの間にバッファーエフェクターを追加すると、信号の劣化を抑えることが可能です。バッファーは、ケーブル長や静電容量の影響を軽減し、特に高域の減衰を補ってくれます。多くのペダルボードに搭載される基本的なアイテムですが、長いカールコードを使用する際は特に効果を発揮します。

4. 短めのカールコードを選ぶ

  • 長いカールコードは特に静電容量が高くなりやすいので、可能であれば短めのカールコードを選ぶと高域の減衰が軽減されます。9mタイプよりも5mや3mのカールコードを選ぶと、音質がシャープになります。

5. ピックアップの調整

  • 高音域が不足していると感じる場合、ギターのピックアップの高さを少し上げることで高域を出しやすくなります。特にシングルコイルピックアップは、高域が強調されやすいため、少しの調整で音のバランスが整います。

これらの方法を組み合わせることで、カールコードの特性を生かしつつ高域の減衰を補正でき、ヴィンテージな温かみを保ちながらクリアなサウンドが楽しめます。

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