イノベーションに必要なこと:知識 × 知識 (Class Note 1)
イノベーティブな組織モデルを作れるデザイナーになるため"Organizational models for Innovation"という授業を取っています。
この授業はCarlos Teixeira教授から教わっていて、Strategic design、open innovationなどを専門とされています。
授業の備忘録をこちらにまとめます。読みにくい点もあるかと思いますが、ビジネスにおけるイノベーションに関心がある方はよろしければご一読ください。
21世紀は膨大な情報に溢れている時代
今日の社会はとても複雑な世の中となりました。例えば車。鉄の塊ですがその中にはたくさんの技術が詰まっています。歯磨き粉はどうでしょうか?ただのチューブのように思うかもしれませんが科学的知識がたくさん詰まっています。
私は車の作り方、虫歯の治し方を知りません。
でも車を借りれば車に乗れるし、歯医者さんにいけば虫歯は治ります。
このように今の世の中はたくさんの情報に溢れていて、複雑さは加速しています。
一人一人が抱えられる情報量に限りはあるけれど、人々が持っている専門知識に簡単にアクセスできる仕組みが出来上がっています。
イノベーションとは何なのか?
今、存在していないものが生まれればそれはイノベーションなのです。空飛ぶ車やどこでもドアなど最新の技術が詰まったものだけをイノベーションと呼ぶわけではありません。スーパーに行けば置いてあるショッピングカートがあった時代に、オンラインショッピングのショッピングカートが初めて作られたこともイノベーションです。
イノベーションを起こすためには何が必要なのか?
一人一人が持っている専門知識を掛け合わせることがイノベーションに欠かせません。知識の掛け合わせがなぜ重要なのでしょうか?それを考えるためにExplicitとTacit Knowledgeという2種類の知識について触れておきます。
Explicit knowledge
この知識は簡単に学ぶことができます。昨日のスポーツの結果、明日の天気などは新聞やテレビを見れば理解することができます。本を読んだり、レクチャーを受けたりすると簡単に習得できる知識を指します。
Tacit Knowledge
これに対してTacit Knowledgeは簡単に学ぶことができない知識を指します。例えば外国語、歯の治療などは習得するまでに知識と経験が必要で習得までに時間を要します。
今日企業はTactic Knowledgeを持った人を育て、或いは採用しています。こういう時代の流れから以下のことが述べられます。
20世紀 人=労働者
企業は大量に同じものを生産するだけ。生産するための機械をマニュアル通りに生産できる人がたくさんいればよかった。
企業は簡単に代わりの人を見つけることができた
21世紀 人=知能&専門家 (20世紀の生産機械➡︎人)
専門的な知識を持った人が集まり強い組織を作っている。
企業はどれだけ効率的に知能をintegrateして新しいものを生み出すかが求められている。
企業にとっては人を失うことは痛手。代わりの人を見つけることは困難。
例えばグローバルにビジネスを展開している企業は英語が話せる人を採用していると思います。もしも英語が話せる人が企業からいなくなってしまったら?英語が話せる人を会社で育てなければいけませんがコストと時間がかかります。
このように迅速にイノベーションを起こすためには専門知識(Tacit Knowledge)を持った人々の知識をうまく掛け合わせることがとにかく重要なのです。
Tacit Knowledgeは簡単に人に伝えられません。企業が一から従業員に新しい知識を伝達しようとしても時間とコストがかかってしまいます。
いかにTacit Knowledgeを持った人々の知識を企業が効率よく統合していけるかはイノベーションを起こす鍵です。
まとめ
今回の記事ではベーシックな内容ですが、改めてイノベーションとは?イノベーションに必要なことは何かについて体系立てて考えることができた授業だったと振り返りました。
情報が複雑化してくる現代において、一人一人が抱えられる情報量に限界があるため、専門性を持つことが大切になります。さらに一人一人が専門知識をいかに統合させられるかが求められています。
参考文献:The Atlas of economic complexity, mapping paths to prosperity
原文を読んで見たい方は上記からダウンロードできるのでチャレンジしてみてください。該当箇所は14ページから18ページです。
毎週教授の一言一言から学ぶことが多く、目を輝かせながらノート取りに必死になっています。次回は今回の話を踏まえてデザイナーとは誰なのか、何なのか?なぜデザインスクールで勉強する必要があるのか記事にしたいと思っています。
最後まで読んでくださってありがとうございました。
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