デザインスクール Personal Statementの書き方と合格サンプル
海外のデザインスクール受験で必要なPersonal Statment(PS)の書き方を振り返ります。このテクニックは通常の文章の書き方にも通ずる手法だと思うので、備忘のためにも書き起こしました。
Personal Statementに取りかかる前に大切なこと
1. 自分の軸を見つける
自分は何者で、何が好きなのか、何が強みと弱みなのか、どういう人間になりたいのか理解し、やりたいことを明確にする。
2. キャリアゴール策定
自分の軸に基づいて、理想のゴールを設定する。もちろん実現するためにやるべきことを明らかにし、何を補う必要があるのか洗い出す。
3. なぜデザインスクールなのか
現状の自分から理想のゴールに到達するにあたって、なぜデザインスクールが必要なのか。
4. 学校調査
どんな学校があり、それぞれの特徴は何か。自分の学びの目的とどのようにマッチしているのか。
PSに取りかかる前に上記は終わらせておくことを推奨します。これが終わっていないと良いPSは書きにくいかと思います。
PSの具体的STEP
STEP1 質問の意図を掘り下げる
学校はどういう意図を持ってこの質問を聞いてきているのか。学校側の気持ちになって何を聞きたいのかを洗い出す。
STEP2 Key Messageを箇条書きで書く
学校の質問に対して、自分が伝えたいKey Messageは何か箇条書きで書いていく。
STEP3 日本語で文章化する
洗い出したKey Messageから文章化していく。後ほど英語に直すので綺麗な日本語にする必要はないが、何をどのように伝えていくか整理する。
STEP4 英語化する
ネイティブのお友達に見てもらうか、校正してくれる方がいるといいですね。
STEP1 質問の意図を堀るとは?
PS質問の意図を掘り下げるって聞くとたくさん質問があるのかなっと私は思ったのですが実際は3〜5つほどです。
イリノイ工科大学は質問1、2、3形式なので見つけやすいです。以下は実際のホームページのスクショです。
質問が分かりにくい場合もあります。例えば以下はCopenhagen Institute of Interaction Design(CIID)のホームページの記載です。
質問はどれ?って私は初め思ってしまいましたが、2行目の The essay should discuss...から真ん中のパラグラフです。ここに書いてある質問を1つ1つ分解して学校は何を知りたいのか掘り下げて考えていきます。
ちなみに、PSのことをStatement of InterestだったりMotivation Letterだったり学校によって呼び方は変わるのでややこしいですが、同じものです。
さて、比較的質問の数が多かったCIIDを例に質問の意図堀をやって見ましょう。
The essay should discuss your previous experience and future plans in the context of the Interaction Design Programme.
→自分の軸が問われている。プログラムを通じたキャリアプランについて問われている。
→なぜ今なのか。これまでの経験を踏まえて、学ぶ準備ができているか問われている。
You should try to convey what you hope to get out of your time in the programme.
→自分が学ばなければいけないことがわかってるか、1年という限られた時間でしっかり学べる人か問われている。
What can you contribute – skills wise and personally?
→自分の強みは何か、それらを生かしてどう学びの最大化に貢献できるかが問われている。
Why are you interested in this particular programme? What new opportunities do you see beyond graduation?
→なぜデザインに興味をもったのか
→なぜCIIDでなければいけないのか
→卒業後のキャリアプランが問われている
意図堀はこんな感じです!
STEP2 Key Messageを書いていく
質問の意図堀ができたら、それらに1つ1つ答えていきます。一気にここから文章にするのは難しいので、答えはを箇条書きや短い文章で書き並べます。PSの前準備ができていれば材料は揃っていると思います。
この時の注意点をご紹介します。
1. 自分の常識は相手の非常識
「キャリアプランを教えてください。」と聞かれたら皆さんはどう答えますか?
Short termのキャリアプランは・・・と言っても人によっては卒業後1年を指す人もいれば5年を指す人もいます。なので、キャリアプランを述べるときは、卒業後5年、10年後と言ったように具体的な時間をなるべく示すようにすると良いそうです。このように自分の当たり前は相手の当たり前ではないことを頭の片隅に置いて書くことが大事になります。
2. なぜ今なのか
なぜ去年でもなく、来年でもなく今進学しないといけないのか。この質問は結構聞かれます。PSで直接的に聞かれなくても、進んで答えても良いぐらい大切な質問な気がします。また、PSで聞かれなくてもInterviewで聞かれたりするので答えとして準備しておくことをお勧めします。
STEP3 文章化する
STEP2で書いたKey Message達を文章化していきます。質問ごとに書いたKey messageの内容が被っていることもあるので、どの順番でどのように書いていくか整理します。
ポイントはワンパラグラフ、ワンメッセージ。
1つのパラグラフで何が言いたいのか。言いたいことをごちゃ混ぜにしないことが大切です。
STEP4 英語化する
日本語から英語に直すというのは英語が得意な人でもちょっと大変なSTEPかもしれません。ここでのポイントはとにかく言いたいことをはじめに持ってくる!これを強く強く意識されることをお勧めします。
私は利用していませんでしたが、DeepLで翻訳してからGrammarlyで文法チェック、スペルチェックをかけているという受験生の方もいらっしゃいました。
その他 注意すると良いこと
・単数形と複数形に気をつける
自分が書く文章で気をつけることは当たり前ですが、質問の単数形と複数形にも注意をしてください。あなたの価値はなんですか?と聞かれる質問で、What is your value?と聞かれるのと、What are your values?と聞かれているのでは答えの数が変わります。私がやらかしたのはエッセイではありませんが推薦状の数でやらかしました。
多くの学校は2 recommendation lettersとか3 reference lettersとか数を書いてくれていますが、ある学校はsubmit recommendation lettersと書いてあり、1つしか準備をしておりませんでした。直前に気づいて慌てて準備した経験があります。
まとめ
初めて受験する私にとってはいきなり長文のPersonal Statementを書けと言われても何から手をつけたらいいのか分からず困りました。
こちらの内容が皆様のお役に立てたら嬉しいです。
全体的な受験の To Doは以下の記事をご参照ください。
実際にCIIDに提出し、合格をいただいたPersonal Statementのキーメッセージの資料と最終形の2つの資料を共有させていただきます。これから受験を考えている方、よろしければご覧ください。会社名だけはABCに書き換えておりますがそれ以外は丸ごと公開しています。
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