「シン・浪費図鑑」感想
いろんな女性の浪費が詰まっている。コナンの安室透に浪費したり、ジャニーズJrに浪費したり。
浪費という言葉にはマイナスなイメージがあるが、
[名](スル)金銭・時間・精力などをむだに使うこと。むだづかい。「資源を浪費する」「浪費家」
この本の中に登場する女性は、誰一人としてむだにお金・時間を推しに捧げているようには見えない。
それが必然のように、まるでそのために生まれたように喜んでお金・時間を捧げている。
胸を張って堂々と推しにお金・時間を捧げるその姿は神々しくすらある。
逆に何の推しも見つけられていない自分の人生がつまらないものではないかとすら感じさせられる。
面白いと思ったところを抜粋。
・安室透で浪費する女
「映画は日本全国で見れて、1日に何回も上映され、ほぼ自分の意のままに会場も時間も決めることができる。現場に入ればきっちり2時間、推しの姿を見ることができる。こんな最上級の待遇を受けられる映画のチケットが1800円は、あまりにも安すぎる。」(P11の内容をまとめた)
この本に出ている人たちはみんな自分が課金しているものがどれほど素晴らしいかを丁寧に教えてくれるので、普段自分があたりまえと思っているものの価値を再確認できる。そう言われれば映画って素晴らしいものだなと再確認できた。
美少女戦士セーラームーンで浪費する女。
よく知らないおじさんの描かれた紙切れ一枚と引き換えに、大好きな美少女が描かれた固い材質のものが何個も手に入った。等価交換の法則を無視した素晴らしい体験だ。(P14)
福沢諭吉をよく知らないおじさんと表現するのがウケる。等価交換の法則を無視という表現もウケる。
ジャニーズJr.で浪費する女。
ジャニーズJr.は持ちネタがないため、先輩のデビュー曲でセットリストを組むため、ジャニーズ50年の歴史メドレーが実現する。
ジャニーズJrが持ち歌がないことを利用して、先輩たちのヒットソングを存分に使えるのはいいアイデアだなぁと思った。
AV女優で浪費する女。
自分が好みの作品にいつも先にレビューをしている人がいて、「AV界の天沢聖司」。
「AV界の天沢聖司」。というネーミングセンスが最高。
マリノスケ(横浜Fマリノスのマスコットキャラクター)で浪費する女。
・マリノスケを推すことで、選手全員・クラブ全体を推すことができる。しかも、マリノスケは一生移籍しない。選手は移籍してもマリノスケは移籍しない。
確かに、選手がすぐにいなくなることはあってもマスコットキャラクターは一生いなくならない。斬新な視点。
・試合も見たいし、マリノスケのダンスも見たい。結果、トイレに行けず膀胱炎を繰り返す。
熱意がすごい。
・マリノスケに課金→チームの収入が増える→チームの強化費が増える→マリノスがより強くなる→マリノスケの出番が増える(マリノスが勝利しないと、マリノスケは試合後に出てこない)→よりマリノスに課金する。
最高のスパイラル。
以上
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