30歳で学び直しをしたら、今まで知らなかった新しい自分に出会えた
2024年3月、働きながら通っていた大学院を卒業しました。2年間とは思えないくらい本当に濃かった…!
私自身、通うかどうか悩んでいたとき、いろんなnoteを参考にさせてもらいました。なので私も、なぜ今通おうと思ったのか、実際に通ってみてどうだったかを自分なりに書いてみます✍️
どこに通っていたのか
早稲田大学 大学院経営管理研究科 夜間主プロフェッショナルコース。入学と同時にゼミに所属するコースで、私は川上智子教授のマーケティングゼミに在籍していました。
なぜ通っていたのか
大学院に通うことを最初に考えたのは、26歳の頃。個人事業主として働く中で自分の無力さを感じることが多く、レベル上げのためにいつか学びたいと考えていました。
それから数年経ち、現職の上司や周りの友人が海外や日本の大学院に通いはじめたこと、自分にぴったりなゼミを見つけたことが重なって、29歳から通い始めました。
ただ、このnoteでは触れていなかった、もう少し個人的な理由が2つありました。
一つは、自分の意見をきちんと伝えられるようになりたかったから。
それまでの私は、例えば会社の方針に対して異論を持ったり、議論の内容に違和感を感じても、うまく言い出せずに飲み込むことがよくありました。
空気を読みがちで調和を好む性格のせいもありますが、それ以上に「きっと自分の理解が及んでいないんだ」という自信のなさや、「私が声を上げても意味がないだろう」という諦めが理由でした。稀に意見したとしても、説得材料やロジックが弱くて、うまく伝えられずに終わることも…。
そんな自分から変わりたい。自分の中に判断基準を持ち、裏付けとともに人に伝えられるようになりたいと思ったのが、通うことを決めた理由の一つです。
もう一つは、一緒に働く人の個性が活きる組織を作れるようになりたいと思ったから。
これまで約10年間、会社員や個人事業主として様々な環境で働かせてもらい、本当によい人とよい機会に恵まれました。
ただ、中にはハードな環境もあって、一緒に頑張っていたはずの同期が気づいたら心を病んでいたり、憧れていた先輩が疲弊して去っていくことも度々ありました。その度に、なぜこの人が、と言う想いと、自分に何かできなかったのか、という不甲斐なさを感じていました。
だからこそ、少なくとも自分が近くで関わる人には楽しく働いてほしい。その人の良さができるだけ活かされる場を作れるようになりたい。そんな気持ちが、入学を後押ししました。
忘れられない出来事
そうして通った大学院は、面白い授業や刺激的なイベントが盛りだくさん。中でも印象的だった出来事を紹介します。
①ゼミで企画・開催したクラシックコンサート@サントリーホール
そもそもこのゼミを選んだのは、マーケティングを実践する一環としてクラシックコンサートを企画できるからでした。もともとクラシック音楽もイベント企画も好きだった私は、いつか本物の舞台作りをやってみたい!という気持ちがずっとあり、その夢を叶えてくれたのがこのゼミです。
実際にやってみて、企画から集客まで一連のプロセスを進めるのは想像以上に大変でしたが…当日たくさんの人に来てもらえて、会場が一体となる景色を見れたのは、味わったことのない感動でした。
②3日間で全力を出し尽くしたビジネスプレゼン
2つ目は、一年目の夏休み期間にとった集中講義。3日間でグループを組んで特定企業の企業価値向上に向けたプランを練ってプレゼンし、その順位を競うというもの。夏の風物詩とも言われている授業でした。
私がいたチームは、重要な役割を果たすファイナンス専門の人材がおらず、体調不良で直前に人数も減って、かなり不安な状態でのスタート。それでもベストを尽くそうと、お互いの得意なこと・苦手なことをシェアし、持ち場を決めて取り組みました。
人数が少ないからこそ、普段なら先陣を切ることのなかったであろう人がリーダーシップをとってくれたり、専門外のことにも果敢に取り組んでくれる人がいたり、それぞれが少し背伸びをしながら取り組んでいたと思います。
そんな周りの姿を見る中で、こうやってがんばっているチームの人が報われてほしい、この人たちを勝たせたいという感情が自然と湧いてきたんです。限られたプレゼン時間で提案の良さを伝え、勝つためにはどうすべきかを本気で考えて臨みました。
そうして迎えた決勝。
結果はなんと、本当に優勝することができたんです…!
全員が力を発揮すれば、たった3日でもこれだけの提案と結束ができるんだ!と体験できたことが、大きな自信につながりました。
③人として大事なことを教わった授業での一コマ
それは、授業での何気ない先生の一言でした。その方は、輝かしい経歴を持ちながらも奥様をすごく大事にされていて「どんなに仕事が忙しくても、妻とのデートの約束があれば会議を切り上げて退社した」と話していました。
細かな言い回しは忘れてしまいましたが、その先生が授業の合間にこんな趣旨の話をしてくれたんです。
「いいですかみなさん、ここにきて学んでいることは素晴らしいです。ぜひビジネスの場でも活躍してください。ただ、人生最後に残るのは、輝かしい経歴でも仕事でもありません。家族や、身近な人との繋がりです。勉強や仕事に励むだけではなく、ぜひ周りの人を大切にしてください。」
これは、今同居中の祖母からもよく聞かされている話ではありましたが、ビジネススクールでもこんなことを言ってくれる先生がいるとは思いませんでした。この2年間は、ビジネスパーソンとしてはもちろん、人として大事なことを教わった時間でした。
2年間を経て、新しい自分に出会えた
この2年間を経て、自分自身変わったな、と思うことがいくつかあります。
一つは、会社やサービスを客観視できるようになったこと。私はもともとnoteが大好きで、だからこそnote株式会社で働いていますが、良くも悪くも距離が近く、サービスが批判されると自分が批判されたような気持ちになるくらいでした。
授業を通してたくさんの他社事例を知ったり、宿題の一環で自社の分析をする中で、いままでは気づけなかった会社やサービスの問題点に気づけるようになったことが、一つの変化です。
二つ目は、自分の考えを積極的に伝えられるようになったことです。これまでは意見を飲み込みがちな私でしたが、賢い人たちに囲まれた授業で挙手して発言することが求められたり、初対面の方とチームを組んで議論する局面を何度も味わう中で、少しずつ変わっていきました。
組織では、自分が言いたいからどうかに関わらず役割として意見すべきシーンもあると思います。その役割を認識して、自分の考えを臆さず伝えるようになりました。そして、求められていなくとも、必要だと思う提案は企画書にまとめて持っていくようになりました。
これは自分にとっては大きな変化で、前はこんなことやる人じゃなかったよな〜新鮮!と、他人事のように変化を楽しんでいます。
そして三つ目は、会社で働くこと=リアルなケース課題を問いているんだ!という感覚になり、面白がれるようになったことです。
授業ではさまざまなケースを読み、自分なりの考えやプランをまとめますが、作って終わりで実践できません。
今の会社では、作ったプランを実行して結果を見れるチャンスがあります。当事者だからこそ、「それで本当に達成できるの?」「どうやって実現するの?」と詰められたり、綺麗事で済まない難しさもありますが、それも含め会社にいるからこそできる体験だな、とありがたみを感じるようになりました。
* * *
こんな体験をできたのも、お世話になった教授や切磋琢磨しあえた大学院の同期、通うことを応援してくれた会社の方々、支えてくれた家族の存在のおかげです。この場を借りて、本当にありがとうございました。
これから先は、2年間の学びや体験を糧にしながらも、自分のミッションである「埋もれた原石の発掘」は変えず、
自分が良いと思ったサービスの価値を一人でも多くの人に伝えること
一緒に働く人の個性が活きるような環境を作ること
に力を注いでいきたいと思います。
そして、授業でも教わった通り、仕事以上に家族や友人との時間を大切にしていきます。
私以外にも、働きながら大学院に通った方々がその体験をnoteに書いてくれています。入学前後に参考にさせてもらったnoteを貼っておくので、ぜひ読んでみてください!