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原子力のどこがクリーンなエネルギーなのだろうか

 後で後悔しないために、今のうちに言っておきたいことがある。

これだけは言いたい。

原子力がクリーンなエネルギーとして再び注目されているみたいだけど、原子力のどこがクリーンなエネルギーなのだろうか?

原子力のエネルギー源は放射性物資。
放射性物資は毒だ。数十万年から1000万年以上もの長い間消えることのない毒。
ウラン238の半減期は45億年だ。
私達は、その毒を地中から掘り出して、濃縮し、増殖させてしまった。つまり、ウランのことだ。プルトニウムのことだ。超ウラン元素、長寿命核分裂生成物のことだ。
そういうもので自分自身の生活を危険にさらしている。自らの手で首を絞めているようなものだ。

原子力発電所というものは、一見、発電する装置のように見えるけれど、その正体は、放射性物資をまき散らす装置だ。
東京電力福島第一原子力発電所の事故を思い出してほしい。
ベント、つまり、放射性物資を含む気体を外部に排出させて原子力格納容器の圧力を下げる緊急措置を行い、放射性物資を広い範囲にばらまく。
原子炉建屋が水素爆発する。爆発するということは、これもまた、放射性物資をばらまくということだ。
こうして故郷(ふるさと)は回復不可能なまでに汚される。

そんな危なっかしい装置だから、当然テロの標的になる。ミサイルの標的になる。
原発が破壊されれば、周辺の市街地は放射性物資で汚染される。人が住めなくなる。

原子爆弾が落とされた広島は「75年間は草木も生えない」と言われた。

もう一回言う。
原子力のどこがクリーンなエネルギーなのだろうか。

日本原子力産業協会が発行している「原子力産業新聞」を拾い読みしている。

その原子力産業新聞にこんな言葉が書いてある。

「世界は脱原発」だって?
その「世界」ってどこだい?

この言葉の後に、世界でいかに幅広く原子力が活用されているかを紹介する記事が続く。

「世界は脱原発」だって?
その「世界」ってどこだい?

近視眼的な言葉に恐怖を感じる。