Mリーグ2021-2022ファイナル見どころ
Mリーグ2021-2022のセミファイナルシーズンが終了し、来週月曜日からファイナルに残ったサクラナイツ,渋谷Abemas,KONAMI麻雀格闘倶楽部,セガサミーフェニックスで4チームが、各チーム12試合の短期決戦で今期の優勝チームを決める今年最後の戦いです。
1.セミファイナルの結果は
セミファイナルの結果は、最終戦で熱戦が繰り広げられましたが、レギュラーシーズンからの経過を鑑みると、結局は、選手構成の戦力差がそのまま、最後まで結果に繋がったと思う。
渋谷Abemas、サクラナイツの2チームが安定感抜群。そして今年滝沢・伊達と戦力補強に成功したKONAMIは、魔王寿人を筆頭に急に強いチームになった。そして、最終枠のセガサミーフェニックスは、なんやかんやで近藤誠一選手がずば抜けた戦力であり、今年の茅森早香選手の出来の良さ、そして調子は良く無いが魚谷選手もいる。
何が言いたいのか?結局、負けたチームは、2名の大幅に負け越した選手を抱えているチームが順当に負けていた。
だから、どの試合があーだこーだというのは、全体の状況を鑑みると小さな出来事であり、全体の長期的なガレナーを視ていると選手構成がしっかりしているチームは、試合の負担を上手く分散でき、逆の場合には特定の選手だけに負担が掛かるチームだろう。Pirates以外のチームも負けたチームは、積極的な入れ替えをしなければ、来年も似たような結果になるのは間違いないだろう。
2.ファイナル優勝予想
KONAMI麻雀格闘俱楽部が優勝すると思う。
その根拠となる展開される予想について以下に記したい。
3.チーム別詳細
3-1.サクラナイツ
サクラナイツは、3期連続ファイナル出場とどの年度、どのフェーズでも安定しているファイナル常連チームです。そんな、常連チームも今期は最大の危機が訪れている。1年目から今期まで不動の守護神沢崎誠選手が入院により、ファイナルに出場できなくなった。
実は、沢崎選手は、チームポイントや他チームの猛者達を倒すメリット以上に存在感が大きい。今までサクラナイツの内川・堀・岡田3選手が上手く回ってきたのには、一番の長老が3人に限りなく深い愛情と多くの気配りを率先して対応してきた。そのサクラナイツのキューピットが不在になるのだがら、厳しい戦いが予想される。キューピット森井監督が、3選手の体力・気力・成績の見極め、登板順の采配がとても重要になってくるだろう。
3-1-1.内川幸太郎選手
内川選手は、手順が非常に丁寧で好形高打点系を見逃さず、必ず成就させる上手さがある。唯一の弱点と言えば、本人のバイオリズムが激しく、全く手に成らない手牌が来る期間と、赤ドラ、ドラがバンバン寄ってくる期間とその高低差が非情に激しい雀士です。内川選手の調子が良い時には、非常に玄人好みのリズム(ダマ・鳴き・リーチ・オリの選択)の良い麻雀を打たれ、そのリズムがある試合は、視聴価値が非常に高いです。
ファイナルでは、内川・堀2名でそれぞれ5試合合計10試合をノルマとして、内川・堀の調子の良い選手がそれぞれの持ち試合を1~2試合調整する事が戦略的だと思う。内川選手がぶちぬけるバイオリズムの場合には、内川攻めをし、堀選手の方が調子が良さそうであれば堀攻めをするという感じだろう。
内川・堀選手は、気持ち的には12試合全部1人で戦う気持ちを持っといた方が良いだろう。
3-1-2.堀慎吾選手
他チームの猛者雀士である佐々木・近藤・多井と互角以上に勝ち星を見込める技術の高さがある。麻雀は、ギリギリまで踏む込むリーチを主体とした技巧派インファイター型。インファイターでありながら、冷静に当たり牌をビタ止めできる守備も強い。弱点としては、感覚で打つ雀士より思考数と思考量が多くスタミナを消耗しやすく、疲弊し易い所にある。
沢崎選手が不在な中、勝っても負けても堀選手は最低5試合のノルマを乗り切るしかない。
3-1-3.岡田紗佳選手
まだ未成熟な麻雀だが、ベースとなる雀風は、連盟の面前リーチを王道とした麻雀を脈々と受け継いでいる。最低2試合、調子によって3~4試合出場されると思われる。他チームの女流日向・高宮・東城選手が絡む試合では、2.5着以上の平均値でトントン以上を目指し、内川・堀選手の負担を減らしたい。岡田選手の役割はトントンで試合消化をやり切る事だ。
今期のサクラナイツは地力の強さで善戦すると思うが、最終着順は4着に終わると思う。これだけプレッシャーの係る試合を3人で回すのは負担が大きいし、沢崎キューピットが不在な時にどれだけチームとして纏まれるかが大きなポイント。今までサクラナイツの屋台骨を支えてきた沢崎キューピットに優勝シャーレを最良の薬として届けられるか奇跡を起こしたい。
3-2.麻雀格闘倶楽部
今期の麻雀格闘倶楽部は、滝沢・伊達選手の加入により大幅に戦力アップしたチームであり、過去全てのドラフトを鑑みても成績・興行面でも成功を収めているドラフト成功事例だろう。
今年の麻雀格闘倶楽部は、必ず優勝しなくては成らない。今年決められなければ、同じメンバーでは、来年も優勝は有りません。優勝の決め所を逃したくはない。
3-2-1.佐々木寿人選手
Mリーグを象徴する選手の1人。佐々木選手の打牌選択は、膨大なリーチ宣言と放銃による経験値により麻雀の体感がずば抜けている。
リーチラッシュ、自摸ラッシュと寿人オラオララッシュを得意技とする。攻撃が非常に優れた選手ですが、後手を踏んでいる時の守備力も強い。
KONAMI麻雀格闘俱楽部は、佐々木選手の活躍によって決まる。
佐々木選手の対抗となる各チームのエースである多井・堀・近藤選手達が、佐々木選手の抑え込みに成功すれば、他チームが優位に進行する。逆に、佐々木選手がぶちぬけるとその勢いは、最終日まで止まらないと思う。
レギュラーシーズン後半そしてセミファイナルと調子が向上しているので、佐々木選手が大暴れする可能性が高く、佐々木選手の試合は、ファイナルの展開を決める大切な試合になるので必見の試合であろう。
3-2-2.滝沢和典選手
Mリーグ初のチーム移籍をした滝沢選手。今期の滝沢選手は、某チームに在籍した頃よりも、伸び伸びと麻雀が表現できている。これは、原因がハッキリしていて、某チームに在籍時には、男性2選手が主に他の4名チームと競っていた。そのため、本人の登板回数が多く、疲弊している時にでさえ、試合に出場せざるをえない環境に置かれていた。
即ち、試合過多にも関わらず、仕方なく試合に出場するケースが多かったと思う。どんなに強い選手でも、適度な登板間隔でなければスタミナが尽きて、精神状態が後ろ向きになっていただろう。
そんな滝沢選手は、KONAMI麻雀格闘俱楽部に参入した事により、力強いチームメンバーと均等の責任と試合数のバランスもとれた環境になった。これにより、チームがピンチの時には、前向きな気持ちでスタミナのある状態で試合に参加する事ができ、レギュラーシーズン、セミファイナルにチームに貢献した高いパフォーマンスを維持していた。
KONAMIにとって、滝沢選手は非常にキーマンです。佐々木・高宮・伊達共にトップを狙える可能性も高いが、手牌が悪い時には4着を引く確率が高い。そんな中、滝沢選手は非常にクレバーに着順取りが上手くチームの乱高下を落ち着かせられる。
滝沢選手の麻雀は、守備寄りのバランス型麻雀であり、今期のレギュラーシーズン、セミファイナルでは非常に感度の良い聴牌時のビタ止めを何度も魅せていた。タキヒサの新な歴史を築き上げるべく、佐々木選手と共にKONAMIを優勝へ導くべきだろう。
3-2-3.高宮まり選手
高宮まり選手は、先手を取って攻撃を多くしている時や冷静な時には調子が良く、後手を踏む展開や我慢が続く展開になるとボロ負けし易い。高宮選手の強さが発揮された試合は、レギュラーシーズンに退院後に気合いの連投をした週です。この時の試合内容と同じ程度に精神状態を高められれば、ファイナルに残ったどの選手でも五分以上の結果を残せる。
高宮選手の登板数は、恐らく最低2試合チームの状況によって3~4試合となる事が予想されます。
3-2-4.伊達朱里紗選手
伊達朱里紗選手は、今期から初参加した1年生Mリーガーです。1年生ながら、レギュラーシーズン、セミファイナルでは1年生とは思えない大活躍を魅せチームファイナル進出に大きく貢献した。
伊達選手は、まだまだこれから成長するMリーガーですが、常にMリーガー最前線に通用する攻撃に比重を置いたインファイター寄りの万能型雀士です。伊達選手に好感が持てるのは、女流雀士ながらキチンと他家3名の手牌を「読んでいる」もしくは「読もう」としている所だ。だから、選択の精度が高く、山読みの技術、そして守備も長けている。ファイナルでも間違いなく戦力になる1人であろう。
唯一のウィークポイントは、年齢の割には、精神面でいい意味で幼く、Mリーグファイナルという大舞台は初めてであり、精神状態を普段通りに落ち着かせられるかが勝負となる。試合数は、3試合前後が予想され、本人の成績によっては、タキヒサを温存する意味で出場し、Mリーグの場数を踏みたい所でしょう。
KONAMI麻雀格闘部は、優勝しなくてはいけないチームだ。最初の4試合の前半戦が大変な勝負所で開幕ダッシュが成功すれば、走り切れる強さがあると思う。対抗チームはやはり渋谷Abemasだろう。
3-3.渋谷Abemas
渋谷Abemasは、無条件に優勝候補の筆頭に挙げられるチームです。但し、渋谷Abemasは藤田監督のチームであり、チェアーマン藤田氏は、Mリーグ全体の発展と各オーナチームの発展を望んでいる傾向が伺える。
昨年渋谷Abemasは、圧倒的優位なチームポイントから不自然な下降を演じて、最終日まで僅差にする事に徹したチームだ。
だから、今期優勝するかどうかは、総指揮官の藤田氏がチームリーダーの多井選手に「優勝全力モードGo!」のサインを出すかに掛かっている。
3-3-1.多井隆晴選手
多井選手は、守備寄り万能型の選手ですが、実は何でもできる。恐らく佐々木選手のように攻撃特化型もできるだろが、Mリーグでは敢えて最強守備型のスタイルをとっている。
多井選手は、藤田氏の意向をくみ取って、参加したMリーガー全員が引き立つような麻雀を打っている。それは、多井選手が強すぎて多井選手が攻撃に特化した麻雀を打つとそれを受け止められる選手がMリーグ内では限られてくるから、抑え気味で打っている。(負けた選手が異様に弱く視える試合展開になるため)。女流雀士が2名以上出場している時には、指導員のような立場で分かり易い麻雀を打っている。
本来はラスボスのような存在だが、敢えて目立ち過ぎず弱く見えない絶妙な立ち位置に位置づけるようにしている。その甲斐があって、Mリーグの興行も順調に伸び、チームメンバーの白鳥・松本選手の成長にひと肌買っている。
さて、優勝Goサインが出ている事を前提に優勝を決めるポイントとなるところは、「佐々木寿人 vs 多井隆晴」 のエース対決だろう。佐々木選手に爆発されれば、KONAMIが優位に進行し、多井選手がいなせれば、渋谷Abemasが着順取りの上手さで優位になるだろう。
後、自分が言える立場ではないが、多井選手のさじ加減による最終日まで僅差で行こうねスタイルは、絶対にやって欲しくない。全体の興行を鑑みた多井選手より、攻撃フル解放の唯我独尊の多井選手も視たい所です。
また、今期のシーズンはどのような登板回数で多井選手が出場するかで、監督の意向がみえてくるだろう。昨年多井選手が多く登板したので、成長した白鳥・松本2選手に大所の試合を任せても良いのではないだろうか。多井選手の登板回数は、3~5試合が予想されます。
3-3-2.白鳥翔選手
白鳥選手は、今年1年非常に硬い麻雀を打っていた。ここでの硬いというのは、対戦相手からみて白鳥選手の点棒が減り難い選択をしており、温い放銃が殆ど無い。レギュラーシーズンでは、多井選手と並んでラス回避率も堂々の9割オーバーの2着に位置づけていた。
白鳥選手は、今年松本選手と2人で弾けて良いと思う。多井選手を出場させなくても良いほど、白鳥・松本選手が弾けたい所でしょう。白鳥選手の雀風は、守備寄りのバランス型なので、視聴する際には、他家3名の捨て牌から推理しないと白鳥選手の選択は初心者の方にはわかり難いでしょう。そのため、分からない打牌選択があれば、まず守備の準備、もしくは守備をしていると考えて間違いないでしょう。
3-3-3.松本吉弘選手
松本選手も気が付けば4年目のMリーガー。20代Mリーガーも5月3日までだ。若手の筆頭から既にMリーグでは中堅Mリーガーになっている。最後の20代をファイナルで活躍してピシッとしめたい。
松本選手はインファイター型の選手ですが、ここ1年はバランスも非常に良くなってきており、着順取りも上手くなっています。強キャラ相手にガツガツ挑む松本選手は見どころです。
試合登板数は、3~5試合が予想され、白鳥・松本選手で最低6~8試合は出場したい。
3-3-4.日向藍子選手
日向選手は、Mリーグ一の強運を持っているMリーガーです。手牌が良すぎてぶくぶくになり易い。バランス型を目指しながらも攻撃でリズムを獲れているときは、成績を残しやすくダマが多い忍者型対戦相手は苦手なタイプでしょう。
女流枠で考えるならば、日向・高宮・東城・岡田選手との対戦を考慮すると日向選手が若干経験が豊かでほんの僅かですが厚く感じます。そのため、女流戦の戦いではポイントを持ち帰り易いと思うので、トントン以上の成績を残したい。
渋谷Abemasは、2,3着の最終日まで優勝を狙える位置に位置づけると思う。但し、最終着順はわかり難く2着と予想します。※.監督が優勝Goサインがでれば、優勝する可能性も考えられます。
3-4.セガサミーフェニックス
セガサミーフェニックスは、大黒柱の近藤誠一選手に経験豊富な魚谷・茅森選手そして今期初参入の東城選手と女性3名おっちゃん1名の珍しいチーム構成をしている。
今期のセガサミーフェニックスは、今期好調だった茅森選手がキーマンです。その上で女流3選手が近藤誠一選手の登板に頼らず成績を残せれれば、優勝ラインに残る可能性はある。ただし、近藤おじちゃんの登板数に依存した展開になれば、おじちゃんがスタミナ負けする展開になると思う。
勝負所は、序盤の4戦目までだろう。ここでスタートダッシュを女流陣で決められるかでしょう。優勝の目も十分あり得るが今の所の予想は、3着です。
3-4-1.近藤誠一選手
近藤誠一選手の魅力は、重厚な守備と幅広い手役をみた芸術的な手順にある。過去4回のMリーグでは、ポイントの増減に関わらず年1回必ずありとあらゆる雀士を感動させる1試合を残している。
ここ最近はスタミナ切れが心配されるので、近藤誠一選手は、大切な局面に登板したい。試合数は、恐らく3試合だと思います。
佐々木・多井・堀選手のエース対決は見逃せない。
3-4-2.茅森早香選手
茅森早香選手は、今期セガサミーフェニックスがファイナルまで進出した1番の貢献者です。要所を締めたのは、近藤誠一選ですが、ここまでの長期シーズンを乗り切りチームを安定化させたのは、茅森選手です。
茅森選手の良さは、謙虚さがある所です。自分のベースとなる麻雀の中でも取り入れようと努力している。そのような考えをしている所が麻雀で感じ取れます。
茅森選手は面前高打点よりのバランス型です。良い所は、高打点をガンガン上がる時には突き抜ける得点を稼ぐ。逆に欠点としては、東場で稼ぎ南場で返す展開が少し多い。短期決戦なので、取りこぼしにさえ気を付ければチームを優勝ラインに引き上げる可能性がある。予想試合数は、3~4試合です。
3-4-3.魚谷侑未選手
魚谷選手は、面前バランス型の麻雀を得意とする。面前重視だが鳴きも得意な選手です。今期は、MVPになった時よりバランスや選択が少しだけずれている。恐らくトップ1回を取ると乗るタイプだと思うので、1回目のトップを早い段階で取れれば、上昇気流に乗るしラスを引けば最後までズルズルしそうな展開になると思う。
試合数は、3試合前後が予想され、先手必勝を獲れるかが勝負所です。
3-4-4.東城りお選手
https://mj-news.net/news/mleague/20220406181222
今期から初参加した東城りお選手は、面前高打点派のMリーガーです。東城選手に期待される事は、大舞台で普段通りの落ち着いた麻雀を打つ事に集中することだろう。1年目では着順2.5前後トントンのポイントを目指せば御の字であり、兎に角自分の力を出し切りたい。
4.まとめ
【最終予想】
1.KONAMI
2.Abemas
3.セガサミーフェニックス
4.サクラナイツ
色々と展開を考えるとファイナル開幕時の全選手が出る事が予想される序盤4戦がとても大切な試合となります。
個人的には、どこかのチームがぶちぬけた強さでぶっち切って欲しい。組み合わせや選手の出場回数でポイントを調整し、最終日まで僅差で仲良くいきましょう的な試合は視たくない。
興行的にはKYなチームが誕生して堂々の早い段階での優勝をして欲しい。
それと各チーム全選手3試合平均の出場数と思われるが、個人成績3連勝というファイナルのシンデレラボーイもしくはシンデレラガールも誕生して欲しい。
Mリーグ2021-2022ファイナルは、2022年4月18日月曜日から。