雷電ウォーズ
Mリーグ2021レギュラーシーズン。2022年2月10日時点で雷電は、年1回のMリーグにおいてマイナス1078というMリーグ史上初の屈辱的な記録を打ち立ててしまった。
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監督「お前たちのユニフォームを毎日毎日洗ってくれた家族。仕事を早めに切り上げて応援に駆け付けてくれた雷電ユニバース、そういう陰で支えてくれた大勢の人々の信頼をお前達は踏みにじったんだ。」
監督「今期のお前らは最低だ!それは、麻雀を舐めているからだ!生きるっていうことを馬鹿にしている。自分のやっていることをひたむきにやらないでこの短い人生で一体なにができるんだ。」
監督「よく考えてみろ。相手も同じMリーガーだ。同じ歳、同じ背丈、頭の中でもそう変わらんだろ!それが何で-1078対 100以上っという差がつくんだぇあ。・・・ お前らそれでも雷電か!悔しくないのか!!!」
監督「黒沢!萩原!瀬戸熊!本田!」
瀬戸熊「悔しいです!今までは負けるのが当たり前だと思っていたけど、にやついて誤魔化してきたけど今は悔しいです。ち、ちくしょ~」
黒沢・萩原・本田「俺も悔しいです!」
監督「お前達それでどうしたいんだ」
瀬戸熊「勝ちたいです。」
監督「優勝チームに勝つためには、並大抵の努力じゃ勝てないんだぞ。血反吐を吐いて死ぬほどの練習をしなければならん!」
瀬戸熊「はい!やります」
監督「どんなに苦しくても、言い訳がきかないんだぞ。お前達それでも勝ちたいんのか! よ~し。よく言った。俺が必ず勝たしてやる。そのために俺はこれからお前達を殴る!」
黒沢・萩原・瀬戸熊・本田「え!?今の時代に?」
・・・これぐらいの熱い事がチーム内にあったかは、知る由もない。
1.『敗因1』白卓のファームアップ
今年のMリーグ2021レギュラーシーズンより白卓のファームアップが実施された。それは、配牌が上がってきた時に牌の上下が全て揃った状態で上がってくる機能が追加された。その他利用者から知りえないトラブル率の低下などのファームアップがされたことであろう。
そしてMリーグ2020レギュラーシーズンで利用された白卓は、NASPAニューオータニと提携して今はそのホテルの一室にMリーグ熱狂ファンが卓につくのを待っている。
今年この白卓のファームアップが実施された事により、卓内部の撹拌率や卓の癖が2020から大幅に変わったことにより、Mリーガー32名全選手が苦しめられた。
Mリーガー達は、麻雀の経験年数にもよるが、それぞれの全自動卓に対する体感を持っている。雀荘でアマチュア競技として長く競技してきた筆者でさえ、得意・不得意の機種が存在する。
一流のプロは、有とあらゆる全自動卓の機種に依存しないように牌理で手牌を選択するようにしているのだが、それでも長く競技で利用してきた機種で培ってきた麻雀の体感が存在している。
Mリーガーも凡そ3年近く、白卓でその体感が身についてきてからの今年のファームアップ。全員の体感が崩されたMリーグ2021レギュラーシーズンだった。
これは、野球選手がバットやボールを変更されたり、サッカー選手のスパイクが変更されたり、マラソン選手のシューズが変更された事に近しい事が起きた。
これにより、雷電の選手だけでなく、通年好成績をだしてきた佐々木・村上・小林・多井・内川・近藤など多くの一流選手がこのファームアップに今年悩まされた。
昨年までは役満や大物手そしてリーチが多発したが、今年その数は激減している。その理由は白卓のファームアップによる撹拌率が上がったことに起因する。
Mリーガーの一部の方々にとっては、まるでどこぞの雀魂・天鳳などの癖のあるネット麻雀を打たされている感覚に陥いったと推測される。
2.『敗因2』甘えた3年間
Mリーグ開催からMリーグ2021までのレギュラーシーズンを鑑みると、雷電萩原選手を除き、雷電は自団体他チームとの連携プレイに甘え過ぎた感じをとても受けます。
開幕から雷電・風林火山・KONAMIなどの連盟主体のチームと連携して興行的麻雀を3年実施した結果、何が起きたのか?
連盟3選手vs他団体という構図をやられた側は、負け組にまわらないようにここ3年間でかなり個々の選手が成長した感じを受ける。具体的には、瑞原・松本・園田そして元々そのような経験が多かった多井・小林・近藤・堀等の選手達。
それに比較して、連盟3選手の枠組みでしか活躍できない構図に雷電は甘え過ぎていた。今年の本田選手は成績が不調だったが、他団体の一流選手が何名かいる試合で今の成績を残しているのは初年度としては立派な成績だ。
ある一定の枠組みの中で甘えた選手はどうなるかといえば、元々狼のような強さがあった選手でさえ3年という長い年月の中、ユデガエル症候群になり気が付けば羊の群れに守られた羊になっていたということもある。
今年の結果は、1人でどこの卓にでも顔を出す狼、団体の枠組みの中で守られた羊との差が出てしまった感じられる。
3.『敗因3』組み合わせ
雷電は、ここ3年間ガチ卓があまり多く無かった。好調な成績を残している時には、ガチ卓参加率も高かったが、全体としても負け組の組み合わせに組み合わせされる事が多くなった。
麻雀は4名が卓につけば必ず1名は勝ちあがるゲームだ。Mリーグでは、一部の選手や一部のチームがボロ負けしないように、強者は強者と組み合わせ、敗者は敗者と組み合わせするように心がけている。
これにより、全く勝てない選手が落ち込んで、興行的な悪影響を及ぼさないように選手に対しての思いやり運営をしている。
そして、この弱者救済の組み合わせをし続けた結果どのような風土を踏み出したかといえば、弱者の組み合わせで興行的な適当な点数を稼ぐ選手と強者に揉まれていく選手と修羅卓とぬるま湯卓の2つが出来上がった。
そして、弱者は適当な興行的成績に満足し、成長せずに3年間を過ごした。逆に修羅卓で鍛えられた選手は、成績に満足せずに前進するための3年間を過ごした。
雷電はぬるま湯卓にどっぷりつかっていたにも関わらず、今期オーバー1000という記録を作ってしまった。
4.『敗因4』適応力
今年の白卓のファームアップに流石の適応力をみせたのは、渋谷Abemasの多井選手だ。今年の多井選手は、白卓のファームアップによる影響を早い段階に気づいていたようだ。それによる体感の違いに対する策として、メリハリを更につけるようにした。
白卓の撹拌率が高まったことにより、配牌取得時から判断してその局に参加できる場合には、守備を意識しながらも攻撃に比重を置き、逆に絶対攻めないと決めた局には、初手からベタ降りている。興行的にはどんなんだという事は議論になるかもしれないが、プロとしてポイントを稼ぐ、良い着順を獲る事に徹している姿はとても美しい。
それに対して、雷電チームは、何か対応しただろうか?
毎度「魅せる麻雀」に拘り、大振りをして和了手順を逃し、他対戦相手からの攻撃リスクを増大させてからの放銃などが散見された。各チームの選手が、自分のベースとなる雀風を大切にしながらも白卓のファームアップに適応するべく変化を試みた中、雷電は変化を試みただろうか?
5.存続or交代
私は、「雷電は黒沢・瀬戸熊・萩原」の永遠のチームだという考えは大嫌いだ。それは、割れポン的、アイドル的な考えでプロ競技の考えから程遠い。いつまで経ても麻雀プロ競技最高峰のチーム戦から違う方向にいっている。
そして、「雷電は黒沢・瀬戸熊・萩原」永続的にいて欲しいというファン心理に対して不思議に思う事を1つ。
麻雀プロの萩原聖人、黒沢咲、瀬戸熊直樹の3名に魅力があるからその選手の所属・収入・仕事・立場・タイトル有無・年齢に関わらず応援するのが本当のファンではないか?
だからMリーガーであろうと元Mリーガーになろうとも3選手がアマチュア向けに開催された興行があれば時間があれば、喜んで会いに行く応援するというのがファンではないかな?
Mリーガーが元Mリーガーになった瞬間にファン熱が下がってしまうというのは、可愛い女流プロ雀士に彼氏ができたり、結婚報告した瞬間に興行イベントに一切来なくなった男性ファンのようなもんだ。
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KONAMIの前原雄大プロの勇退はプロ選手としてとても切れ味が最高だった。純粋な攻撃麻雀というのを多くの麻雀ファンに魅せ、その人柄も多くの人に伝わり、Mリーガーを勇退された後もファンに愛されている。勇退された後もKONAMIの応援団・総帥として慕われている。
そして前原スピリッツは、今でもKONAMIに根付いており、今の佐々木・滝沢・高宮・伊達に受け継がれている。とてもプロとして美しさを感じる。
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今の雷電選手達が来年どうしているかは分からない。来年4選手が継続というならば、開き直って電通が予算を頑張って7~8選手分ぐらい確保して、雷電は7~8名体制の雷電軍団で挑んでもいいんじゃないかな?
いずれによせ新生雷電オーディションは必須だろう。
そして、4選手の組み合わせが最後かも知れないという気持ちで残16試合見逃すな!
そして雷電選手に余計な一言をマイナスでも良い16試合で3桁に戻そう。