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Mリーグ2022 赤坂ドリブンズの深緑

Mリーグ2022-2023レギュラーシーズンが、2023年3月21日(火)の最終試合をもって全チーム94試合の全工程が終了した。

その結果、赤坂ドリブンズは-514.3ptの第7位となりセミファイナル進出はならず、2年連続ファイナル進出を逃した。そして、Mリーグ規定による選手入れ替えのレギュレーションに該当するチームとなり、来期Mリーグ2023-2024では最低1名の選手入れ替えが必要となった。

園田賢、村上淳、鈴木たろう、丸山奏子の4選手で挑むMリーグは、残念ながら今期が最後になってしまった。

今期で5期目になるMリーグ。Mリーグ黎明期の5年間を走り続けた赤坂ドリブンズ4選手には、多くの熱戦を創造して頂いた事に心より感謝したい。私にできる事は、赤坂ドリブンズに対しての感謝の意をこのnoteに残したい。

1.赤坂ドリブンズの良さ①おっちゃんズ

私は、Mリーグの1ファンですが箱推しです。Mリーグに一番願う事は、勝ちに拘る事や僅か1ptの得点のためにヒリついた打牌を打ち続けることにより、人間性の向上と精神性の向上そして技術を高め、他スポーツに負けないスポーツ魂を魅せ続ける事を望んでいます。

赤坂ドリブンズは、Mリーグ初年度から「数字(結果、成績、期待値)」で語るチームだった。開幕初年度に指名された園田賢、村上淳、鈴木たろうの3名を冷静に視て欲しい。全員おっちゃんであり、全員お腹がぽっちゃとした麻雀大好きおじさん達だ。そして言葉は悪いが、このおじさん達は決してイケメンとはいえず見た目人気で主張するチームではない事が明白だった。

2.赤坂ドリブンズの良さ➁徹底した育成

Mリーグ2年目から、Mリーグ全体の興行を盛り上げるために各チームに女流選手を最低1名参入させるという規定が導入された。
Mリーグ1年目に華々しく優勝を決めたおっちゃんズの仲間に指名されたのは、丸山奏子選手だった。

丸山選手は、指名された時から、最高位戦日本プロ麻雀協会の将来を期待される育成枠であり、その素朴さと素直さにフォーカスが当てられた選手です。この丸山選手は、Mリーグの女流選手で一番幸せな選手だと感じます。

越山監督、おっちゃんズ3名は、丸山選手に過剰な人気や過剰なイメージという負担を掛けず、毎期10~15試合の真剣試合から学ぶ育成方針を徹底していた。人気・お金にブレず、越山監督を筆頭とした赤坂ドリブンズの育成枠・女流枠に対する姿勢は、全チームの中で素晴らしい姿勢を示したと思う。

ドリブンズファンは、越山監督とおっちゃんズと同じ目線で丸山選手の成長を暖かく見守る楽しみを感じた4年間だった。

3.赤坂ドリブンズの良さ➂越山監督

私は越山監督は筋の通った立派な監督だと思います。

赤坂ドリブンズの成績が振るわなくなっても、他チームより人気が無くても、選手が見た目地味で素朴でも、アンチが騒ぎ出しても、何にも動ぜず自分達が信じた道を5年間歩み続けていた。

売上や人気をとるために選手達にファンに媚びさせる様な事は一切させずに、選手には麻雀の技術向上と試合に挑む体力・精神力の向上のみを期待していた監督は、選手そしてチーム運営者と共に赤坂ドリブンズの深緑に立派な文化を残している。

選手4名が5年間走り続けられ、試合に集中できた背景には、オーナーチームの会社内の役職者に頭を下げ続け、調整し、稟議を通し続けて選手を守り続けた越山監督がいたからだ。

何千万、1億以上という予算を動かしたり、その責任を全うする立場を経験した経営者やサラリーマンの人達ならば、越山監督の偉大さと苦労を肌身で感じ理解できるだろう。

4.赤坂ドリブンズの良さ④まとめ

赤坂ドリブンズのチームのアイデンティティは、数値と麻雀の内容であるという事を5年間やり続けてくれた。

他チームがポピュリズムやタレント性、演劇になびく傾向が強いにも関わらず、自チームの麻雀と結果だけでファンを魅了してきた。勿論、選手それぞれの人間らしさや人の良さというのもあったろうが、基本的には麻雀の強さと技術を探求する姿勢が全選手にあった。

Mリーグがこの先何10年続いても、この赤坂ドリブンズのブレない侍のような姿勢は、継続して残して欲しい文化です。

5.赤坂ドリブンズの成績振り返り

5-1.2018-2019

・レギュラーシーズン  第4位 ▲8.7
・ファイナルシーズン  優勝  +594.5
鈴木たろう選手が、Mリーグ初のファイナルシーズンにおいてゼウスの名を世に知らしめた圧巻のシーズンだった。鈴木たろう選手のファイナルは、10試合出場し、5-3-2-0の平均着順1.7を記録。翌年ポイント半減システムやセミファイナルができた理由は、ゼウスの破竹の記録によるものだった。

5-2.2019-2020

・レギュラーシーズン  第7位 ▲276.3 
丸山選手が初参入したMリーグ2年目。この年は村上選手が366.7ptsを稼ぐ稼ぎ頭になったが園田選手が▲377.6ptsという記録となる。壮絶なボーダー争いを演じたが最後の一席に滑り込む事ができなかった。

5-3.2020-2021

レギュラーシーズン 第3位 ▲3.2
・セミファイナルシーズン 第3位 26.6
・ファイナルシーズン 第4位 ▲59.7
全シーズンを振り返ってみても、この2020-2021シーズンが4選手の成績が非情に安定したシーズンであり、2度目の優勝が有るのではないかと期待されたシーズンだった。この2020シーズンは、ファイナルにおいてEX風林火山勝又選手の爆発力を止められなかったのが悔やまれる。

5-4.2021-2022

レギュラーシーズン 第7位 ▲263.8 
このシーズンは、村上選手が30位に沈む▲384.1を記録していた。実はこの成績はこの年度に全自動卓を交換した事が原因の半分を占めており、赤坂ドリブンズにとって不運な卓交換となった。又、この年の敗因は周囲のチームの力量の見積を甘く視ていたのが原因にあった。

5-5.2022-2023

レギュラーシーズン 第7位 ▲514.3
周囲のチームが若い選手達が新規参入する中、おっちゃんズが押し込まれた印象を受けるシーズンだった。園田選手が最終日まで個人スコアMVPに絡む活躍を魅せるも、全体的に成績が停滞する期間が長った。

Mリーグ元年に華々しく優勝した赤坂ドリブンズ。2度目の優勝を待ちわびていたファンに残念ながら今の4選手で成し遂げられなかった。

6.赤坂ドリブンズの名シーン①園田選手

2022年12月15日(木) 第2試合 松ヶ瀬・堀・園田・高宮戦

この試合は、KONAMI麻雀格闘倶楽部の高宮選手がボディ麻雀を魅せトップを獲り切った事が大きく報じられた試合だったが、園田選手が必死にどうしようもない手牌を何とか形にして、親番の連荘連荘でチャンスを作りに行く、チャンスが来るまで親番を死守する姿勢が印象的だった。

Mリーグでは、高得点主義の偏った興行麻雀を普及させているが、麻雀強者の私から見れば、この泥臭い1000~1500点のミニマムな点数を必死に上がる姿勢が麻雀の本質的な部分が濃縮していると感じます。

このような泥くさい1500点というのは、麻雀を極めたもしくは極めようとした一部の麻雀猛者達にしか伝わらない場面ですが、このようなプレイを赤坂ドリブンズの園田選手は馬鹿にせずに表現してくれるのは嬉しかった。

7.赤坂ドリブンズの名シーン➁村上選手

2021年5月18日(火)第2回戦 村上-勝又-多井-内川戦

2020年シーズンのファイナル最終戦において赤坂ドリブンズは所謂目無し問題に直面していた。優勝のできないチームが最後の着順を決定する1勝を獲りに行って良いのか?
私は囲碁を幼少からやっており、麻雀も相当な力量を持っているが、目無しのチームが最後まで1勝1ptsのために全力を尽くすのは、勝負の世界では常識です。サッカーや野球のワールドカップでも目無しチームが、敗退が確定していても目の前の1勝を国で応援してくれている国民(ファン)のために全力を尽くすのと同じです。

8.赤坂ドリブンズの名シーン➂鈴木たろう選手

Mリーグ2020-21シーズンレギュラーシーズン 2020年10月12日第2試合 多井・和久津・鈴木たろう・高宮戦
多井・鈴木たろう選手という一流のライバル対決が全力をだすとどのような試合になるのかというのを名局として残してくれた試合。
この試合は、多井・鈴木たろう選手が自摸合戦を多くの麻雀ファンに届けてくれた。

9.赤坂ドリブンズの名シーン④丸山選手

Mリーグ2019 2019年10月29日 滝沢・丸山・佐々木・多井戦
南4局の丸山選手がリーチを掛ける。数巡後佐々木選手から高速に当たり牌が河に打たれる。
「アッ。丸ちゃんスルーした。」
佐々木選手の高速打ちについてこれなかったのか?
否、自摸上がって総まくりの1番を目指したかったのだ。
見逃しには常に賛否が付きまとい状況による難しい手段だが、リーグ参加1年生の堂々たる総捲りに度肝を抜かれたシーンだった。

10.赤坂ドリブンズの未来

このnoteに赤坂ドリブンズの方向性を2ヶ月前に記載しています。
興味のある方は是非ご購入して下さい。

私のイメージとしては、今期まで赤坂ドリブンズの歴史を支えてくれた園田・村上・鈴木たろう・丸山選手が全員変わろうとも、その4選手がMリーグと麻雀業界、そして赤坂ドリブンズを盛り上げる仕事をして、現役選手と変わらない活躍ぶりと収入を得ることが、後輩のMリーガー達への道しるべだと思っています。

11.まとめ

このチームは、見た目や容姿ではなく麻雀の技術を向上させ、精神性・人間性を成長させていく所にチームカラーがあり文化です。このような一見伝え難い麻雀という競技の些細な内容を伝えていく赤坂ドリブンズのチームカラーはこれからも維持して欲しい。
5年間、本当にお疲れ様でした。有難うございました。


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