Mリーグ2021レギュラーシーズン最終週
東京では、気温も上がり寒かった冬も終わり春の温かさをとても感じる今日この頃。Mリーグ2021レギュラーシーズンは、第22週目の最終週となり、各チーム最後の4試合の熱戦が繰り広げられました。
1.今週のチームポイント
1.Pirates 377.1pts(+75.1 pts →)
2.ABEMAS 328.2 pts(+83.2 pts ↑1)
3.麻雀格闘倶楽部 249.0 pts(+53.0 pts ↑2)
4.EX風林火山 184.4pts(+7.5 pts ↑2)
5.フェニックス 184.2pts(-116.8 pts ↓3)
6.サクラナイツ 177.0pts(-66.6 pts ↓2)
---------- セミファイナル 足切りライン -----------
7.赤坂ドリブンズ -263.8pts(+10.4 pts →)
8.TEAM雷電 -1256.1pts(-45.8pts →)
各チーム90試合のレギュラーシーズンの全工程が2022年3月11日(金)に終了し、セミファイナルへ進出する6チームが確定した。
2.今週のチーム状況
「熾烈なMVP争い」
セミファイナル進出を決める争いは、先週の第21週で決着がついていた。今週の各チームの目標は、「4位以内」「個人スコアMVP者の輩出」がテーマだった。
Piratesの瑞原選手が、先週末に427.9ptsを確保して個人スコア部門において暫定トップを獲っていた。次いで、サクラナイツの沢崎選手が345.6ptsと追う状況であった。後続には、堀・松ヶ瀬・滝沢・伊達・茅森が続いていた。
今週は、この個人スコア部門上位者の成績に注目された1週間でした。
・3月7日(月)第1試合 朝倉-日向-沢崎-松ヶ瀬 戦
この試合は、MVP候補の沢崎選手そして先週候補から下がってしまったがこの試合に勝てば松ヶ瀬選手も最終週に4連続出場すればMVP争いに再チャレンジができるかが掛かっていた。そして、Piratesの朝倉選手は、瑞原選手のチームメイトとして、瑞原選手の代理としてMVP候補2人と直接対決する事となった。
この熱戦に沢崎選手が完璧な内容で完勝し、個人スコアを69.5伸ばし415.1ptsまで上げてきた。これにより瑞原選手との差が僅か12.8ptsまで寄せてきた。そして、ここまでEX風林火山を先導してきた松ヶ瀬選手は、残念ながら4着となり、個人スコア部門においてのMVP争いは、来期以降に持ち越しとなった。
・3月7日(月)第2試合 堀-朝倉-勝又-白鳥 戦
`Piratesとしては、第1派MVP候補者の争いの後に直ぐにMVP挑戦者を迎える事となる。サクラナイツの堀慎吾選手だ。堀選手は、この試合に60~80ptsの1着を獲れば沢崎選手と並んで瑞原選手への挑戦権を獲得でき、最終戦においてサクラナイツから史上初の2名のMVP候補者が出現する大事な試合だった。
この試合は、切れ味ある白鳥選手が同世代の堀選手のMVPチャンスを完全に潰し切った。堀選手に勝った白鳥選手は、嬉しさの余り過去最高の笑顔を見せていた。その役割を完全に奪われたのは、Piratesの朝倉選手だった。この試合の結果により、瑞原選手へのMVP挑戦者筆頭は、沢崎選手となった。
・3月8日(火)第1試合 村上-滝沢-茅森-瀬戸熊 戦
この試合は、瑞原選手へのMVP挑戦者への挑戦権の目を残していた2人滝沢選手と茅森選手との直接対決となった。この試合を制したものが、瑞原選手へのMVP挑戦者の第3の者として、連投による挑戦ができる。
このMVP挑戦権争いの僅かの目を残したのは、滝沢選手だった。
・3月8日(火)第2試合 魚谷-鈴木-黒沢-滝沢 戦
滝沢選手は次の2試合目もトップを獲れば、先に確定した沢崎選手と並んで最終試合におけるMVP挑戦者争いに名乗りを上げる事ができる大切な1試合だった。残念ながら試合に敗れてしまったが、294.2pts(第3位)という立派な成績を収めて、KONAMI麻雀格闘俱楽部のセミファイナル進出の立役者の1人となった。
・3月10日(木) 第1試合 魚谷-丸山-瑠美-多井 戦
この試合は、裏テーマが潜んでいた。既に今期のラス回避率部門トップの成績を残していた鉄のゴールキーパー多井選手が出場していた理由は、4年連続の200pts越えを成し遂げたかったのだ。完璧な間7萬待ちという読みの利いたリーチを含み切れのある試合運びを魅せた多井選手が優秀の美を飾った。
・3月11日(金) 最終試合第1試合 堀-小林-萩原-高宮 戦
この試合は、試合開始前の選手のオーダーが注目された。サクラナイツは沢崎・沢崎の連投で来るのかそれとも1試合目・2試合目のどちらにでるのか? それに対して、Piratesも瑞原選手を2連投させるべきかどうかという事前に決めておかなければ、絶対に決められなかったオーダーだったろう。
Piratesは、恐らく沢崎選手が連投もしくは第1試合目に参戦してもPiratesの小林船長であれば、抑え込むもしくは僅差の試合運びをするという目論見で第1試合に小林選手を出場させた。小林選手は、その力を持て余す事なく小林選手にとっての最終試合を1着を獲り切った。
・3月12日(金) 最終試合第2試合 萩原-沢崎-瑞原-佐々木
「泣いても笑ってもこれがレギュラーシーズン最終試合」
Mリーグ2021レギュラーシーズン最終試合に相応しい、今期のレギュラーシーズンにおいてベスト1のベストバウト。
この試合は、Mリーグの良さが濃縮した最高に素晴らしい試合だったので是非見返して視聴して欲しい試合です。
瑞原選手と沢崎選手との差は、12.8ptsだけとなり、難しい着順取りはなくそれぞれが対戦相手より上の着順であれば良いという分かり易い構図。
とても書ききれないが、印象的だったシーンを
❶追う沢崎選手野獣の如し
❷追う沢崎選手 大三元覚悟の白ギリ
この❶❷のシーンからわかるように沢崎選手が命がけで全ての力を出し切り、瑞原選手を猛追していた。南場の追う沢崎選手はやっぱりザンギエフに似ている。
大変な試合は、佐々木選手がオーラスに聴牌していたが牌を伏せた事により順位が確定し、最高の試合に幕を閉じた。
「おめでとう」と沢崎選手が瑞原選手に祝福の握手をしたシーンに私も久々に号泣した。
最高の選手達と痺れた試合だった。
3.その他1
瑞原選手がMVPを獲った時に感じたのが、選手を支える監督・スタッフ・チームメイト・そして家族。
頭脳競技のタイトル戦は、選手本人の実力とコンディションが最も大切な要素だが、その選手を裏で支える家族の存在が非常に大きい。瑞原選手の場合井には、旦那さんであったり実家のご両親であったり、何かしら瑞原選手の家事・子育ての負担、そして瑞原選手自身の精神的負担を軽減するご家族の存在が今回のMVPを獲るに至ったと感じました。
4.その他2
最終試合の最高の試合を視聴した時に改めて感じたことを2点
・Mリーグ最高に面白かった。
・この舞台に公正な予選と入れ替えを確りして若手に経験させたい。
Mリーグは、今までは興行的要素が全面的に押し出されていた。Mリーグは既に4年目のレギュラーシーズンが終了した。
日本人は、3年~4年というサイクルで人生の周期が構成されています。それは、小学校・中学校・高校生・大学生と3年サイクルで1つの区切りをつけ成長していくというサイクルを全日本人が持っています。
今までのMリーグは、オーナ企業の売上確保、スポンサー企業へのイメージ向上のための選手採用が主軸に置かれていた。これからは「成長型コンテンツ」に変革していく時期になっていると感じます。
これは私が4年間炎上も含めて訴えてきたことだが、
・一流選手の厳しい指導を2年以上経て成長しない選手は去れ
という事を実現して欲しい。これは何を意味するかといえば、他競技のプロの世界では、競技の第一人者でさえ切磋琢磨を怠ればアッといういう間に次の世代から突き上げが起こります。3年間という長い期間であればどのような競技でも第一人者を倒すような新人選手や努力した選手が伸びてきています。
Mリーグでは、選手の大きな入れ替えや受け入れをし難い状態ですが、2年サイクルで成績によって入れ替えていく事も必要になってくると思います。
そして、何故私がそれを訴えているのかといえば、現役一流選手達も人間なので老いと共に体力・気力が若い人達に比べ、必ず衰えてきます。そして、いずれかは超一流選手でもいつかはそのバトンを次の世代に受け渡す時期が来ます。
ということは、若い選手が伝説的な一流選手達と真剣勝負を打てる機会というのは、無限にありそうで少ない機会です。
いつまでも成長しない選手が、一流選手と切磋琢磨する日本一の場に3年以上居座り続けるのは、勿体なく感じます。
麻雀業界には、Mリーグに参戦していない2000人近いプロ雀士がいます。1人でも多くの未来ある若手達にMリーグの舞台に上がれるチャンスを増やしして欲しい。
そして、最終試合の瑞原選手のように最高の舞台で最高の一流選手達と生涯の糧になる真剣試合を経験して欲しい。
最後までお読み頂き誠に有難うございました。