Mリーグ2022レギュラーシーズン第2週
今週のMリーグは、過去に類をみない程のリーチが多発し、放銃上等・箱下上等の超乱打戦を魅せた。
総試合数:8試合
総対局数:109(Avg: 13.6)
リーチ総数:107回(Avg:13.4)
和了総数:87回 (Avg:10.9)
放銃総数:48回(Avg:6)
平均値は、1試合辺りの平均値
1.今週のチームポイント
1.ABEMAS 337.4 pts(+241.0pts ↑1)
2.麻雀格闘倶楽部 134.9 pts(+39.3 pts ↓1)
3.サクラナイツ 134.4 pts(+53.4 pts →)
4.雷電 +16.1 pts(+39.2 pts →)
5.フェニックス ▲86.6pts(▲42.7pts ↑2)
6.風林火山 ▲174.3pts(▲80.9pts ↑2)
7.ドリブンズ ▲175.5pts(▲113.7 pts ↓1)
8.Pirates ▲190.0 pts(▲135.6 pts ↓3)
2.今週のチーム状況
最速最強のAMEBASが爆速
沈むドリブンズとPirates
今週のチームポイントから判断できるようにABEMASの全選手がほぼ完璧な試合展開を魅せ、頭一つ以上抜け出し単独トップに躍り出た。
ABEMASを追っているのは、昨年ファイナルまで進出した麻雀格闘倶楽部とサクラナイツ。そして、レギュレーションにリーチを掛けている雷電は、単独4位を死守している。
フェニックス、風林火山はそれぞれ1敗、2敗程度のマイナスだったが、順位は下位2チームの大幅下落により、それぞれ上昇している。今週超乱打戦の煽りを受けてしまったのが、ドリブンズとPiratesの2チームとなった。
2-1.ABEMAS
最速最強
今週のABEMASは、チームリーダー多井選手の「最速最強」の名が、そのままチームメンバー全員にそしてチームの象徴として掲げられる位に突き抜けた成績を残した。今週の成績は、3-1-0-0とチームとしては、完璧な週であり、先週の成績を合算しても5-2-1-0と絶好調振りを魅せている。
そして、チームポイントも2週目にも関わらず、既に337.4 ptsと過去4年間の経験値を鑑みても、得点維持率の高いABEMASにとっては、レギュラーシーズン最後まで既に逃げ切れるほどの貯金です。この勢いが維持したならば、Mリーグ史初のチームポイント1000pts獲得という大偉業が成し遂げかねません。
この好循環を生み出している理由は、週始めの月曜日又は火曜日の第1戦と第2戦に参戦している切り込み隊長の松本選手及び日向選手が踏ん張って2着又は1着を2人とも確保しているので、後続の白鳥選手、多井選手が非常にリラックスした状態で木曜日又は金曜日の試合に挑めている所です。
Mリーグ新格言「月火を制すチームは、1週間を制す」
ABEMASメンバーのどの試合を振り返っても面白い試合でしょう。中でも、多井戦(多井,鈴木た,高宮,近藤)と白鳥戦(白鳥,伊達,園田,茅森)はチート級の手の入り具合だった。手が悪い時でさえ、ホタテやカキの貝殻より守備力が硬い多井選手と白鳥選手が5万点オーバーした時の打ちまわしは、ダイヤモンド並に硬く攻撃も鋭かった。
2-2.麻雀格闘倶楽部
エース寿人 好調
伊達堅調維持
10月11日火曜日第1試合 渋川・魚谷・佐々木・仲林戦に登板した佐々木選手は、初対戦となるMリーグ1年生の渋川・仲林選手に対してMリーグ看板級選手の貫禄をみせた試合となった。東場終了時点では、渋川選手が45000点越えのトップ目そして佐々木選手は22000点持ちの3着であったが、南場で多くのリーチと和了を魅せ後方から一気に捲り好調さをみせた。
10月11日火曜日第2試合 東城・鈴木優・滝沢・堀戦では、均衡した点数差で安定したいつも通りの無放銃で落ち着いた麻雀を展開していた滝沢選手だっが、東城選手の好調さと鈴木優選手の最後の和了により惜しくも3着となった。滝沢選手は、先週の成績と合わせて0-1-1-0という成績であり、開幕月としては、落ち着いたいつも通りの滝沢選手であり、ファンとしては何も心配する必要が無いだろう。
10月14日金曜日 第1試合 高宮・鈴木たろう・近藤・多井戦では、高宮選手が今期チームのために色々変化したいという気持ちの表れた試合だった。南1局目で親満を自模り37800点目の2着という良い場面もあったが、全体的に喰仕掛け時における他家の反撃リーチを受けた後の選択に反省点の多い場面が多かった。
10月14日金曜日の第2試合 白鳥・伊達・園田・茅森戦では、白鳥選手が過去最高のドラ爆ドラ男に豹変し、どのMリーガーが相手してもチームにプラスを持ち返るのが非常に難しい試合だった。伊達選手は、そんな激ムズな試合を安定した守備と少ない攻撃チャンスを物にして値千金のプラスポイントの2着を持ち帰った。
ABEMASが絶好調なだけに、追撃する麻雀格闘倶楽部としては、ここ2週間の良いチームの雰囲気は、維持向上させていきたい。
2-3.サクラナイツ
岡田好調
渋川悔しい2着
1戦目を任されたのが、渋川選手。渋川・魚谷・佐々木・仲林戦において、寒さを感じるこの季節にドラを背景に裸単騎を決行する。
※.このプレイは、専門的な訓練を長年受けたプロの我武者羅なプレイです。周囲のプレイヤーの読みの精度が高まり、後続の追いかけリーチに対して、ノーガードとなり放銃率が高くなる危険なプレイです。アマチュアの方は、容易な真似をしないようにご注意下さい。
この危険を伴う気迫のプレイと親番の満貫自摸による加点で46100を確保した。その後の渋川選手が初トップを堅守するために守備を意識した固さがでてしまい、魔王寿人の逆襲にあったのは、残念だった。Mリーグでは、5万点以上のプラスでも終局するまで守備力を固めた上で、鋭い攻めを継続しなければトップは獲るのが難しいという事が表れた試合でした。渋川選手らしい攻撃参加や守備意識が表れ、状態も上昇してきているので、初トップは近い内に獲れるでしょう。
10月11日(火)の2戦目 東城・鈴木・滝沢・堀戦における堀選手は、均衡した点差において、滝沢選手のチートイツにみえないチートイツへの放銃が痛打だった。運が悪い事に裏裏が乗ってしまい、均衡した状態でこの裏裏の差が順位さにそのまま反映された4着となった。堀選手は、立ち上がりとしては、展開や手牌に恵まれず不調気味ですが、雀力が高いので大丈夫でしょう。
10月13日(木) 1戦目を任されたのが、開幕戦に3着ながら安定した精神力をみせていた岡田選手。鈴木優・松ヶ瀬・岡田・黒沢戦において、好調さをみせていた黒沢・松ヶ瀬選手に対して、多くのリーチと和了をみせて状態の良さをみせた。昨年のレギュラーシーズンには、初トップを獲るのに苦労した岡田選手でしたが、その苦労を経た努力が実になったトップだと感じます。
10月13日(木)第2試合 瀬戸熊・仲林・勝又・内川戦は超乱打戦だった。
リーチの総回数が21回、和了総回数が15回、放銃総回数7回、総局数が驚異の19回。そして、内川選手は、リーチ回数9回、和了回数3回、放銃回数1回の僅差の2着だった。平坦な試合の凡そ2試合分の局数を消化し、内川選手は2試合分の体力を消耗した。
内川選手の良さは、リーチ、ダマ、繊細な好守のバランスが持ち味なので、この試合はリーチ成功率が低く、少し冗長的な試合展開だった。
今週のサクラナイツは、1-2-0-1とチームワークを発揮してAクラスを堅守した。強敵ABEMASが驚異の伸びを魅せているので、サクラナイツとしてもAクラス堅守とABEMASの追撃態勢をみせていきたい。
2-4.雷電
瀬戸熊牽引
黒沢堅調維持
今週の雷電は、瀬戸熊選手が和了の鬼と化した1試合を含み1着2着とポイントを稼ぐ事に全力を尽くすNew瀬戸熊を披露した。
過去4年間の瀬戸熊選手は、
・面前リーチに拘る。
・手役(特に三色)に拘る
・ドラ及びドラ傍に拘る
とよく言えば超重厚又は一撃必殺、悪く言えば偏りのある麻雀を打っていた。このような麻雀は、リーチをして自摸和了すれば高打点でアマチュアファンを惹きつけ、興行的には面白い麻雀です。
各団体のタイトルを獲得する一流プレイヤーが揃うMリーグでは、
・リーチをする頃には、相手からの先制リーチを掛けられる事が多い。
・リーチ前後の放銃確率が増える。
・三色やドラに拘るから場況に反して、和了率が低下する。
・対戦相手からみて瀬戸熊選手は、リーチをすると怖いがリーチする迄は安心して良い。
・瀬戸熊選手は、聴牌速度が遅くリーチするまで放置して良い。
という状況が多数発生していた。2022年10月13日(木)第2試合の瀬戸熊選手は、
・鳴きもある。
・ダマもある。
・リーチもある。
・手役やドラに捉われず場況重視と和了率重視。
・場を静観(守備重視)している時もある。
※.出現していないが、ブラフ鳴きも今後でるかも?
と攻撃のバリエーションが多彩で、聴牌速度と和了率も向上しており現実的になっています。夢追い人だったのが、チームポイントを獲得するための超現実主義者になり、対戦相手にとって経験と合わせて非常に驚異な選手の1人なっている。
この局面なんかは、特に顕著だった。
重厚な瀬戸熊選手が4556の形から両面待ちの7mチー。
赤5mを見せないで相手に2900~5800の範囲もしくは12000と的を絞らせない工夫も見せている。和了点のバリエーションも増えた方が、対戦相手から鳴き仕掛けか満貫以上の本手かかわし手の判断が難しくなってくる。
元々タイトル数も多く、経験豊かな選手が拘りとプライドを捨てて、チームのためにポイントを稼ぐために集中している。今期の瀬戸熊選手は、昨年のような▲400ptsという事態は考え難く、ここ2週間の成績を維持できれば、成績上位陣に名を連ねる可能性がでてきました。
セレブ黒沢選手は、今週も好調を維持しており2連続トップを目指していたが堅調な2着を持ち帰り、チームとして貢献している。
本田選手は、枚数の多い方のチートイツ4p待ちを選択できていたのにも関わらず、不運にもリーチ宣言牌の7pを再び自模り瑠美選手への放銃となってしまった。未だ2試合程度なので心配する必要が無いだろう。
2-5.フェニックス
頼もしい東城
踏ん張り所のベテラン3人
今週のフェニックスは、1-0-2-1とマイナス1トップ分と東城選手のトップがチームを支えた週だった。フェニックスと同条件であるライバルチームABEMASと麻雀獲得倶楽部そしてサクラナイツがポイントを伸ばしているので、魚谷・近藤・茅森選手の3名の何れかが早い段階でポイントゲッターになりたい。
茅森選手のほぼ4着が確定していたオーラス。オコ顔鉄拳リーチが炸裂し、親の倍満を園田選手に直撃した。順位点を1つ上げ、素点を大幅に回復した場面は圧巻だった。
2-6.風林火山
耐えた瑠美
勝又踏ん張り所
今週の風林火山は、2連敗していた瑠美選手が3戦目に参戦された事が、Mリーグファンを驚かされた。過去2戦の試合状況を鑑みて少し間を取ってリフレッシュした方が良いと読んでいた所に、瑠美選手自身にとって非常に大きなトップを獲り切った。
このトップは、想像以上に大きいのは、開幕から3連ラスを喰らうと瑠美選手の精神状態が破綻し、他選手の出来の良さから今シーズンが泥沼にはまる危険性が非情に有った。それがトップを獲った事によりチームも瑠美選手も一息つけることが大きい。
松ヶ瀬選手の4着は気にする必要性が無い位、今後も好調を維持するだろう。勝又選手は気合いの2試合を参戦したが、4着3着と踏ん張り所が訪れている。
2-7.赤坂ドリブンズ
Mリーグ全ファンが泣いた園田
たろう堅調
赤坂ドリブンズは、全体のリーチ主体の乱打戦に巻き込まれ気味な週だった。選択が大きく間違っている状態ではないが、全体が乱打戦になっている時ほど技巧派集団としては、冷静な選択に心がけていきたい。
2-8.Pirates
トップが待ち望まれる
ここ2週間で新人Mリーガーの鈴木優選手と仲林圭選手の雀風が理解出来た。開幕前の予想では、仲林選手が暴れる君で手数が多い攻撃的な麻雀を打ち、鈴木選手がバランス的な麻雀だと思ったが、正反対だった。
鈴木優選手が、多少の放銃も覚悟の上で攻撃に積極的に参加する回数を多くするタイプであり、仲林選手は忍耐強く全方向に守備を考え、攻撃のチャンスを捉えようとしているバランス型だった。
今週のPiratesは成績としては、厳しい成績だったが、色々と好材料も視えてきた。特に、リーチ数21回もあった超乱打戦の瀬戸熊・仲林・勝又・内川戦においては、瀬戸熊選手と同様に仲林選手は非常に我慢強い打ちまわしを魅せていた。
この試合では瀬戸熊・勝又・内川の和了や打ち合いに熱くなったアマチュアファンが多くいるだろう。その好試合を成し遂げた背景には、仲林選手が悪い手牌の中、全方位に放銃しないように神経を張り巡らしていた打ちまわしを魅せていたからだ。私は、自称日本一の高い雀力を持つので、周囲が無責任なリーチを多く放つ前かがりプレイが多い中、短気にならずトッププロらしい我慢強いプレイを多く魅せていた仲林選手には、感動さえ感じた。
アマチュアのライト層の方々には、目の前の着順や起きている派手にみえるリーチや和了、ロンしたという事象だけに捉われる事無く、陰で悪い配牌でも好セーブを連発している選手達のプレイにも気が付いて欲しい。
新人Mリーガー達は、キラリと光る高度な好プレイを表現できているので、好転するタイミングが必ずあるはずなので、Piratesらしく焦らず積み重ねたい。
3.今週のMVP
今週のMVPは、1人の選手に絞り切れず3名います。
・雷電 瀬戸熊選手
鳴き仕掛け・リーチ・ダマ・点棒の優位性を確保してからの締め作業まで過去には考えられない位のゲームメイクが有り、非常に柔軟性があり幅の広い戦術をみせた。
・ABEMAS 多井隆晴選手
ドラや好形、そして5万点以上の点棒を最速最守備最強の多井選手に渡したら、周囲の選手が嫌になるほど完璧なゲームメイクを成し遂げた。今期もラス回避率上位に名を馳せる可能性が高く、隙あらば個人スコアMVPにも獲る可能性を感じさせた1試合だった。
・ABEMAS 白鳥翔選手
白鳥翔選手は、全方位に守備を意識した麻雀を打たれます。そして、Mリーグ5年目の白鳥選手は、ここ数年間は非常にプロらしいアマチュアでは気が付き難い好守備を魅せています。好守備をできる選手は勿論配牌が良いときの攻撃に関しても繊細さを持ち合わせており、上のシーンの69m待ちは、誰が放銃を回避できるのでしょうか?
★今週のMVP候補
瑠美、松本、佐々木、東城、岡田、瀬戸熊、多井、白鳥
4.今週のこの一手
Pirates仲林圭選手の間4p 自摸
瀬戸熊・内川・勝又選手の3軒リーチがぶっ放されている中、1人冷静に全方位に放銃しないようにそして聴牌系を維持し、値千金の満貫自摸を魅せたシーン。アマチュアライト勢には、仲林選手の立場になって、リーチ3名の捨て牌だけで推理して欲しい。このプレイをアマチュアで発生させるのは至難の業で有り、プロでも難しいと思います。
※.2週間連続で仲林選手がこの1手に選出していますが、個人的趣味で選出していません。非常に厳しい状況下において、非常に忍耐強いプレイが私には、精神的そして技術的な高さを感じます。
5.その他
今週の1週間の全試合を振り返り、このハイペースでレギュラーシーズン最終試合まで選手と運営者側は、持つのだろうかと思う。
選手や運営側そして視聴者の事を考えるならば、時間短縮の意味を含めて
・親番維持に関しては、和了時点に選択制(親番を流す権利)にする。
・オーラス親番に関しては、和了時点で選択制(ゲーム終了の権利)にする。
これだけのルール変更をするだけでも全体的なゲームの進行速度が増して、
1日20局以上のタイトなゲーム数を減らせます。今期は既に開催していて難しいかも知れないが、来期以降は関係者の終電を無くさない意味でも検討して欲しい。
来週の見どころは、ABEMASはぶっちぎるのか?継続するのか一息つくのか?が見所です。気温が下がって寒さが増してきましたので、読者の皆様は健康には十分ご注意して、楽しいMリーグライフをお送りください。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?