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10月8日 8回目の結婚記念日とノーベル物理学賞

結婚して8年ということは、妻と出会って付き合ってほぼ10年になります。割と客観的な視点が多い人生ですが、今日は主観的なことを書きます。

僕にとってこの10年というのは、初めてデスクとPCで仕事をし、webのキャリアを重ねて会社員になったプロセスでもあります。先月転職をして目標年収を上回りました。しかしこの10年、大きいプロジェクトをPMとして完遂した思い出はありますが、何かを達成した記憶がありません。なんなら去年今年と発表した新曲がよっぽど達成感はありました。

思えば、高校時代3年間部活をせずに、空手の突きを100回と日記を毎日欠かさず(欠かした時は後日補充)し、バランスを大事に考えて生きていた時代が最も充実していた日々でした。
その後の10年はフリーターとして社会で戦うための、試行錯誤の連続でしたので、無理が祟って身体を壊しました。
そして次のこの10年かけて安定した職を得て、きっとこれからも会社員としては何も達成することなくなんとなく効率の悪い作業をこなして消耗しながら生きていくんだろうと思いつつも、コロナ禍でテレワークが社会に浸透したのは大きな幸いでした。安定した収入によって何を求めていたかというと、そもそもは生活の安心感と家族を持つ責任感からでしたので、移動コストが減り、時間的にも体力的にも余暇が増えたからゆっくり考えることができました。
ああ、やっぱり会社に期待してはいけないのだなと既に転職1ヶ月で実感している次第です。AB型で左利きという最初から1%の少数派が、日本の同調圧力の中で馴染めるわけがそもそもないわけですからね。圧倒的な知能でぶっちぎれば良いのかもしれないけど、それも今更な話で。
それでも幼い20年前に考えていた自分の理想に、今になってようやく知識が追いついてきたように感じるのです。無論身体はついていかなくなりました。

高校時代の友人が、大手企業に勤めて海外赴任しています。優秀な自慢の友人です。彼等に、特に謝りたいと思っていることがあります。それは、離れて過ごして社会人になった頃に、助けてあげられなかったことです。
高校2年の頃、同じクラスで過ごした彼等との時間が、何よりも貴重で幸せな時間でした。それは今になってようやく、親父が昔話する様に、考えが至ることですが、僕と同じく繊細で個性的な彼等が、今でも愛おしくてたまらない。だから人は思い出に浸るのでしょうね。それは共感できない人と出会って孤独を感じるたびに、一層蒸し返されます。思い出はより美化されて「あの頃は良かった」と差が生まれるわけですね。

ハライチというお笑いコンビの岩井さんが「どんな仕事でもいいから澤部と一緒にいたかった」みたいなこと、あるいはグループを優先していれば、チームラボやオプティムみたいな組織が出来ていたかもしれない。僕があの頃「一緒に…」と言えていれば、もしくは少なくとも離れなければ、どんなに違ったかというのが、人生でもっとも後悔していることです。僕が最初に裏切ったからバラバラになってしまった。僕が欲張ってしまったし、何より人を巻き込む自信がなかった。勝手に全部一人で決めてきた。

でもやがて彼等がFacebook で、伴侶を得て家族で暮らしてる様子や、会社のイベントを楽しく載せてくれるので、幸せになってくれて良かったなーと心から思います。彼等は寂しさを吐露してくれていたので。僕に出来ないことを奥さんが支えてくれているんでしょうね。
また、ノーベル物理学賞を獲得したアメリカ人の真鍋さんが言うように、他人の幸せは願うけど観察したくない文化ならば、横浜駅でティッシュ配りしてくる人相手に、毎回頭を下げてお礼を言いながら断る繊細な人が、東京本社に来て自粛警察の餌食になる未来を考えたら、海外赴任に背中を押してくれた奥さんへ盛大に感謝した方が良いのかと思います。僕は今更寂しいけれど(どうせ長いこと会っていなかったのに)、良い状態に気づくことはとても貴重なので、彼等はもうチャレンジより継続を選ぶフェーズなのかと。まあ僕とは違うので、それが杞憂で、日本で近くで活躍して、時々会ってくれたらなお嬉しいのですが。

彼等も20代苦労していたけれど、僕としても長いこと、ほとんど上手くいかなかったのが実際です。一人で生活するのが大変で、全然余裕がなかった。音楽活動なんて紹介されたボランティアしかやってない。なのにつまんね〜奴に成り下がってた。ごめんね。そして僕は今もこれからも、会社に馴染めず苦労すると思います。まあその辺、僕等だけじゃなくて、多くの人が苦労してるのを知っています。ていうかいやホント、日本社会の不自由さってなんとかならんもんかね?

それにしても今の妻と出会えなければここまでの考えには至らなかったので、単身上京して偉大な先生方に会えて、妻と出会うきっかけを与えられたことは何にも変えがたい事実で、幸福です。僕が何より望んで選んだ唯一無二の存在です。
結婚記念日に特別なことがなくても、週末近場の横浜をドライブして、海を見ながらお茶をして、膝でウトウトする犬たちとゆっくりする時間を一緒に楽しんでくれるので、本当に幸せだなと思っています。

まあでもせっかくだから、空き時間に作曲ぐらいは続けようかなぁ他に何かないかなあ

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