猫がつぶやく45 『 扉 』
2018 / 12 / 14
俺ぁつくづく嫌になるぜ。
何のことかってぇ?
扉のことだよ。
主人が部屋に入った時に一緒に入ったんだよ。
そしたらよ、クローゼットが開いてるじゃねぇか。
入りたくなるだろぉ。
しばらく探検だ。
そしたらよぉ、急に暗くなっちまったのさ。
つまり、閉じ込められちまった、ってことじゃねぇか。
「 ニャーオ! ニャーオ! アーオン!アーオン! 」( おいおいおい! 俺がここにいるんだぜ! なんてことをしてくれるんだい! いったいどうなっちまってるんだよ! )
必死に鳴いたぜ。
ところが、何の気配もねぇ。
だが、こんなことで諦めるわけにゃいかねぇ。
体力を消耗するわけにゃいかねぇからな。少しずつ鳴いたぜ。
「 ニャーオ! 」( おーい! )
「 ニャーオ! 」( 俺はここにいるよ! )
と、クローゼットの扉が開いた。
「 ニャーオ! ニャーオーーー! 」( あんた!なんてことをしてくれんだよ! )
今日の主人はいつもより優しかったぜ。
お宅の猫は、どこかに閉じ込められたことあるのかい?
じゃあ、またな。
( フリー画像をお借りしました )