【ベガルタ仙台 選手採点】2024J1昇格プレーオフ 決勝 ファジアーノ岡山
ついにプレーオフ決勝の時。年内最終戦です。
今シーズンはここまでリーグ戦全試合で選手採点を続けてきましたがこれが最後ですね。
さあ、最後の一戦もしっかり描き上げます。
ということで、さっさと今節のレビューへ移ります。
レッツゴー仙台!
前回の対戦詳細(第23節)
ベガルタ仙台
前回プレーオフ初戦は長崎相手に4-1で勝利。誰が予想したか、アウェイで完勝。1点は失ったものの、4得点はチーム最多。
勝つしかない一戦でまさかの大勝で決勝に向かいます。
決勝の相手はファジアーノ岡山。
今期の対戦では2戦2敗と苦手の相手。2試合ともに内容でも完敗している相手です。その相手に勝たなければJ1昇格できない、しかもアウェイ開催という過酷な条件ですが、戦前から決まっていたことなので今さらそれについてどうこう言わない。
今季3バックを敷く相手にはシステムの組み合わせもあり、苦手にしている傾向があります。岡山も3バック。しかもリーグ2位の失点の少なさ。
森山監督の言葉を借りれば、『岡山は守らせたら天下一品』
そんな岡山の堅牢な守備を崩して、相手より多くゴールを上げないことには道は切り開けません。
長崎戦が終わってから1週間もない準備期間の中でどこまで岡山対策が練られているか、またそれを遂行できるか。ここが勝負の分かれ目でしょう。
STARTING11&SUBS
スタメンはプレーオフ初戦と同じ11人。
リーグ最終節から変わらぬ11人だけど、この点は異論なし。
サブでは松下に代わりマテウスモラエスが入りました。終盤のパワープレイも考えてのことでしょう。
これが仙台のユニフォームを着て戦う最後の姿となる中山仁斗もベンチです。
ファジアーノ岡山
4位山形とのプレーオフ初戦に3-0と完勝。
仙台同様、アウェイで勝つしかない状況下で大差をつけての勝利。相手に負傷者がでたり、さらに後半には退場者が出たようですが、1人少なくなる前に2点取ってたし、そんなにそこは影響がないでしょう。
決勝の相手が6位仙台になったことで、5位岡山がホームでの戦えることになりました。
山形戦後のインタビューで木山さんが『決勝の相手が仙台になりました』という話を振られたときに、驚いた表情をしていたのでまさかホームで仙台と戦うとはそのときには1ミリも思ってなかったんだろうなと思います。(順位とレギュレーション考えたら、それは妥当なのでそこには突っ込まない)
岡山から見れば、対仙台は2連勝中、さらに直近3年に遡っての対戦成績でも6勝2分、負けなし。さらにシティライトスタジアムでは仙台はノーゴール、つまり岡山は無失点中。どのデータを引っ張ってきても岡山に有利な情報だらけ。
しかも岡山の将、木山監督は2020年シーズンで仙台の監督でした。
当時はJ1で結果を残せず、いまでも仙台サポーターの中にはその当時のことを引っ張ってきてグチグチいう人もいます。
(当時の仙台のヘイトをぶつけられていてかわいそうなと思うこともありますが、成績は事実なので過剰に擁護することもないけど)木山監督からしたって仙台については良い印象は持っていないはず。それぐらいバッシングがひどかった。
その仙台を相手にJ1昇格プレーオフを戦うことになったのは何の因果か。木山監督からすれば初戦の山形に続き、かつて自分が率いたチームと対戦するという出来過ぎなストーリー。絶対勝ってやりたいと内に秘める思いは高いはず。
岡山は勝てば初のJ1昇格。大勢のサポーターの声援を背に戦えて、さらに引き分け以上で昇格というアドバンテージもある。
これ以上ないJ1昇格のチャンス。ここで燃えないわけがない。
STARTING11&SUBS
スタメンは山形戦から1人が入れ替わり。
ボランチの藤田息吹に代わり、輪笠が入りました。
対岡山といえば、ダブル柳とルカオのゴリゴリ組を苦手にているイメージなのですが、彼らは揃ってベンチスタート。
彼らが出てくる前に試合を決めておければベスト。
特にルカオは仙台が苦手にしているタイプ。菅田が吹っ飛ばされてちぎられたあの光景が今でも脳裏に思い出されます。
仙台としては0-0ではダメとは言え、失点を許してしまうと2点が必要となるためまずは失点せずに0-0で行く時間を長くして高い位置でボールを奪ってショートカウンターで仕留めたい。
逆に岡山は仙台に攻めさせてカウンターでひっくり返して得点を挙げられればというところでしょう。1点取っておけばかなり有利になれる。
先制点がどちらのチームに入るか、重要な意味を持つ試合といえます。
戦評
前半の早い時間に失点、さらに後半もこれからという時間に失点を許し、0-2で敗戦。惜しくもJ1昇格を逃しました。
とはいえ、試合内容が完敗だったのでそこまで悔しさはない。
岡山にはこれで今季3連敗、1勝も挙げられなかった。岡山の堅守を崩せずしてJ1に上がったところで、J1の猛者たちに勝てる要素もないわけで。悔しさはあるけど、諦めもつく試合でした。
力負け。これにて終戦。というのが素直な感想。
試合を振り返ると、長崎戦に比べて仙台の選手たちの表情はやや強張っていたように見えました。それは岡山の選手たちも同様だったけど。まあこの状況ならそれは致し方ない。
序盤は両チーム、ロングボールを前線に送りそこから二次攻撃といった様相。特に岡山は仙台の前線がプレスに来たら、後ろで回すことなく、迷わず
前線に放り込むというのを徹底していた。なのでボールは仙台陣内に留まることが多く、仙台は初手であるプレスが無効化されるのでやや窮屈そうだった。
そしてその中で早くも先制点を許してしまう。
岡山のエリア内の侵入を防ぎ、クリアしようとしたボールがもつれて末吉の
前にこぼれてしまう。そのボールを末吉がダイレクトでループシュート。
きれいな放物線を描いたシュートはそのままゴールに吸い込まれてしまい、失点。この失点は防ぎようなかったと思われる。
映像で見ると、GKの林が前に出ているが、その前の侵入に対するポジションとして考えれば妥当。シュートを決めた選手を褒めるべき。
仙台からしては絶対に与えたくなかった失点を早い時間に許してしまったわけだが、あと70分以上ある。
時間はたっぷりある、落ち着いてボールを回していきたい仙台なのだが、このゴールで勇気を得た岡山が積極的に前線からプレスをかけてきて一服する時間を与えない。
そのため、仙台はビルドアップでの時間がかかってしまい、なかなか前線に運べない。そしてビルドアップでプレスを交わしても、今度は岡山の堅牢なブロックが待ち構えている。
左右にボールを回しながら、ブロックのほころびを探すがそこは岡山の選手たちの集中して守り、エリアの外でボールが行ったり来たり。
それを拾われてカウンターを食らう場面もあった
前半はそんな感じで0-1で折り返し。仙台のチャンスはセットプレーで中島がシュート打ったぐらい。岡山のペースで進んでいた前半だった。
後半、2点を取らないといけない仙台はエロンに代えて、オナイウを投入。消えている時間が多かったエロンが交代するのは納得。オナイウのスピードを生かしてディフェンスラインを崩してまずは同点に追いつきたい。
オナイウが最前線に入ったことで岡山のディフェンスラインの裏にボールを放り込む仙台。それによって岡山のディフェンスラインが下がる→中盤のスペースを生み出す作戦で息を吹き返した仙台は追いつくために攻撃のギアを挙げる。
その展開からこの日最大のチャンスを迎える。裏に抜け出したオナイウがGKとの1対1を迎え、狙いすましたシュートを放つが相手GKは名手ブローダーセンである。案の定の好セーブでオナイウが放ったシュートは枠を外れてしまった。
チャンスの後にはピンチあり。
この後、天敵ルカオを投入してきた岡山。この交代が大当たり。
ルカオ劇場となってしまった。ルカオのスピードと身体の強さに仙台守備陣はタジタジ。後半開始からは仙台の流れだったが、ルカオが入ってからは一気に流れを持っていかれてしまったのが一目瞭然だった。
そして、痛恨の2失点目を許してしまう。
左サイドからカットインしたルカオを止めるべくマークに行った工藤が吹っ飛ばされてしまい、最後はルカオがフリーで上がってきた本山へ優しいパス。エリア内でフリーとなった本山が打ったシュートは仙台ディフェンダーにあたったもののゴールに吸い込まれて2失点目を許してしまう。
この失点で事実上、勝負あった。
ルカオを止める手立てがない、のは外から見てるのも明らか。
むしろこの後、よく3失点目を許さなかったというぐらいである。
この試合で最大の衝撃はルカオのパワーだったといっても過言ではない。
仙台の選手たちもあきらめず1点を追いかけたが、時間の経過とともに失速。1点差ならともかく昇格には3点が必要なわけでそれが諦めとなってしまう気持ちはわかる。ただ誰一人としてあきらめずに走り切っていた点は好感が持てた。
そして試合終了の時を迎える。
0‐2で敗戦。岡山のJ1初昇格が決まった、と同時に仙台の来期J2での戦いも決まった。
岡山に関しては、素直におめでとうです。
上にも書きましたが今シーズン1回も勝てずに3試合とも完敗では何も言えません。木山さんも初めてプレーオフを突破できてよかったね。J1初勝利目指して、来年頑張ってください
仙台の選手たちには今シーズン、ここまでこれたことに拍手を送ります。
シーズン前にはプレーオフを争う順位でフィニッシュ、良くてプレーオフ進出(でも初戦で敗退かな)と予想してました。
まさかプレーオフで1回勝って決勝戦を迎えられるとは思ってもいませんでした。
ここまで連れてきてくれてありがとうございます。
というのが素直な気持ちです。
しかも今シーズンは戦い方も素晴らしかった。
ピッチにいる選手たちが、試合終了の笛が鳴るまであきらめずに走る切る姿をシーズンを通して見せてくれました。
これは応援する私たちの心を揺さぶってくれました。
これだよ、これ!俺はこういうチームをサポートしたかったんだよ!
どん底だった去年からよく立ち直ってここまで来てくれました。
監督をはじめ、スタッフの皆さんの手腕もさることながら、選手たちもその期待に応えてくれたこそ生まれた新しいチーム像だったと思います。
この2024年シーズンが次のベガルタ仙台を作る礎となった一年だと思います。本当にありがとうございました。
採点評価
0-2の完敗なので、点数は辛めです。
MOMはオナイウ。枠を外れてしまったとはいえ、この日最大のチャンスを生み出したのは彼のスピードからでした。
逆にオナイウ以外は全員が同じ点数。低調でした。
奥山は珍しく守備に苦戦していました。岡山にサイドで数的有利を作られてしまってどうしようもなかったのもあるけど。
その他のディフェンス陣もどうしてもルカオに対する対応の印象が強くて点数が下がる。
攻撃陣もパッとせず。中島と郷家を中心に攻撃を組み立ててはいたけど岡山の守備を崩すには至らなかった。
GK 33 林 彰洋 5.0
DF 25 真瀬 拓海 5.0
DF 22 小出 悠太(76'OUT) 5.0
DF 5 菅田 真啓 5.0
DF 32 奥山 政幸 5.0
F 17 工藤 蒼生(76'OUT) 5.0
MF 10 鎌田 大夢(65'OUT) 5.0
MF 11 郷家 友太 5.0
MF 14 相良 竜之介(65'OUT) 5.0
FW 7 中島 元彦 5.0
FW 98 エロン(46'OUT) 5.0
MF 27 オナイウ 情滋(46'IN) 5.5
MF 6 松井 蓮之(65'IN) 5.5
MF 24 名願 斗哉(65'IN) 5.0
FW 9 中山 仁斗(76'IN) 5.0
MF 39 石尾 陸登(76'IN) 5.0
監督 森山 佳郎 4.5
プレーオフというのは置いといて、同じ相手に3連敗、内容も全部完敗というのは評価を下げました
あとがき
やっとシーズンが終わったと思ったら、きょう12/13には来シーズンの開幕カードが発表されるんですよね。
やった!一年間、書ききったぜ~と余韻に浸る間もないのかよ。。
さてこの後ですが、
すでに契約更新だったり、契約満了・移籍の話題が出てしますが個々の話題には触れるのは新体制が決まってからにします。
来シーズンのことは来年になったら触れる!
ということで、年内は今季の振り返りをしたいです。
毎週採点付けてるので、年間見たらどうだったのか、とかベストゴールとかの話題を数回書いて終わりかなー。
あと2回は更新できるように頑張ります。
絶対見てくれよな!