何が誠か。
幼い頃に憧れていた誰かに、今の僕は全く近づけていなくて。大人になって、幼い頃の憧れを抱くことすら馬鹿らしいと思う毎日で、少しやっぱり寂しくなって。
これまでの自分を否定されたくなくて、今の自分を必死に肯定しているのだけど、でも残るのは、ちょっとした自己満足と疲労感。空虚ではないんだけど、でも、求めてしまう。今手にしているものが幸せだとはわかっているのだけど。
誰かの幸せの一部を担うことが幸せで、きっと幸せは、その個人だけでは完結するものじゃなくて、だからこそ、自分の今までの全てを共有することで前に進めてるんだろうと思うけれど、だからといって、現状が全てというわけでもなくて。だからこそ、この一瞬に光る花火の様な華やかさを求めているのかもしれないなぁと思ったり。
「何事も皆偽りの世の中に 死ぬるばかりぞ誠なりける」
漫画「シグルイ」の一節であり、元を辿ると、あの有名な一休さんの句。みんな自分を正当化させるのに必死で、偽りも誠も全てが一つの鍋に入ってグツグツと煮込まれてる。でも、「死」は平等に訪れる。それを終わりとみるか、通過点とみるか、始まりとみるか。
僕は何かを残して、「そこ」から始まる風景を見てみたいのかもしれないな。完全に強がりで、幼い頃の憧れとは全く違うところにいるからこその負け惜しみなのかもしれないけれど。
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