見出し画像

秋の版画展『リカバリー』 10/1〜14

展示会のお知らせです。

2024年10月1日より14日まで、秋の版画展『Recovery(リカバリー)』を、盛岡の老舗雑貨屋『ござ九・森九商店』の蔵をお借りして開催します。

ござ九とは?

「ござ九」という名前と場所に馴染みがない方のために、簡単にご紹介します。

ここは江戸後期から明治期にかけて建てられた盛岡の商家であり、古くからの町屋建築を現代に伝える場所です。今も昔と変わらず、竹細工のかごなどの生活雑貨や、伝統的な日用品を取り扱っています。建物は盛岡市の保存建造物にも指定されています。


ござ九 入口


蔵への入口

歴史と伝統を宿す蔵の中は、通常は非公開の場所ですが、今回展示のため特別に開放されます。いつ来ても思うのは、街なかにありながら、その喧騒を遮断する静けさです。こころを鎮めてくれるような、静謐な空気がいつも流れていて、建物に守られているような感覚を覚えます。


中庭。この展示風景は2017年のときのもの。

店舗から蔵へと向かう途中には中庭があり、ぽっかり空いた空間から青空がみえます。隣には東北電力の鉄塔もみえますね。


中庭上空


立ち止まる絵画


本展メインビジュアル

さて、ここからは展示のご案内です。

この展示会では、孤独を受け入れリカバリーへと向かう過程をつうじて、矮小化されたひとの姿とひとが立つ環境が繰り返し描かれていきます。その環境は時に灯火のようにうつくしくもあり、荒野のように暗くもあります。環境への適応や逃避は、多くのひとが日々行なっていることですが、わたしはそのなかでも立ち止まる、という行動につよく惹かれています。それは立ち竦むことかもしれませんし、胸を打たれることかもしれません。こころの働きを比喩的に表現した状態とも言えます。いずれにしろ、わたしは立ち止まることを肯定的に捉えています。そこには世界の姿を自分自身の感性で捉える時間が流れているように思うからです。

展示作品は、そんな立ち止まるシーンを中心に、日常における困難をファンタジックに昇華してきた版画作品が並びます。もとはデジタルアートですが、それをジークレー版画という高精細なプリント技術でそれぞれ引き立たせています。

機会がありましたら、作品を観にぜひお越しいただけましたら幸いです。


展示予定作品 Dream Light | Atsushigraph (2023) / digital art, giclee print


それからもうひとつ。蔵の中では、プロジェクターを使いこれまでに制作してきたモーショングラフィックスを上映する試みも行おうと準備をかさねています。

静止したものと、動的なものが共存する空間を、ぜひお楽しみください。

ふらりと訪れたとき、静かに環境に身を委ね、こころの内側で立ち止まるゆとりを感じてもらえたら、と思います。

展示概要

秋の版画展『Recovery』

期間:2024年10月1日(火)〜14日(月)
   *6日 (日) はお休みします。
時間:8:30〜17:30
場所:ござ九・森九商店
   〒020-0885
   岩手県盛岡市紺屋町1-31

個展の特設ページもつくりました。
ご興味がありましたらチェックしてみてください。
展示予定のモーショングラフィックスも一部、ちゃっかりご覧になれます。

いいなと思ったら応援しよう!