Atsushigraph
折にふれて考えていること
これまでに描いてきたアートワーク
展覧会やお仕事など、活動のおしらせ
今年秋の個展を終えてから、あまり人とも会わず、創作の探求に分け入っていました。何かを語らず、発信もせず、自分の中に滞留させておける時間というのは至福ですね。他人の評価や批評を気にせず、ああでもないこうでもないと表現を更新していける自由と気楽さがあります。でも分け入れば分け入るほど、時に「自分はどんな感情を持って絵に向き合っていたのか」がわからなくなり、目指す方角が定められなくなることも。 収拾がつかなくなりかけた最中、地元で今年の初雪が観測されました。11月7日の夜遅くの観
個展6日目。 この日、観光であちこちをまわっているという方がふらっといらっしゃいました。その方は生け花の草月流に所属されているといいます。私はその方に対し、じぶんの作品について、「私は3DCGの空間上でコラージュの技法を使っているんです」、というお話しをしました。するとその方から、「私のやっている生け花にもいろんな技法があって、コラージュもあるんですよ」という思いがけないお返事をしてくださいました。 生け花にコラージュがあるんですか!と驚きましたが、さまざまな技法や手法を
個展『Recovery(リカバリー)』4日目が終了しました。雨の影響もあってか、今日のご来場者はまばらでした。いつになく静かな蔵のなか。人が来ないならと、制作の一部を空き時間に行いました。PCとスマホさえあれば、ネット環境がなくとも、どこででも創作ができる喜びを噛みしめました。 蔵の階段脇にかけられたベージュのカーテン。この模様が、ずっと気になっていました。今日はこの模様を、創作の種とします。 この写真を同じもので4枚連ね、方向を整え、コラージュします。 横にします。
個展『Recovery(リカバリー)』3日目が終了しました。水・木曜日は基本的にご来場が少ないのが普通ですが、正午頃と午後3時をピークにさまざまな方にご来場いただけました。 会場である「ござ九」さんのネームバリューかもしれません。 お越しくださったみなさま、ありがとうございました。 ご来場された方が揃って訊かれるのが、ジークレー版画という技法について。いまでこそデパートや百貨店のギャラリーでも「ジクレー」の名で取り扱われることもあり、すこしずつ認知されていますが、それでもま
個展『Recovery(リカバリー)』2日目が終了しました。 この日、群馬から観光で盛岡を訪れてくださった方がいらっしゃいました。本展のメインビジュアルについて、「小さく書かれた言葉を読むと胸がいたむけれど、それだけで終わらず、(明かりが灯る描写をみながら)前向きな感覚があるのがいいと思いました」と目をうるっとさせながら語ってくださったのが印象的でした。 少しでも心を動かせたこと、また感情がつうじたことが大きな喜びとなりました。 会期が始まる少しまえ、「アートで食ってい
個展『Recovery(リカバリー)』1日目が終了しました。 お越しくださったみなさま、ありがとうございました。 今日お越しいただいた方のなかで、人気だった作品をこちらでご紹介させていただきます。 spot マップアプリのピンマークをモチーフにした『spot』。粗密の模様をあしらって、あちこちにドロップしました。お気に入りのスポットは、この世界にあればあるほどいいという、少し欲張りな想いに寄り添います。さまざまなお気に入りの場所の合間を、ひとが心地よく渡っていきます。
精神の不調が唐突に訪れた昨日。常に我慢と無理を強いてしまう私はこのことばを思い浮かべました。 無力感と焦燥感、そしてつよい緊張と不安に押しつぶされそうな時間からの回復を辿る過程で、もっとじぶんの快適さに忠実になってもいいのではないかと考えたのです。 以前なら、しんどい環境や心理をそのままにして、原因を必死に詮索していたと思います。でもじぶんの中で問い詰めず、わからないものはそのまま保持するということも重要な対処だと今は思います。 心理的に負荷のかかった状況では、主治医から
明後日から開催する個展の準備に追われる日曜日。 会場にて、作品ご購入用のQRコードをご提示する予定なのですが、それのリンク先としてのウェブページを今日の午前中まで制作していました。 文章のライティングから作品写真撮影、編集、時にはコーディングもし、公開まで行うことは、じぶん一人で誰かへ届けきるという意味で大変なことですが、そのぶん充足感もあります。 展示会などでのわかりやすい反応として、売約に繋がったときは、すべての労力が報われる喜びがあります。 純粋な作品制作だけで
何かを受け取り、折にふれて想い、それをひとは書き留めます。じぶんを主語にして、主体的に書く営み。他人のせいにせず、じぶんに問いかけていく営為を想いながら描きました。反射する地面と鮮やかなバルーン。じぶん自身を見透かす透明性と、思考を深めていく可能性を象徴しています。 title : Dreaming Writer year : 2024 style : 3dcg, collage, drawing, handwriting
不安はどこまでも連鎖する。 じぶんを見透かす、強い眼差し。主観の中にたしかな客観をつくれたら。 バテてもまだ諦めていない。 情報の洪水に、こんな傘はいかが。 ことばをことばで塗り替える。上書きしていく。 怖がられても、生き物たちは分け隔てがない。あたりまえのように。 棘に埋もれても顔を出す。素顔を忘れてしまわぬように。 あとがき: 私は不安があるのが普段になってしまっているので、不安が現れた絵を描いていてもそれに気づけないという弊害を抱えている。感度が鈍い。で
制作活動をしていて、ながく苦悶し、一定の方向性を見いだした現在でも悩みつづけていることが、タイトルにある「障がい」というじぶんの特性をどう扱うかということです。 現在の指針(仮)いま持ちうる仮の指針としては、ひとには数多くの属性があり、障がいもまた日常的に困難を抱えているとはいえ、ひとつの属性に過ぎないという視点です。ソーシャルメディアでつけるハッシュタグのように、いくつも付けられたり自ら付けたハッシュタグの中の一つに障がいもあり、それ以上でもそれ以下でもなく、特別扱いもし
展示会のお知らせです。 2024年10月1日より14日まで、秋の版画展『Recovery(リカバリー)』を、盛岡の老舗雑貨屋『ござ九・森九商店』の蔵をお借りして開催します。 ござ九とは?「ござ九」という名前と場所に馴染みがない方のために、簡単にご紹介します。 ここは江戸後期から明治期にかけて建てられた盛岡の商家であり、古くからの町屋建築を現代に伝える場所です。今も昔と変わらず、竹細工のかごなどの生活雑貨や、伝統的な日用品を取り扱っています。建物は盛岡市の保存建造物にも指
絵画をつくることのひとつに、安心を求めている自分がいるという洞察を、ChatGPT (以下GPT) との対話をつうじて得たことがありました。アートについて思考する際の壁打ち相手になってもらい、何度も問いや解釈を行ったり来たりさせていた日々。その過程で、「感情と記憶の反復」というフレーズが提示され、内省の材料となりました。 このフレーズが出てくる少しまえに、わたしは「何度も味わいたい気分を残すことも、自分が絵画をつくる目的のひとつになりうる」という趣旨のことを書き込んでいまし
はじめまして。わたしはアツシグラフ(Atsushigraph)と申します。 地方都市ながら、有名無名問わず美術・アートが盛んな盛岡という場所を拠点に、絵画をつくっています。 3Dモデル、ドローイング、写真などの媒体をデジタルな三次元空間にコラージュしていく手法でデジタルアートを制作し、ジークレー版画などのフィジカルな作品に仕上げています。ほかにモーショングラフィックスやウェブコーディングなど、視覚芸術にまつわる分野を探求しています。 Atsushigraphのウェブサイ