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急拡大する音声UIと個人情報
日経電子版の記事【アマゾン「アレクサ」眼鏡や車にも 米IT、音声AIに力】は、ほんの1年ほど前まではその普及に半信半疑な向きもないではなかった音声UI(ユーザー・インターフェース)を利用したデバイスが、家電から自動車、ウェアラブル・デバイスへと急拡大している状況をリポートしています。
そもそも、音声は人間にとって最も自然なインタラクションであり、音声UIであらあゆる機器を操作できるようになれば、その利便性は大きく、音声UIを搭載したデバイスの優位性は明白です――
▶音声UIの主なベネフィット
① 声さえ届けば、離れた所からでもスピーディーに操作できる。
② ハンズフリーに操作できる。
③ 複雑な操作手順を知らなくても言葉で操作できる。
強力なベネフィットに裏打ちされた音声UIが、その普及のスピードと範囲は別として、あらゆるデバイスのあらゆるUIに置き換わっていく流れが予測されますが、そこで問題となるのが、記事にもあるように、AIが音声を解析するために収集された音声履歴という個人情報です。機器を操作する度に、その音声記録が収集され、その時の状況や感情も絡めて多角的に分析されるとすれば、あまり気持ちの良いものではありません。
その個人情報の①利用や、②利用のされ方、③個人が特定されない形式なのか、さらには、④そもそもそのデータをクラウドに送信するのか、といった基本的な問題の決定権は個人に属するはずです。音声UIを搭載したデバイスにおける音声履歴のデフォルトでの処理は、自動消去がスタンダードではないでしょうか。さらには、テクノロジーの進化と共に、音声情報をクラウドに送信する必然性が低減していくとも考えられます――
▶エッジAIの拡大
① あらゆる人々の、あらゆる機器の、あらゆる音声での操作をクラウドで
処理するのは、様々な面から(大規模障害時の対応・遅延・送信コスト、
など)無理があるのではないか。
② データをクラウドとやり取りせず、セキュアかつリアルタイムに処理
できる音声AIのエッジコンピューティングの方が、インターフェース
としては好ましい。
③ どんなに先端的なテクノロジー、プロダクトも、やがてコモディティ化
し、クラウドに送信しないで+バッテリーを食うこともなく+高性能+
低コストなエッジ音声AIの開発が進むのではないか。