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スマート化する工場と人間の役割

 日経電子版の記事【富士フイルム、内視鏡の「スマート工場」建設】や【[FT]自動化の新たな波「コボット」で進む産業変革 】は、AI、IoT、そしてロボットのテクノロジーを駆使して効率化されていく工場、スマート工場の姿をリポートしています。



 記事などから浮かび上がってくるその大きな流れは――

▶工場におけるAI・IoT・ロボットの活用

(1)AI+IoTの活用

  ①『生産状況の見える化』・・・工場の機械などあらゆる所にセンサーを
   張り巡らし⇨生産状況・稼働状況などを収集・分析し⇨生産能力を
   高める。

  ②『外観検査などの自動化』・・・目視で担っている工程などをAIで自動
   判定できるようにする。

  ③『生産現場の見える化』・・・熟練者の動線・目線などの作業情報を
   データ化⇨若手教育・技能継承に役立てる。

(2)ロボットの活用

  ④『コボットとの協働』・・・コボット(コワーキングロボット)が
   熟練者を補助する。



 人手不足や熟練者の高齢化などが進行する中、いかにして匠の技を継承し高度な生産を維持・発展させていくかという事は、生産現場の最重要課題の一つに違いありません。上記のようにAI・IoT・ロボットを活用して効率化を図ることは、その有力な解決策ですが、忘れてならない課題もありそうです。スマート化が進行する工場における人間の役割です――

▶スマート化が進行する工場における人間の役割

(1)『自動化の精度向上』・・・どんなに自動化が進んでも、工場のライン
   が自分でに勝手に動いてラインを作り変える訳ではありません。一度
   作った工場のラインをさらに効率化させるために大きく作り直したり
   細部まで『カイゼン』を加えていくには、ラインの問題点を洗い出し
   解決策を探る人間の力量が問われることに変わりはない、と考えられ
   ます。

(2)『匠の技』・・・AI・ロボットに学習させる『匠の技』は、AI・
   ロボットに継承させれば忘れ去られてよい、というものではないはず
   です。手本となる『匠の技』は、人間によって継承され磨き上げて
   いく必要があるのではないでしょうか。その為には、敢えて手作業を
   残したライン、訓練用のラインのようなものを存続させる必要がある
   かも知れません。

(3)『人間の得意分野』・・・効率化が進めば進むほど、人間にしかでき
   ない繊細で複雑な作業の重要性が増すはずです。人間だからこその
   得意分野、人間がやった方が良い作業分野を模索し見極める必要が
   ありそうです。



 今、工場の現場、生産現場では、社会やビジネスなど、他のあらゆる現場と同様に、AI・ロボットとの協働のあり方が問われているようです。


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