地元でも買えるのに、なぜ銀座で買うのか?
この記事【憧れの美、銀座でかなえる 気づかぬポイント助言】は、『買物』という体験において、『助言』というものがいかに重要か教えてくれます。
人は、同じ化粧品が地元でも、あるいは通勤の途中ででも買えるのに、何故、わざわざ銀座で買うのでしょうか?
華やかな銀座で買物を楽しむ、というのもあるかも知れませんが、もちろんそれだけではないはずです。この記事や、少し前に出た日経電子版の記事【資生堂のエース美容部員 出勤日の問い合わせ相次ぐ】(本稿末尾に添付)などから分かる事は、お客様が、商品と一緒に情報も買っているという、見落としてはならない現象です。
▶お客様の買物体験=商品を買う+情報を得る
お客様は、銀座という特別な地で、トップクラスのBC(ビューティーコンサルタント)から価値の高い情報、『助言』を得たいのです。
確かに地元でも買えるかも知れませんが、お客様は、①本当に自分の悩みや要望に合った商品だと納得して買物したいし、②BCとの会話を通して、自分では気付かなかった自分にピッタリの商品を発見したい、と思っているのです。お客様がわざわざ銀座で買うのは、BCとの会話を通して自分だけにパーソナライズされたビューティー情報をゲットして、その情報に見合った商品を納得して、満足して購入したいがためなのです。つまり、銀座というのはあくまで象徴的な意味で、お客様は、会話して楽しく、信頼できるBCを常に探し求めているといえます。信頼できるBCがいるお店のある所が、お客様にとっての『銀座』となります。
その意味で、この記事で紹介されている接客術は素晴らしいと思います――
▶お客様に価値ある『助言』をするには……①「お客様に楽しい思い出を残してもらえるような接客を心がけている」・・・お客様に買物という体験を楽しんでもらう、という接客の目的を忘れない。②「顧客の要望に耳を傾ける」・・・お客様の要望をそのまま受け止めるのではなく、お客様自身が気付いてないかも知れない要望を見付けるために、会話を通してお客様のイメージを深堀りしていく事が大切。③「お客様のイメージとは違う商品になったが、それがぴったりな場合もある」・・・お客様のご来店時のイメージという『初期値』を、会話を通して『ブラッシュアップ』したイメージにすることが、『助言』。その為には、お客様の要望を見える化、明確化するには、様々な切り口からお客様に質問するスキルが必要。
記事でも指摘されているように、ネット通販や口コミ情報がどれだけ普及しようとも、自分にピッタリな化粧品を見付けるには、BCの『助言』に勝るものはないはずです。BCという存在は、顧客にパーソナライズされた情報を提供するという、リアルの強みそのものを体現していると言えそうです。
https://style.nikkei.com/article/DGXKZO34299680X10C18A8H53A00?channel=DF240820172859
https://style.nikkei.com/article/DGXZZO22173180S7A011C1000000?channel=DF240820172859