ハンバーガーとSDGs(持続可能な開発目標)

 食の健康を考える時、何か特定の食品を指してジャンクフードと定義し、それさえ食べなければ大丈夫という考え方は、いかにも短絡的だと思います。大事なのは質と量のバランスですから、所謂ジャンクフードでなくとも、特定の食品ばかり偏って食べていては、健康を損ねます。ジャンクフードと言うより、かたよった食生活こそが問題なのです。それは、意識して(強い意志を持って継続的に)改善しないと食生活は変わらない、という事です。何も考えず嗜好のままに任せていては、何も変わりません。

世界保健機関WHOが、肥満問題を今世紀最大の公衆衛生上の課題の一つと捉える今、食生活を改善するという事は、個人を越え、国や企業といった組織も含めた社会全体で解決しなくてはならない問題となっています。記事にもある通り、2013年からヘルシーメニューに取り組んできた米マクドナルドが、今回新たに子供向けメニュー「ハッピーミール」のヘルシーメニュー化を打ち出したことは、この大きな流れに沿ったアクションで、今後こうした動きが各方面に拡大していくことが期待されます。

そして忘れてならないのは、今回の米マクドナルドのようなアクションは、SDGs(持続可能な開発目標)としての側面を持っているという事です。国際連合広報センターのホームページにSDGs の17の目標が分かり易く紹介されていますが、3番目の目標である『すべての人に健康と福祉を』の説明の中に、「学校やクラブ、チーム、組織で行動を起こし、とりわけ女性や子どもを含む社会的に最も脆弱な立場にある人々をはじめ、すべての人の健康増進に努めてください。」という、人々に行動を促す印象的な呼びかけがあります。

企業は、社会の一員としてSDGsに積極的に取り組むことが求められています。逆に言うと、企業が本気でSDGsを事業運営の指標とすれば、大きな力を発揮できるに違いないですし、そのことが、企業自身の持続可能性とも密接に絡んでくるのではないでしょうか。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO27000400W8A210C1000000/

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