プログラムレスの世界~自然言語でコンピューターを動かす~
コンピューターを自在に操るのに、プログラムを自分で作れるのと、人の作ったプログラムで甘んずるのとでは、前者の方が有利に決まっています。しかし、それがたやすい事でないのは、プログラミングという作業、プログラミング言語という大きな壁が立ちはだかっているからに他なりません。何万行ものソースコードを書くのは、そう簡単ではない……
そんな状況に一筋の光明を投げかけるものの一例が、日経電子版の記事【アプリを100種類のテンプレートで開発、アステリア】でも紹介されている、テンプレートでアプリを作れるサービスだと思います。
そもそも、プログラミング言語も、文法を持った一つの立派な言語、エスペラントのような人工言語だとすれば、その言語が苦手な人向けのサービス、自動翻訳サービスのようなものがあって良いはずです。課題解決のための直感的な言語表現(=インプット)を、アルゴリズムに置き換えて、そこからプログラムを書き起こしてくれる(=アウトプット)ソリューション、『プログラムを書くプログラム』です。
私達が普段使っている自然言語でインプットすれば、それをコンピュータ―に実装するためのプログラムに変換してアウトプットしてくれる、そのようなソリューションの課題として考えられるのは――
① インプットする文章、言葉、つまりプログラムを設計するのに必要な
定義に、どの程度詳細なものを要求するか?現実には、文章というより
アンケート形式のインプットになるかも知れません。
② 『プログラムを書くプログラム』で作成したプログラムの動作や倫理性
を検査する、ソフトウェアテスト(のビジネス)が重要になってくる、
と思われます。
③ いきなり『プログラムを書くプログラム』のサービスではなく、記事に
あるように、予め想定されるテンプレートを準備しておいて、ユーザーが
プログラミング不要で細部を調整するサービスが考えられます。
④ 近未来的(SF的)な話ですが、将来的には、人工知能AIに音声入力
すれば(=音声によるインタラクションで)、プログラムを作ってくれる
ようなシーンも考えられます。
プログラミングの作業、自然言語をコンピュータ―を動かすための言語(プログラム)に変換する作業から解放されたプログラミングフリー(?)な世界、専門知識がなくても広く一般の人がコンピューターに命令を出せる世界では、課題解決のスピードが著しく向上する一方で、人間には、『プログラムを書くプログラム』にインプットする最初の言葉、課題解決のための言語化されたアイデアを発見するスキルが要求されるようになりそうです。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?