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情報の信頼性と有用性~情報の洪水とどう向き合うか~

 日経電子版の記事【査読前論文、コロナで注目 信頼性確保がカギ】では、新型コロナウイルス対策のため、いかに情報をスピーディーに入手すれば良いか、その一つのメソッドとして、査読(専門家による事前の審査)前の研究成果を無料公開する「プレプリントサーバー」についてリポートされています。



 さっそく、記事などから「プレプリントサーバー」のメリット・デメリットを整理してみると――

▶「プレプリントサーバー」のメリット・デメリット

(1)メリット

  ① 情報が迅速に入手できる。

  ② 緊急時の対応に適している。

  ③ 無料で閲覧できる。

  ④ 多少不完全な情報でも、不特定多数が関与する事で前進があるかも
   知れない。

  ⑤ 査読があれば論文の掲載まで半年~1年かかるケースも

  ⑥ 専門外の研究者による新しいアイデアでも一早く公開できる

  ⑦ 特に複雑系に関わる研究など、多くの人と情報を共有し、オープン
   に議論できるエコシステムは、科学の発展に資するものである
   (市民科学など)


  ⑧ 誰もが自由に閲覧できる。

(2)デメリット

  ① ずさんな内容が、もっともらしい成果にデコレーションされている
   ケースもあり得る


  ② プレプリントサーバーの台頭を警戒する既存の専門誌は、一度公開
   された草稿は受け付けないケースも。

  ③ 投稿内容の質をいかに担保するか?

  ④ 特に、実験の再現性が低い生命科学分野では、査読がある既存の
   専門誌でも質の担保は難しい。

  ⑤ 一般人も読めるプレプリントサーバーで公開された研究が科学界の
   定説と勘違いされるリスク。



 こうしてみると、信頼性さえ担保できれば、「プレプリントサーバー」には、不特定多数の人々の協働による科学の進歩という大きなポテンシャルがあるのは明らかです。

 科学論文に限らず、広く世に流通する情報の洪水を見渡した時、その『信頼性』と、当面する課題への『有用性(役に立つ)』を見極める事、『情報の価値を見える化する情報』ほど重要なものはないのではないでしょうか。AIなども活用した施策は喫緊の課題かも知れません。



(追記:この件については、下記の拙稿でも考察しています。)




(付記:2020年5月19日、皆様のおかげをもちまして、noteへの連続投稿が500日を達成できましたことに、改めてお礼を申し上げます。下記の拙稿で振り返りをしています。




連続投稿514日目。
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