
『IEaaS』のポテンシャル
日経電子版の記事【ダイキン、売り物は「空気」 快適空間を定額提供
XaaSの衝撃】は、「空気」を売るという発想をリポートした興味深い内容になっています。
確かに、コト消費の時代のエアコンというものを突き詰めていけば、それは、エアコンという『モノ』(機械)ではなくて、空気の状態という『サービス』ということになり、エアコンの設置やメンテナンスなども含めた快適な「空気」の提供ということがメインテーマになってくるはずです。まさに記事でいうところの『AaaS(エア・アズ・ア・サービス)』です。
ただ、ここで注意しなくてはならないのは、「空気」というのは、室内環境を構成する要素の中の重要なものの一つに過ぎない、という点ではないでしょうか。ざっと考えただけでも、室内の環境にまつわる要素として――
▶室内環境の要素
① 温度
② 湿度
③ 照度(明るさ)
④ 清浄度(ニオイ)
⑤ 清浄度(ハウスダスト)
⑥ 清浄度(花粉)
⑦ 清浄度(PM2.5) など
サービスとしての質、ユーザーのベネフィットを考えるなら、エアコン・照明・空気清浄機などをそれぞれに管理するよりも、全部一括して、『室内環境(Indoor Environment)』全般を最適化してくれるようなプラットフォームが望ましい事は明らかです。
であるならば、ビジネスもその方向で進行するかも知れません。『AaaS』に止まることなく、広く『IEaaS(インドア・エンバイロメント・アズ・ア・サービス)』(註:造語です)を提供するのです。
▶『IEaaS』のイメージ
① 窓から燦燦と陽の光が差し込んでくる時など、自動で照明の明るさを
落としてくれる。
② 日中、部屋で作業中に、外が曇り出した時など、自動で照明を明るく
してくれる。
③ うとうととした午睡のひと時、一々立ち上がって明かりを消しに
行かなくても(そのせいで目が覚めてしまうかも!)、自然に消灯する。
④ 部屋で仕事中・食事中・運動中など、人の動きに合わせて室温を調整
してくれる。
⑤ 雨が続いて部屋干しをしている時など、自動で除湿してくれる。
⑥ 朝夕の部屋の換気で窓を開けた後など、自動で部屋の清浄度を調整
してくれる。
⑦ 季節を問わず、乾燥肌に悩まずに過ごせるよう、室内環境が自動で調整
される。 など