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《親ペン雑記 #3》プログラミング教育の必要性
少し前の日経電子版の記事【IT人材育成、世界が競う】では、世界各国でプログラミング教育が広がる中、特にIT系人材の不足が深刻な日本の現状が憂えられている。
以前《親ペン雑記》で、コンビニという所には社会の縮図のような性質があって、様々な人間模様が観察できる、と言ったことがあるが、先日、まさにこのプログラミング教育の必要性を痛感させられるような現場を目撃した。
それは、私の前でお会計をしていたおばあちゃんなのだが、手持ちの電子マネーに残高が不足していたらしく、チャージすることになった――
お客「それじゃあ4,000円チャージして頂戴」
店員「かしこまりました。セルフレジなので……(途中略)……はい、それでは、カードをタッチしてください」
お客「ここね」
チャージ完了のチャイムが鳴る。
店員「続けてお支払いです」
お客「(心底驚いて)えっ!?今払ったじゃない!」
店員「いや、チャージが終わりましたので、お会計の方を……」
お客「今4,000円入れたでしょ!」
店員「あの、チャージとお支払いは別でして……」
お客「なぜ2回も払わなくちゃいけないのよ!!」
全くらちが明かず、しばらく押し問答が続いたものだ。くだんの店員さんは、一計を案じて店長さんを呼び出した。より権威のある別人の口から同じ事を説明することで、この難局を切り抜けようというのだ。結局、そのおばあちゃんは、全然仕組みは理解はできない様子ながら、少なくとも騙されている、二重に払わされている訳ではなさそうだと納得して帰っていった。
このような現場、私たちの生活の隅々に入り込むデジタルな仕組みに対する理解度を試されるような現場は、何もおばあちゃん、高齢者に限った問題ではなく、そこに生活する老若男女全てにとっての課題だ。
今回の事例では、『何らかの活動を達成するには、どのような動きの組み合わせが必要か』というプログラミングの基本が問われている。言葉にして表現すると当たり前のように聞こえるが、『チャージして支払う』という活動には、文字通り『チャージする』という動きと『支払う』という動きを順序立ててこなしていく必要がある。決して、チャージすれば自動的に支払いまで完了する訳ではないのだ。
デジタル社会で消費者として生活し、また逆の立場で生産者としてサービスやモノを売っていくには、『何らかの活動を達成するには、どのような動きの組み合わせが必要か』というプログラミングの基本、その活動がどのような仕組みで成り立っていて、そこにどのような手順、アルゴリズムを持ち込めばいいのか思考する『デジタル思考』が必要となりそうだ。その訓練、トレーニングの場としてのプログラミング教育の重要性は大きいと言える。
ただ、もちろん、それは『アナログ思考』の重要性を貶めるものではなく、両者のバランスをとっていくことが大切だと言えよう。何と言っても、人間はバーチャルなデジタル空間で生きているわけでなく、現実の世界に生きる生身の存在なのだから。
デジタル――――アナログ
論理的―———直観的
科学的―———感覚的
段階的―———連続的