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《連続投稿537日目》ウォルマートvs.アマゾン~ネット通販という名のショッピングセンター~

 日経電子版の記事【米ウォルマート、ショッピファイとネット通販で提携】では、ウォルマートが、ネット通販のノウハウのない企業にウェブサイト作成・在庫管理・決済・配送の独自システムをサブスクで提供して急成長し、「アマゾン・キラー」とも呼ばれるカナダのショッピファイと提携し、ショッピファイの利用企業が、ウォルマートのネット通販のマーケットプレイス(ウォルマートが第三者の商品をネットで販売する場)に出店できるようにする施策がリポートされています。



 この記事は、ネット通販とは何なのか、改めて考えさせてくれます。

 ネット通販を、端的にオンライン上のバーチャルなショップ、オンライン店舗と捉えるなら、自社サイト・D2C(Direct to Consumer)と様々ある中、リアルな世界のショッピングセンター、ショッピングモールに相当するのが、ウォルマートやアマゾンのような大規模なネット通販、言わば『オンラインショッピングモール』という訳です。

 だとすれば、ウォルマートとアマゾンの競争も、一般論としては、その『オンラインショッピングモール』の魅力、個々の『オンラインショッピングモール』での買物という体験価値で優位性が決まる、とも言えそうです。



 ここに『オンラインショッピングモール』での体験価値というものを考えた時、様々な価値がある中で、大きくは3つの柱があるのではないでしょうか――

▶『オンラインショッピングモール』の体験価値の
                    3つの柱

①『利便性』・・・買い回りがしやすいレイアウト(サイトマップ・サイトの
       デザインなど)・決済、配送の確認まで含めたシームレスな
       フロー・ロングテールでありながら欲しいモノを絞り込み
       やすい仕組み・ワンストップで何でも揃い、しかも探し
       やすい・価格、スペック等を比較検討できる機能がある・
       BOPISやリアルで見てネットで買う仕組みなどネットと
       リアルの融合が進化している、コンシェルジュの機能、
       などチェックすべき点は多い。

②『独自性』・・・リアルなショッピングモールにおけるテナントのように
       個々のショップに、そのトップページや、レイアウト、
       イメージ等に独自性、個性があって、ショッピングを
       楽しめる。また、セレンディピティがある。

③『信頼性』・・・セキュリティー・個人情報保護・真贋判定・レビュー、
       口コミの信頼性、など。

 便利なだけで個性がなかったり、独自性があるものの使い勝手が悪かったり、いくら利便性のあるサイトでも今一つレビューが信頼できなかったり、と3つの柱がバランスよく成り立っていないと、『オンラインショッピングモール』の体験価値はたやすく損なわれてしまうリスクがありそうです。



 一方、『オンラインショッピングモール』のテナント、利用企業にとっては、大きく3つの出店価値がありそうです――

▶『オンラインショッピングモール』への出店価値の
                 3つのポイント

①『効率性』・・・オンラインショップを少ない手間で効率的に運営できる。

②『差別化』・・・サイトのデザイン、送料設定などに融通が利き、差別化
       できる。

③『コスト』・・・リーズナブルな料金、手数料、コストである。



 こうしてみると、『オンラインショッピングモール』の優劣は、その2大当事者であるユーザーとショップにとっての価値、体験価値と出店価値によって定まる、と言っても過言ではなさそうです。




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