「売り切れ御免」vs.「品切れご法度」 ~サスティナブルな『当日売り切り』~
日経電子版の記事【「当日売り切り」顧客つかむ エブリイ、増税後も好調】では、大手総合スーパーに対抗すべく、「いつでもある」というUX(ユーザーエクスペリエンス)を捨てた、広島・岡山が地盤のスーパー「エブリイ」が紹介されています。
スーパーのユーザーにとって、「いつでもある」というUX、品切れのない安心感には大きなものがあるはずですが、一般論として、逆にそこを取っ払うとどうなるのでしょうか?――
▶「売り切れ御免」の効果
① 鮮度が命の生鮮食料品の翌日持ち越しがなくなり、鮮度に特化した商売
が出来る。
② 売り切れる、あるいは、売り切ることで廃棄コストがなくなり、利益を
確保できる。
③ 品質が落ちた前日の売れ残りを売ることによる顧客満足の悪化、
ストアロイヤルティの低下を防げる。
④ 開始当初の顧客の厳しい反応も、時間をかけて鮮度と食品ロス問題への
取り組み(ESG)への理解に変わり、「(記事より)夕方には生鮮品が
売り切れるのが分かっているから、いつも昼間に来ている」という認識が
育っていく。
⑤ 当日売り切りを徹底するには、個店対応・個店主義でその店に合った
商品が仕入られていること、また、個店ごとの値付けが前提となる。
そして、その事が顧客からの支持にも繋がる。
「売り切れ御免」と「品切れご法度」は、特に生鮮食料品を取り扱っている小売りにとって永遠の課題ですが、昨今のご時世では、サスティナブルな『当日売り切り』こそが消費者の支持を得られる施策であるのかも知れません。
(付記:2020年5月19日、皆様のおかげをもちまして、noteへの連続投稿が500日を達成できましたことに、改めてお礼を申し上げます。下記の拙稿で振り返りをしています。)
《連続投稿511日目。
当ページにご来訪いただき、ありがとうございました!》