1本のツイートがコミュニティに広げる波紋
今回の非公開化に関するツイートを巡っては、9/28付で【現実味おびる「マスク氏なきテスラ」 SECが提訴】(本稿末尾に添付)の記事が出て、その後、9/30付の記事【テスラCEOがSECと和解 罰金支払い会長退任】で「スピード和解」が報じられました。言わば第4次産業革命の時代の革命家、人類の未来を果敢に切り拓くイーロン・マスク氏に関わる事だけに大きな注目を集めていると思います。そんなイーロン・マスク氏のパワーの源は何なのか、改めて思い巡らしてみて、私は、それは、典型的なカリスマ型リーダーシップとは別のところにあると感じます。
マスク氏の壮大な事業――スターリンク・火星移住・EV・ハイパーループ・ニューラリンクなど(日経電子版の記事【火星から脳波まで イーロン・マスク氏の頭の中】参照。本稿末尾に添付)――に資金と人材が集まるのは、『リーダーシップ』、あるいは『リーダーシップ』だけで出来ることではありません。一見荒唐無稽にも思える事業、SFのような、『夢』のようなプロジェクトに喜んで人材と資金が集まってくるのは、人々が、そのプロジェクトの持つメッセージに基本的・根本的な共感を覚えて、その実現可能性に賭けてみようと決断するからだと思います。そこにある要因を整理してみると――
▶夢のようなプロジェクトに人材と資金が集まってくる要因①『全人類共通のメッセージ』・・・そのプロジェクトの意義、プロジェクトの持つメッセージ(例えば、EVであれば、石油依存社会からの脱却)に、全人類レベル、全地球レベルでの課題克服が込められている。②『希望Hope』・・・そのプロジェクトに実現可能性、成功のイメージと、そのための具体的なプロセスのイメージ、つまり希望Hopeがある。③『共感』・・・共感した一人ひとりが自らの意思でプロジェクトに参加する。
プロジェクトに込められた『メッセージ』への『希望』と『共感』という要素は、まさに、自らコミュニティに参画し協働しようという意識、『コミュニティシップ』に他なりません。マスク氏のパワーの源の一つは、いろいろな所で論じられている、この『コミュニティシップ』、あるいは『コミュニティシップ』を喚起する力にあると思います。
▶マスク氏のパワー=リーダーシップ✖コミュニティシップ =夢✖人材✖資金
1本のツイートによってコミュニティとその周縁に広がる波紋は、マスク氏を取り巻くコミュニティが大きければ大きいほど影響も大きいのかも知れません。今後もマスク氏の動向からは目が離せません。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO35933500Q8A930C1000000/
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO35869050Y8A920C1TJC000/?n_cid=DSREA001
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO27298360T20C18A2000000/
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?