育つか、ジャパニーズドリーム
この記事【来れ!インバウンド起業家 外国人の目線でお宝再発見】は、日本のプロダクト(モノ・サービス)をどうやって外国人に届ければよいか、その商機をつかむのに、外国人の視点がいかに重要であるか、改めて認識させてくれます。
まず、記事からいくつか事例をピックアップしてみると――
▶インバウンド起業家の感じる商機の例① 「日本は飲食店のレベルが高く、食にこだわる観光客らの引き合いは強い」② 「『クールジャパン』と呼ばれるソフトコンテンツ市場は、日本国内では供給過多だが、海外での需要はまだまだ大きい。いくらでも市場は開拓できる」③ 「日本には高品質な商品がたくさんあるのに、海外への売り方を知らない。宝の持ち腐れになっている」
――これらの事例から浮かび上がってくるのは、「日本の飲食店」にしろ、「クールジャパン」・「日本の高品質な商品」にしろ、そこにチャンスが眠っていることは日本人にも理解できても、具体的に効果的な届け方、アピールのツボがつかみきれない、という事ではないでしょうか。
日本人がいくらプロダクトの良さを推奨しても、そのベクトルが外国人の心に響く方向を向いていなければ、空振りに終わってしまいます。同じプロダクトであっても、見る人によって感じ方、心に響くツボは違うはずで、外国人の心に響くツボに気付くには、外国人の心に寄り添う、外国人に聞くのが一番です。
その意味で、インバウンド起業家は、日本のプロダクトの良さと、そのどの部分が外国人の心に響くのか、その両方を知り得る立場にある訳で、日本のプロダクトを外国人に届けるための商機をつかむ上で優位性があるのは間違いありません。逆に言うと、日本の企業が日本のプロダクトを外国人に届けるためには、外国の方とダイバーシティーなチームを組むのがベストなはずです。「海外への売り方を知らない。宝の持ち腐れになっている」という指摘を受ける状況は非常にもったいない。
日本のプロダクトを外国人に届けるのに、日本の企業が自ら商機をつかむにせよ、インバウンド起業家の力を借りるにせよ、日本のプロダクトにとっては大きなチャンスです。日本のプロダクトが持つポテンシャルの中から外国人の心に響くツボをすくい上げ、世界に羽ばたいていくジャパニーズドリームは、制度面も含めて積極的な後押しが必要だと感じました。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO35427620V10C18A9000000/