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かけっこ練習ノート - ベースポジション・目標タイム設定・ダイコン切り
9月16日(木)
雨降り続きで、3週間ぶりの練習になりました。
その間に随分涼しくなり、日も短くなりました。
夏休みは終わっても、分散登校でなかなか日常が戻ってきませんね。
チーム名総選挙
さて、今のかけっこ練習のチーム名「ダッシュ太尾」は、今年の4月に子ども達の選挙で決められました。
その時に、チーム名がずっと同じである必要はないので、その時々のメンバーが名前を選ぶのもいいね、と話していました。
あれから半年が経ち、複数のメンバーからチーム名選挙をやろうと声をかけてもらいました。
このため、10月7日を選挙日にしようと思います。
それまでに、いい名前のアイデアがあれば、どしどしご連絡ください。
今日は、スプリント(短距離)パート、河川敷マラソン(長距離)パート、走りの基礎パートに分けて練習をしました。
どれを選んでもいいし、複数選んでもいい。
目的に合わせて自分で練習メニューを決めていきます。
スプリントパート - 4の字ベースポジション
スプリントパートでは、4の字のベースポジションを確認しました。
「走る」という動作のうち、体を前に進める力を貰えるのは、地面に足がついている瞬間だけです。
その貴重な瞬間に、ふらふら揺れてしまうような「猫じゃらし」のような体では、しっかりと地面からの力を受け取れなさそうですよね?
逆に鉛筆のようにしっかりと芯が通って安定して立っていられる体であれば、地面からの力をしっかり受けて、パーンと反発できそうです。
その地面から力をもらえる「瞬間」というのが、まさに4の字のベースポジションなのです。
ですので、4の字のベースポジションでふらふらせずにピタッと静止できる力はとても大切。
そのためには、腹筋や背筋など体の大きな筋肉、いわゆる体幹にぐっと力が入って体を安定させる力と感覚がとても大切になってきます。
このベースポジションの安定を鍛えるために、ベースポジションの状態で20秒間静止するという練習をしました。
実際にやってみると、多くの子はふらふらしています。でもその中に、ピタッと止まれる子も少数ながらいます。
そして、その子たちは走りの中でしっかり地面から力をもらっている子たちと一致します。
走りは才能とよく言われますが、片足で静止できることは才能ではないですよね。
つまり、鍛えれば誰でも4の字のベースポジションでピタッと止まれるようになり、それはそのまま走力に生かされるということです。
注意点ですが、この練習の「目的」は片足でぴたっと静止することではありません。
片足で静止するのはあくまで「手段」です。
目的は地面からの力をしっかり体で受け止められるようになること。
そこのところをよく意識して、家でもやってみてください。
河川敷マラソンパート - 目標タイム設定
次は「河川敷のマラソンパート」です。
10月末に小学校で行われる河川敷のマラソンで、自分の目標タイムを達成したい子たちで行いました。
この練習においても、「目的」が大切だと思っています。
この練習の「目的」は、本番の距離を目標タイムで走れるようになることです。
このため、本番よりも長い距離を走ることは、目的に合いません。
また、本番よりも短い距離を、目標タイムよりも速く走ることも、目的に合いません。
つまり、ただやみくもに速く走ったり、ゆっくり長い距離を走ればいいというわけではないのです。
あくまでも、本番の距離を目標タイムで走り切れるような練習、それを考えていきます。
今日の練習の目的は、それぞれの目標タイムの速さを体で感じること、にしました。
まず昨年のタイムから、今年の目標タイムを決め、その上で太尾公園1周400mのタイムを割り出します。
そしてそのタイムを目標に、2周走りました。
本番では学年によって2~3周の距離になります。
思ったよりも目標タイムがきついと感じた人、1周目は楽勝だったけど2周目できつくなった人、まだまだいけると思った人、色々だと思います。
それぞれの1周目と2周目のタイムは追って連絡します。
これから1ヶ月半で、いろいろ考えながら少しずつでも目標に近づく練習ができればと思います。
走りの基礎パート - ダイコン切り
最後に走りの基礎パートです。
今年度に入って実に10人の子が新しく参加してくれました。
その都度、基礎的なことは個別に話しているのですが、もっと時間をかけて落ち着いて話したいという気持ちがずっとありました。
そこで、改めて去年からやっている基礎的な内容を、丁寧に話す時間を作ろうと思い、前回から「走りの基礎パート」を始めました。
前回は、歩きと走りの違いや、走るとは弾む事という切り口で練習をしました。
今回は、動きの中でも基礎中の基礎である腕振りを、「ダイコン切り」というイメージでお話しました。
「ダイコン切り」とは、すなわち、
「こし骨から(突如)生えた大根を、手刀ですぱっと切る」
そんなイメージで腕を振るというものです。
この「ダイコン切り」の腕振りは、以下の点でいいことがあります。
1) 腕振りが最も速くなるべき、こし骨付近で、ダイコンを切ること
2) 腕を90°に曲げて振ることができる(腕を伸ばした腕振りを防ぐ)
3) 腕をしっかり後ろまで振れる(前だけで振ることを防ぐ)
4) 腕を腰骨すれすれで振ることで、腕が外に広がった腕振りを防ぐ
ただし、このダイコン切りだけを意識していれば腕振りは完全にOK、というわけではありませんので、ダイコン切りができたら更なるレベルアップの腕振りをやっていきますね。
「ダイコン切り」をみんなで練習した後、50mを走りました。
驚くことに、みんな腕振りが見違えるようになりました。
そして腕振りだけでなく、体全体の動きもダイナミックになり、走りも速くなっています。
すごく進む!と驚いていた子もいました。
やはり、「知っている」と「知らない」の差は大きいのですね。
これからもしばらくは今日のような3パート制でやっていきたいと思います。
気がかりは、秋分を過ぎて、より日が短くなっていくことです…。