かけっこ練習ノート - 接地の重要性
6月9日(木)
集中して話を聞く力
今日は最初に、「集中して話を聞く」ということについて話をしました。
それ以外の能力と同様に、集中して話を聞ける時間は人によって違います。
それを人と比べて優れている、劣っていると考えるのは意味がありません。
今の時点でそれが長いか短いかで一喜一憂するよりも、それを伸ばそうと意識することがよっぽど大切だと思います。
集中して話を聞くこと。
もっと言えば、聞くだけでなく、見て、考えること。
つまり、脳をフル回転して話を聞くのです。
疲れて、集中力が切れて当然です。
だからこそ、意識していれば鍛えられるのです。
ちなみに、気になるものが近くにあると集中が難しくなります。
だから、話を聞くときはボールや水鉄砲は少し遠くに置くといいでしょう。
勉強しているときに、携帯電話がポケットや机の上にあるだけで、勉強効率がかなりおちるという研究結果もありますので。
接地がなぜ大切なのか
前段が長くなりましたが、今日の練習は接地について考えました。
足が地面についている状態が接地ですが、実はとても重要な走りの要素です。
走っているときに前に進む力をもらえるのは、足が接地している瞬間だけだからです。
接地を考えるときに大切なのは以下の2つです。
① 体の重心の真下に接地する。
② 真上から接地する。
① については、体の重心の真下に接地することで、最も地面からの力をもらえるからです。
② について、よくやってしまう接地があります。
地面をつま先で掘るような接地です。
この時、つま先の軌道は後ろから前に向けて移動していて、接地の瞬間にブレーキをかけてしまっています。
そのため、垂直に接地することがブレーキを生まない接地なのです。
アルミ缶をつぶすには
この接地のイメージをつかむために、地面に置いたアルミ缶を想像してみます。
これを足の指の付け根あたりで潰す、という動きをイメージします。
このとき、体の重心の真下にアルミ缶がないと、思い切り力を加えることができません。
また、真上から踏まないと、アルミ缶は転がってしまい、つぶせません。
アルミ缶つぶしのイメージが、接地のいい練習になることがわかります。
このアルミ缶のイメージは、走っている時にも有効です。
一歩一歩アルミ缶をつぶすイメージで走ると、とてもいい接地になるでしょう。
体に覚えさせる練習
この接地のイメージを体に覚えさせるため、ミニハードルを並べて走り抜ける練習を繰り返しました。
ミニハードルの間隔を少し狭めることで、体の前方に接地することを防ぎ、重心の真下に接地しやすくなります。
また、ミニハードルを越えようとすることで足先の軌道が高くなり、垂直方向で接地しやすくなります。
このミニハードルの走り抜けを、最初はできる範囲でゆっくりと、そして徐々にスピードを上げて繰り返しました。
狙い通り、多くの子の接地がとてもよくなっていました。
なぜ、本番で走れないのか
ただ、ここで何人かの子達から同じ悩みが出てきました。
太尾ランナーズで走っているときはいい走りができるのに、50m走になるとその走りができない、と。
体が動きを覚えるまで、何度も繰り返し走ることが一番の近道だと思います。
ですが、50m走の前に先ほどやったミニハードルを意識して何本か走るだけでも、体は動きを思い出します。
急に走ってもベストのパフォーマンスは出せません。
それはサッカーや野球など、みんな同じだと思います。
本番の前に、動きを確認したダッシュを何本か繰り返すこと。
それだけでも、動きが随分違ってくると思います。