2月12日(日)三遊亭白鳥独演会 恋する乙女の一足早いバレンタインデー@かめありリリオホール
今回の会は二席とも古典改作。一席目の元ネタは三遊亭圓朝御作「真景累ヶ淵 豊志賀の死」。二席目の元ネタは「お直し」。
白鳥「豊志賀ちゃん」
※中学時代、雪の日のバレンタインデーに起きたタケハラ君との思い出をマクラに。
二ツ目の落語家・久蔵は音曲師の豊志賀のもとに小唄・端唄を習いに行っている内に彼女と嬉しい仲になる。だが、「豊志賀ちゃんだよー」などとギャグを言ってくる彼女が次第に疎ましくなってくる。そんな折、同じように豊志賀のもとに通ってくるさくらという前座がいた。久蔵とさくらの仲を邪推した豊志賀は、ストレスから甘いものをたくさん食べ、別人のように太ってしまう。
雲助師や一朝師の実名が飛び交うすっかり気の触れた…いや、気分のいい怪作もとい改作。一大スペクタクルとなる浅草演芸ホールの場面では、お客さんも参加して「豊志賀ビーム」を放つ。「最後のフライト」同様、白鳥師お得意の参加型落語といえよう。
ー仲入りー
白鳥「お直し猫ちゃん」
※長屋に住む偏屈な落語家·ヨシゾーはひょんなことから猫を飼うことになるが、この猫、文化文政の頃から生きている猫又であった。なので、喋れる。ヨシゾーはこの猫をたいそう可愛がり、寄席に連れて行くほどであった。だが、コロナなどの影響でヨシゾーは困窮し、自宅で猫カフェを営むことになる。
猫を演じる白鳥師がひたすらカワイイ。ヨシゾーによく尽くす健気な猫の姿にホッコリする。
ラスト近く、ヨシゾーは嫉妬する。お直しだよ!これは愛なのだろうか?ここからの展開は「お直し」に似ているが、「お直し猫ちゃん」はここからさらにひとひねりある。
ところで、落語で女を演じる場合、襟元を押さえて女らしさを強調するというのがある。これは勿論その女性が着物を着ているという前提に立っている。ご多分に洩れず白鳥師、雌猫を演じる時、襟元を押さえていた。猫は着物を着ていないと思います!
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